観戦記2579 WBCミニマム級暫定王座決定戦 重岡優大vsウィルフレド・メンデス | 人生マイペンライ

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先日もゴールデンタイムで放送されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の特集を観て、従来の監督像とは違う栗山監督の振る舞いや語り口。ダルビッシュ選手のリーダー論、大谷選手のポジティブな精神など一流選手の考え方に感動して観ていた。2006年にWBCが始まった時は、メジャーリーグ選手の不参加や参加国のレベルの違いなどに違和感もあったが野球をドキドキしながら観るのはWBCぐらいしか無くなったと思う。これで世界中に野球が広まり技術の格差が無くなってくれば、日本もウカウカしてはいられないようになってくれば寂しいが熱狂度は増すのだろう。

そして、ワールド・ボクシング・クラシックが盛り上がり世間の注目を集めれば集まるほどWBCはWorld Boxing Council(世界ボクシング評議会)だろ!と周りに力説している。今回のワールド・ボクシング・クラシックは20ヵ国の参加だが、ボクシングのWBCは1963年に設立され加盟国は160ヵ国を超える!

元々はWBAからの分裂だが、WBAが暫定王座問題やらで権威を下げているのもあり歴史の重さは4団体の中でも1番だろう。そんなWBCで、汚点というべき破産問題が勃発したのは2000年にWBCライトヘビー級王座を剥奪されたグラシアノ・ロッシジャーニが起こした裁判に敗けて3,100万$(約34億円)の損害賠償金を命令され破産宣告をした事件(後に破産取り下げ~ロッシジャーニと和解)だろう。

そんなメキシコが本部のWBCだが、やはりボクシングは興行なのもあり重岡優大選手のWBC王座挑戦が急遽の王者が病気で欠場~アンダーカードの予備選手では無く、1週間前のオファーの選手相手に暫定王座決定戦を決めてしまったのはいかがなものだろう・・・・

 

1997年4月に熊本県熊本市で生まれた重岡優大選手は、中学1年生の時に実弟の銀次郎選手と同じジムでボクシングを始める~開新高校時には2014年度インターハイピン級優勝~2015年度高校選抜ビン級優勝~2015年度インターハイピン級優勝~2015年度国体少年の部優勝。拓殖大学に進学し、2018年度全日本選手権フライ級優勝~2020年開催予定だった東京オリンピックを目指す予定も、ライトフライ級がない事で大学を中退してアマチュア戦績81勝10敗でプロに転向。

2019年10月にワタナベジムからデビューして、マノップ・ウドムパナーワーリーに2RでKO勝ち~12月にも、フィリピンのリト・ダンテに判定勝ち~2021年2月に、堀川龍選手を5RにTKOで降し日本ライトフライ級ユース王座を獲得~11月にも、小浦翼選手を2-0の判定で降しWBOアジア太平洋ミニマム級王座を獲得~7月に、6位のクリス・ガノーサを3RにKOしてWBOアジア太平洋王座初防衛に成功~11月には、仲島辰郎選手を3RにKOして日本ミニマム級王座を獲得。

 

そして、ついにWBCミニマム級王者のペッチマニー・ゴーキャットジム(パンヤ・プラダブシー)への挑戦が決まるが・・・・1週間前になってペッチマニーがインフルエンザで来日中止

 

そして急遽、暫定王者決定戦の申請が認められ亀田興毅さんが連れてきたのは!元WBOミニマム級王者でWBC7位のウィルフレド・メンデス!

 

1996年11月にプエルトリコのカグアスで生まれた‘Bimbit‘ウィルフレド・メンデス・フィゲロアは、2016年7月に19歳でデビューしてジャン・カルロス・モリナを2RにKOする~さらに8連勝3KOして、2018年3月にレイマン・ベナビデスとWBAラテンアメリカミニマム級王座決定戦で対戦も判定負け~7月の再起戦を判定勝ちし、9月に2021年3月に京口紘人選手のWBOライトフライ級王座に挑戦する 『観戦記2157』 アクセル・ブランドン・ベガを判定で降しNABO北米ミニマム級王座を獲得。

2019年3月に、アルマンド・バスケスを6RでKOする~5月にも、ハニエル・リベラを2-1の判定で降しNABO北米王座の初防衛に成功~8月に、ビック・サルダールのWBOミニマム級王座に挑戦して判定勝ちで王座獲得~10月には、WBO15位のアクセル・ブランドン・ベガとの再戦を7R負傷判定で降し初防衛に成功~2020年2月には、WBO3位のガブリエル・メンドーサ9RでTKO勝ちして2度目の防衛に成功~2021年8月に、カルロス・ブイ・ドラゴと防衛戦予定もブイ・ドラゴが減量失敗による脱水症状で試合2日前に中止となる。

2021年12月に、両国国技館でWBO1位の谷口将隆選手の挑戦を受けるも11RにTKO敗けし王座陥落 『観戦記2295』

 

それでも、わずか4ヶ月後の2022年4月に再起してケニー・カノに判定勝ち~11月には、モイセス・カロ・グティエレスを判定で降しWBOラテンアメリカ王座を獲得し急遽のオファーに来日!

 

なんと!この興行を主催する亀田興毅さんは、メンデスに対しミニマム級の挑戦者としては破格の1000万円のファイトマネーでメンデスを用意したらしい。メンデスは 『話がきたときにすぐに決めた。大きなチャンスだし、勝てばこの先にもっと大きなものが得られる。世界上位ランカーなので、常にチャンスがくる準備をしていた。急に呼ばれてもコンディションに問題はない。このチャンスを生かしたい』 と、ミニマム級では異例の166cmだが減量は間に合う。セミファイナルで弟の銀次朗選手がIBF暫定王座を獲得し、兄の優大選手も勢いのまま兄弟同日同級王座奪取なるか!?

 

2023年4月26日 WBCミニマム級王座戦 ウィルフレド・メンデスvs重岡優大

 

ウィルフレド・メンデス 18勝6KO2敗 WBO7位

 

重岡優大 6勝4KO無敗 WBO3位

 

1R、懐深いメンデスに優大選手は入りづらそう~メンデスが長い右を上下に伸ばす

 

優大選手は、振り回して足を滑らせる~メンデス動きながらボディー!優大選手が突っ込んで左ストレート!

 

2R、優大選手がプレスをかける~コーナーにメンデスを追い込みボディー!

 

プレスをかけてメンデスをコーナーに追い込むも、メンデスはジャブを当ててクリンチ

 

3R、メンデスは効かせる訳ではないが、チョンチョン当ててはクリンチ

 

優大選手は、気にせずにズカズカと入っていきボディー!

 

4R、やはり、メンデスは廻りながら細かく手を出す~優大選手はボディー!コーナーに追い込み振っていく!

 

しかし柔らかいディフェンスのメンデスに、なかなか優大選手のパンチはクリーンヒットしない~隙をみてメンデスが左ストレート!

 

公開採点 37-39 38-38 38-38 1-0で優大選手リード

 

5R、細かくパンチを出しながら廻るメンデスに、優大先週はプレッシャーをかけるが手数は少ない

 

優大選手は、左を振り落としながらメンデスを追いかける~メンデスは下がりながらもジャブを通す

 

ラウンド修理間際に、お互いに突っ込み頭が危なかったが、優大選手が左を振り落とす!ダウンを奪う!

 

メンデスは立ち上がり、残り時間無くラウンド終了

 

6R、さらに廻るメンデスに、優大選手はボディー~追いかけワン・ツー!

 

メンデスは必死に廻る~優大選手が詰めていくも、大きいのを狙い過ぎか!?

 

7R、ラウンド始まって直ぐに、メンデスはコーナーに追い詰められる

 

メンデスは顔面だと思ったのか、引きながらレバーというか背中気味にパンチを貰い崩れる!

 

メンデスが立ち上がれず、レフリーは10カウントを数える!

 

見事に重岡優大選手が、7RにKO勝ちでWBCミニマム級暫定王座を獲得!なんと兄弟ともに同日に、鳩尾とレバーの違いとはいえ同じ左ボディーでKO勝ちして同級王座奪取という偉業。採点表を見ると2R、6R、ダウンがあった5Rはジャッジ3者が優大選手に10点。5Rまでは、55-58、54-59,55-58で重岡選手がリードしていた。

優大選手は 『銀が熱い試合をして、頑張ったなと思って感動していた。緊張とプレッシャーは楽しもうと思っていたけど、既に反省モードに入っています。もっと上手くやりたかった。これから課題。世界チャンピオンを目指してやってきましたけど、ベルトを手にしてここがゴールじゃないと分かった。これからもっと強くなります』 と話す。

急遽のオファーで来日したメンデスは 『世界チャンピオンに返り咲きたい夢はあったけど、準備期間も短かったので、思うような内容にはなりませんでした。もっと来るかなと思っていました。それでリズムをつくることができて、かみ合うことができた。自分の強さを少しは見せられたと思います。彼がチャンピオンになって、大変リスペクトしています。日頃からもっと練習して、いつでも試合に行けるようにしたい。世界チャンピオンに戻ることが夢なので、試合内容も伴ったチャンピオンになりたいです』 と話す。

兄弟で同日同級王座奪取は世界初と放送されていたが、同日同級‘同じく暫定‘王座奪取も初なのかなと嫌味な事を思ってしまった。

 

★WBCミニマム級初代王者は井岡弘樹さん 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村