観戦記2545 IBFインターナショナルミドル級王座決定戦 ジャック・クルカイvsラファエル・ベ | 人生マイペンライ

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日本での報道は少なくなったが、ロシアのウクライナ侵攻から1年を過ぎたが終息の方向にはいっていない。ワシル・ロマチェンコは2022年10月にリングに復帰し、2023年5月には4団体統一ライト級王者のテビン・ヘイニーに挑戦予定。ウクライナ人のロマチェンコだが、デビュー戦はアメリカで 『観戦記604』 4戦目にマカオ、15戦目にイギリスはあるもののキャリアのほとんどがアメリカでの闘い。ウクライナの首都であるキーフの市長である元WBA&WBC&WBOヘビー級王者のビタリ・クリチコは、3月10日にもロシアのミサイルによりキーウの40%で暖房が使えなくなった表明を出していた。

ビタリ・クリチコと言えば、キックボクサーと活躍後に25歳でドイツのプロモーションと契約しボクシングに転向。デビューからほとんどをドイツで戦績を重ねた。ポーランド出身の元2階級制覇王者のダリウス・ミハエルゾウスキーも、ドイツを主戦場として活躍した。そして南アフリカのエクアドル出身だが、5歳の時に家族でドイツに移りキャリアのほとんどをドイツで活躍しているのが元WBAスーパーウェルター級王者のジャック・クルカイ!

 

1985年6月にエクアドルのアンバートで生まれた‘ゴールデンジャック‘ジャック・ロベルト・クルカイ・ケスは、5歳の時に政権崩壊による貧困と治安悪化の為に家族でドイツへ移住~仕事が無かった元アマチュアボクサーの父親がボクシングを教え、兄のマイケルとともにマイク・タイソンの試合を観て育つ~兄のマイケル・クルカイとともにアマチュアボクシングで活躍も、兄はアフガニスタン紛争で戦地へ~兄の代わりに国の強化チームに入ったジャック・クルカイは、2007年世界選手権5位、2008年の世界選手権は銀メダルを獲得~北京オリンピックは1回戦負け~2009年の世界選手権はドイツ代表として2人目の優勝

12月にドイツのシュウェリーンでデビューして、ジンドリック・グビンに判定勝ち~さらに10連勝7KOして、2012年8月にフレデリック・セールを3RにTKOで降しWBAインターコンチネンタルスーパーウェルター級王座を獲得~9月に、マーク・トンプソンを5RにTKOで降しWBAインターコンチネンタル王座初防衛に成功~12月にも、ジャン・ミッシェル・ハミルカロを5RにTKOで降し2度目の防衛に成功~しかし、2013年4月にグイド・ニコラス・ピッドに1-2の判定負けし王座陥落。

10月の、グイド・ニコラス・ピッドとのダイレクトリマッチを判定勝ちして王座奪還~12月に、ディドネ・ベリンガを判定で降し初防衛に成功~2014年4月に、サリム・ラルビを判定で降し2度目の防衛に成功~8月にも、アイザック・レアルを判定で降し3度目の防衛とEBU欧州スーパーウェルター級王座を獲得~12月に、カリム・メルージを判定で降しEBU欧州王座の初防衛に成功~2015年5月に、モーリス・ウェーバーを判定で降しWBAスーパーウェルター級暫定王座を獲得。

12月に、デニス・ホーガンに判定勝ちして初防衛に成功~正規王者に昇格し、2016年4月にファン・カルロス・プラダを9Rに棄権に追い込み2度目の防衛に成功~2017年3月に後に2階級制覇するデメトリアス・アンドラーデに1-2の判定負けし王座陥落。

10月の再起戦でも、マチエ・スレツキに判定敗けしてしまう~2018年3月に、クレイグ・カニンガムに判定勝ち~6月にも、アダサッド・ロドリゲスを6RにTKOで降す。

 

そしてミドル級での世界王座返り咲きを目指すのに、IBFインターナショナルミドル級王座決定戦に挑む!対戦するのは、元WBO欧州ミドル級王者のラファエル・ベラハン!

 

1982年2月にドミニカ共和国のエスパランザに生まれたラファエル・ベハランは、ドイツでボクシングライセンスを取得。2008年2月にアメリカのフロリダ州でデビューし、アンソニー・オズボーンに判定勝ち~さらにアメリカで8連勝4KOして、2010年8月には初のドミニカ共和国でアレキサンダー・ヘルナンデスに判定勝ち~11月からはドイツを拠点にし、マイケル・シュボフに判定勝ち~しかし、2011年4月にカグリ・エルミスに判定敗け。

5月に再起し、ミラノ・ルソに1RでKO勝ち~6月には、ギョカルプ・オスクロ―を8RにKOしてWBO欧州ミドル級王座を獲得~2012年1月に、ダニエル・アーバンスキを判定で降し初防衛に成功~しかし、4月にアンテ・ビリッヒに判定敗けして王座陥落~2013年3月に再起して5連勝3KOし、2015年12月にピーター・オルリクとのドイツインターナショナルミドル級を2RにTKOで降し王座栄冠。

2016年3月に、デビッド・マカラゼを判定で降し初防衛に成功~6月には、フランシス・ディショーを判定で降しEPBCユーラシア太平洋ミドル級王座を獲得~9月に、パベル・セムジョノフを判定で降しEPBCユーラシア王座の初防衛に成功~12月に、スフィエーヌ・オーガーとのWBO欧州ミドル級王座決定戦はドローで獲得ならず~2017年4月に、ヌクルレコ・ムロンゴとのWBFスーパーウェルター級王座決定戦を6R負傷判定勝ちで王座獲得~12月に、アッティラ・コロスを1RにKOする。

 

ミドル級での2階級制覇を狙うジャック・クルカイが、まずはミドル級での王座を獲得しランキングを上げるか!?同じくデビューはスーパーウェルター級も、ミドル級での実績では上のラファエル・ベハランが元世界王者を喰うか!?

 

2018年9月22日 IBFインターナショナルミドル級王座決定戦 ジャック・クルカイvsラファエル・ベハラン

 

ジャック・クルカイ 24勝12KO3敗 元WBAスーパーウェルター級王者

 

ラファエル・ベハラン 25勝11KO2敗1分 元WBO欧州ミドル級王者

 

1R、クルカイは、跳ねるようなフットワークから、上下に左を伸ばす

 

ベハランは、下がりながらも豪快な右を振り回す

 

2R、軽快にジャブを連射するクルカイに、ベハランは打ち終わりを狙う!

 

振り回すベハランに、クルカイは柔らかく避けて確実にジャブを当てていく

 

3R、高いガードからプレッシャーをかけるクルカイ~ジャブが正確にベハランを捕らえる

 

ベハランも返してはいるが、的中率が悪い~クルカイがガンガン出ていく!

 

4R、ベハランから打っていくが、クルカイはバックステップでかわしてから飛び込む!

 

クルカイが攻める~ベハランも下がりながら返すも、クルカイのカウンター!しかし、当たりが浅かったか!?

 

5R、細かくジャブを当てるクルカイに、ベハランも必死に返す!

 

クルカイが追い回す~ベハランも返してはいるが、クルカイのカウンターのタイミングが合ってくる

 

6R、劣勢だろうベハランがジャブを多く突きながら出るが、クルカイは打ち終わりをに左フック!

 

ベハランは足を使い大きく廻る~クルカイが攻めるも、ベハラン柔らかくかわす

 

7R、ベハランが細かいジャブでクルカイを入らせないようにするも、クルカイは上手くジャブの打ち終わりを狙う!

 

それでもベハランは手数多く廻る~左フックをダブルで打ち、クルカイのガードを弾く!

 

クルカイが突っ込む~廻るベハランを追いかけ、打ちまくってロープに追い込む!

 

8R、クルカイがガードを固めてベハランを追いかけるも、ベハランは左を突きながら廻る

 

前後左右に動きながら、手数はベジャランが勝る

 

9R、やはり、ベハランが動きながら手数多く打つ!

 

しかし、クルカイがジャブを掻い潜って左フック!

 

しかし、ベハランは手数減らずに前に出てくる!

 

10R、廻るベハランに、クルカイ低く入って伸び上がるように左フック!

 

ベハランも足を止めてボディー~打ち合いならクルカイが押す!右ストレート!

 

一気にクルカイげ極めにいく~ベハランもロープに詰まりながらも返す!

 

しかし、クルカイの連打は止まらない~レフリー止めるか!?

 

ベハランは大きくよろける~セコンドがエプロンに上がりタオルを振る!

 

見事にジャック・クルカイが、10RにTKO勝ちでIBFインターナショナルミドル級王座を獲得!ミドル級では小柄なクルカイだが、高いガードからガンガン攻め込んでいきミドル級での初栄冠となった。そして、この試合はIBFミドル級王座挑戦権も賭けられていたので、クルカイは2階級制覇へのリーチをかける。

データでは身長170cmのクルカイだが、やはりミドル級では小さい・・・元IBFミドル級王者のデビッド・レミューもミドル級では小さいなぁ~と思っていたが、レミューでも公式には177cmある。先日、引退発表をした村田諒太さんがクルカイと闘ったら勝てるだろ!?と思ってしまうぐらい、村田選手が日本人ミドル級の新しい道をつくった時代を共有できた幸せを感じずにはいられない。

そして、IBFミドル級王座挑戦権を掴んだはずだったクルカイだが・・・半年後の2019年4月に、IBFミドル級王座挑戦者決定戦でIBF3位のセルゲイ・デレビヤンチェンコと対戦し判定敗け 『観戦記2458』

 

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