観戦記2645 WBOミドル級王座戦 デメトリアス・アンドレイドvsマチェック・スレッキ | 人生マイペンライ

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8月11日の元WBAミドル級王者村田諒太さんのトークショーで 『ボクシング以上に熱くなるものはないでしょう。今更持つ必要ないですし、そこまで熱くならなくてもいい。オリンピックは1番大きかったし、人生が変わりました。しかし、有名になったのが最大の失敗で、自由がなくなった。成功かもしれないけど失敗で、そこに執着が生まれた』 と話し、世界王者になってどのような変化があったかについては 『お金が入った事です。金銭の自由は大きいですよね。余裕ができたことで社会貢献にも目が行くようになりました。社会に何ができるかと視野が広がりました』 と話していた。

ボクシングで世界王者に成るのと成らないのでは天と地の差があり、ましてやミドル級王者となればファイトマネーや歴史に名を残し、その後の人生にも大きく変わってくる話。村田諒太さんがWBAミドル級王者になったのは、2017年10月のアッサン・エンダムとの再戦に7R終了時TKO勝ち 『観戦記1386』 2018年4月の初防衛に成功するも 『観戦記1443』 ビックマッチの足掛かりにアメリカでの2度目の防衛戦で、10月にロブ・プラントに判定敗け 『観戦記1601』 帝拳ジムの素晴らしい交渉と力により、リマッチが組まれたどころが日本で開催され見事に王座再栄冠 『観戦記1758』

その時点でのミドル級王者はWBAスーパー&WBC&IBFがサウル・アルバレスで、王座挑戦には格もお金もとんでもないものが必要だった。残るWBOミドル級王者は、やはりアメリカの曲者デメトリアス・アンドレイド!

 

1988年2月にアメリカのロードアイランド州で生まれた‘Boo Boo‘デメトリアス・セザー・アンドレイド(デメトリアス・アンドラーデ)は、6歳からボクシングを始めて12歳の2000年度ナショナルシルバーグローブフライ級優勝~2001年度のナショナルシルバーグローブフライ級でも優勝~2005年度全米選手権ウェルター級では、後のWBAミドル級王者になるダニエル・ジェイコブス、後のWBAスーパーウェルター級王者になるオースティン・トラウトを降し優勝~2006年度全米選手権、2006年度&2007年度ナショナルシルバーグローブウェルター級でも優勝~2007年度世界ボクシング選手権ウェルター級では、後のWBA&WBCウェルター級王者に成るキース・サーマンを破り優勝~2008年8月の北京オリンピックに出場しベスト8。

 2008年10月にワシントンでデビューし、パトリック・ケイプを2RにTKOで降す~その後も13連勝8KOして、2011年9月にサウル・デュランを3RにTKOで降す~さらに4連勝3KOして、2013年11月にWBO1位のバーネス・マーティロスヤンと2位のデメトリアス・アンドレイドでWBOスーパーウェルター級王座決定戦をして2-1の判定勝ちで王座栄冠 『観戦記633』

 

2014年6月に、WBO1位のブライアン・ローズを7RにTKOで降し初防衛に成功~プロモーションの引き抜き合戦の混乱で試合ができず、WBOウェルター級王座を剝奪される~2015年10月に、ダリオ・ファビアン・プチュタを2RにTKOで降しWBOインターナショナルスーパーウェルター級王座を獲得~2016年6月にWBC10位のウィリー・ネルソンとの、WBCスーパーウェルター級王座挑戦者決定戦を12RにTKO勝ちして挑戦権を獲得。

2017年3月に、WBCスーパーウェルター級王者のジャック・クルカイに挑戦し2-1の判定勝利で王座獲得。ミドル級に階級を上げる為に王座を返上し、10月にミドル級契約でアランテス・フォックスに判定勝ち~WBOミドル級王者のビリー・ジョー・サンダースへの挑戦が決まるも、サンダースがドーピング検査で引っ掛かり中止(イギリスでは合法だが、試合地のアメリカで違法)サンダースは王座を返上~スーパーミドル級へ階級を上げたので、10月にWBOミドル級王座決定戦でWBA2位のウォルター・カウントンドグワに4度ダウンを奪い判定勝ちして2階級制覇達成 『観戦記2229』

 

わずか2ヶ月後の2019年1月に、WBO8位のアルツール・アカボフを12RにTKOで降し初防衛に成功 『観戦記2344』

 

そして、ドーピング違反で対戦が流れていた元WBOミドル級王者のビリー・ジョー・サンダースと防衛戦予定だったが・・・・ビリー・ジョー・サンダースは、5月にスーパーミドル級に上げてシュファット・イスフィに判定勝ちして2階級制覇達成 『観戦記2563』アンドレイドは、WBO2位のマチェック・スレッキと2度目の防衛戦となる!

 

1989年5月にポーランドのワルシャワに生まれたマチェック・スレッキは、アマチュアキャリアは少なく2010年6月にポーランドのキエルスでデビューしてアダム・ガウリックに1RでTKO勝ち~さらに14連勝2KOして、2013年11月にルカシュ・ワルチチェクを判定で降しポーランドミドル級王座を獲得。

2014年3月に、ハワード・コスポラインに判定勝ち~5月にも、ニコラス・ディオンを大差判定で降しポーランドインターナショナルミドル級王座を獲得~さらに7連勝7KOして、2017年10月に元WBAスーパーウェルター級王者のジャック・クルカイを判定で降す~しかし、2018年4月に元WBAミドル級王者のダニエル・ジェイコブスに判定敗け~11月に再起し、ジャン・ミッチェル・ハミルカロに2RでTKO勝ち~2019年3月に、ガブリエル・ロサドに判定勝ちしてWBOインターナショナルミドル級王座を獲得。

 

スーパーウェルター級、ミドル級と花形階級を無敗で制するのもビックマッチに恵まれないアンドレイド。DAZNと契約もしてビックマッチが期待されるが、2度目のボエウイ戦もポーランドのマチェック・スレッキと知名度は無くとも実力がある選手とアメリカのロードアイランド州で激突!

 

2019年6月29日 WBOミドル級王座戦 デメトリアス・アンドレイドvsマチェック・スレッキ

 

デメトリアス・アンドレイド 27勝17KO無敗 2度目の防衛戦

 

マチェック・スレッキ 28勝11KO1敗 WBOミドル級2位

 

1R、スレッキが挑戦者らしく手数出していくも、アンドレイドは距離を取る~踏み込んで左を伸ばす

 

さらにアンドレイドが、勢いよく飛び込み左!カスった感じだがスレッキはダウン!

 

立ち上がったスレッキに、アンドレイドが左をガンガン振っていくもラウンド終了

 

2R、お互いによく動き、身体も振りながら手数多い~スレッキが出てくると、アンドレイドは右フックのカウンターを狙う

 

それでもスレッキは出ていき右を伸ばすが、アンドレイドは柔らかくかわす

 

3R、スレッキが正面から突っ込むと、アンドレイドはカウンターを狙う!

 

低く斜に構えるアンドレイドに、スレッキ踏み込むが当たらない

 

4R、手数は圧倒的にスレッキだが、何せアンドレイドのディフェンスに当たらない

 

アンドレイドが攻める~スイッチをして押し込み、右を大きく振るが空振り

 

アンドレイドがサウスポーに戻し、ダイレクトの左を上下に当てる~下がったスレッキに連打もラウンド終了

 

5R、アンドレイドは極めには行かず、足を使いながら余裕ある動きでスレッキのパンチをかわす

 

アリシャッフルも魅せながら、アンドレイドはオーソドックスに代えて右オーバーハンド!

 

6R、スレッキが身体を大きく振りながら右を振りまくるが、アンドレイドは低く動き廻り当てさせない

 

しかし、アンドレイドは手数少なくスレッキに踏み込まれる

 

7R、素晴らしいポジショニングのアンドレイドが、スレッキにパンチは当てさせず上下に当てていく

 

スレッキもアンドレイドの前足を踏みながら、右ストレートを伸ばすもクリーンヒットはしていない

 

8R、さらにスレッキが打ち急ぐが、アンドレイドは細かく左右に動きながらかわす

 

大きく廻るアンドレイドは攻めない~スレッキが振り回すが、アンドレイドは距離を取りジャブを当てる

 

9R、ポイントでは厳しいだろうスレッキが、ジャブは貰おうとも踏み込むも当たらない

 

アンドレイドは、徹底して身体を振りながらジャブを打ち廻る

 

10R、スレッキが強引に身体ごと当たってくる~アンドレイドも左を強振して振りほどく!

 

アンドレイドがボディー連打で押し返す~身体を沈み込み、ボディーと見せかけておいて左を振りかぶる!

 

スレッキも、低い体勢から右で追いかけるが当たらない

 

11R、ポイントでは厳しく、倒すしかないだろうスレッキが攻める~しかし、ラフ過ぎてアンドラーデに連打で返される

 

頭ばかりのスレッキのパンチは当たらない~アンドレイドが変則的に入って右!

 

12R、見切っているアンドレイドは、それほど足は使わずにジャブだけ当ててスレッキを止める

 

アリシャッフルをしながら、アンドレイドは流す~最後まで足を使いながらのボディーワークで、スレッキを寄せ付けない

 

判定は、ジャッジ3者とも120-107の大差3-0でデメトリアス・アンドレイドがWBOミドル級王座2度目の防衛に成功!

 

デメトリアス・アンドレイドが、見事にジャッジ3者がフルマークを付ける圧勝!KOで勝つより難しく屈辱的と言われるフルマークの判定勝ちをランキング2位にするとは恐るべしアンドレイド。遠い距離からスイッチをし、柔らかく攻めてくるアンドレイドにスレッキのパンチは空を切るばかりでアンドレイドの強さ&上手さばかりが目立つ試合となった。

しかし、ヒラヒラとかわすが倒さないアンドレイドに場内からはブーイングも飛んでいた。この時点でミドル級は、1ヶ月半前の2019年5月にWBAスーパー&WBC王者のサウル・カネロ・アルバレスがIBFミドル級王者のダニエル・ジェイコブスを判定で降し3団体ミドル級王者 『観戦記2527』 アンドレイドのマネージャーであるエド・ファリスは 『カネロ戦は一生に一度の機会であり、デメトリアスは準備ができている。9月14日の対戦を望んでいる。カネロはミドル級を統一したいんだろ。みんなが観たい試合、カネロが欲しいベルトがここにあるよ』 と話すが、アルバレスは4ヶ月後の11月にWBOライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフに挑戦!

デメトリアス・アンドレイドは、7ヶ月後の2020年1月にWBO3位のルーク・キラーと3度目の防衛戦。初の世界王座挑戦に失敗したマチェック・スレッキは、1年2ヶ月後の2020年8月に地元ポーランドでサーシャ・イェゴヤンにフルマークの判定勝ち。

 

★この時点の対抗王者に君臨していた村田諒太さんはたいしたもんだ 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村