観戦記2481 WBAスーパー&WBCライトフライ級王座統一戦 寺地拳四朗vs京口 | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

久しぶりにノンビリと、1日中辰吉丈一郎さんのDVDを観た。デビュー4戦目の、岡部繁選手を4RにKOして日本王座奪取 『観戦記79』 当時、日本最速の世界王座奪取したグレッグ・リチャードソン戦。あの奇跡の復活劇となったシリモンコン・ナコントンパークビュー戦 『観戦記85』 ウィラポン・ナコンルアンプロモーション1戦目&2戦目。事実上、ラストファイトと言っていい大阪ドームでのウィラポン2戦目のレフリーが割って入った後のスローモーションのように後ろに倒れていくシーンは今でも泣けてきた。意識を失った辰吉さんをレフリーが抱えて頭を打たなくてすんだシーンだが、その時のレフリーは殿堂入りしているリチャード・スティール。後にリチャード・スティールは 『オスカー・デラ・ホーヤが何人の女性を惹きつけるかはわからない。しかしこれだけ多くの青少年を熱狂させたのは世界中で彼だけだ!』 と、言った話は有名。

海外でも素晴らしいレフリーストップだったと絶賛されたのは、2020年大晦日のWBOスーパーフライ級王座戦 井岡一翔vs田中恒成 『観戦記2079』 の倒れる寸前の田中選手に井岡選手が追い打ちをする寸前に田中選手を抱えてストップした染谷レフリーは絶賛された。早くもない遅くもない止めた瞬間が名場面になるストップになるシーンが、2020年11月に再び日本人同士!WBCライトフライ級王者寺地拳四朗選手と、WBAスーパーライトフライ級王者京口紘人選手の素晴らしい世界王座統一戦で観れた!

 

1992年1月に京都府城陽市に生まれた寺地拳四朗選手は、元日本ミドル級王者(3度防衛)で元東洋太平洋ライトヘビー級王者でもある(4度防衛)寺地永さんの長男。名前は、なんと漫画‘北斗の拳‘から本当にとったらしいから驚き!父は189cmの大きな体を誇るが、拳四朗選手は164.5cmと小柄。

 

ボクシングも父いわく 『無理やりやらせた面もある』 らしいが、奈良朱雀高校時にはインターハイや国体に出場するなど才能を開花。高校3年時の2009年のインターハイでは、現WBOスーパーフライ級王者の井上尚哉選手に3Rにレフリーストップ負けをしている。

関西大学に進学し、大学4年時には国体で成年男子ライトフライ級優勝~やりたかったのは、競艇だったらしいが、2度受験に失敗。2014年8月に、父が経営するB.M.Bボクシングクラブから井岡一翔選手とも対戦経験がある 『観戦記205』 東洋太平洋ミニマム級11位のヘリ・アモルを相手にデビューし判定勝ち~10月にファウワナイ・ウォースラポーを2RにTKO、2015年3月に長嶺克則選手を7RにTKO、8月に大前貴史選手に4RにTKO、3連続KO勝利して10月にロリー・スマルポンとWBCライトフライ級ユース王座決定戦で争い判定勝利で栄冠~12月には、日本ライトフライ級王者の堀川謙一選手に挑戦し判定勝利し栄冠~2016年4月には初防衛戦で角谷淳志選手を迎えるが1RにTKO勝ち~8月の2度目の防衛戦は大内淳雅選手と東洋太平洋ライトフライ級決定戦の2本のベルトが賭けられるも、大差判定勝ちで日本王座防衛と東洋太平洋王座も獲得!親子2代での日本&東洋太平洋王座の栄冠は日本初の偉業達成 ~12月には、東洋太平洋王座の初防衛戦でレスター・アブタンを3RにTKO勝利。2017年4月に日本王座3度目の防衛戦が予定されるが、5月にガニガン・ロペスへの世界王座挑戦が決まり王座返上。

そして、村田選手とアッサン・エンダムのWBAミドル級王座決定戦があった 『観戦記1314』 5月20日のアンダーカードでガニガン・ロペスのWBCライトフライ級王座に挑戦し2-0の判定勝ちし世界初挑戦で見事に栄冠 『観戦記1329』

 

2017年10月には、元王者でWBC1位のペドロ・ゲバラに判定勝ち 『観戦記1399』 そしてわずか2ヶ月後の12月に2度目の防衛戦で、WBC11位のヒルベルト・ペドロサを4RにTKO勝ち 『観戦記1412』 2018年5月の3度目の防衛戦で雪辱に燃える前王者のガニガン・ロペスをわずか2RにボディーでKO 『観戦記1468』 4度目の防衛戦は、10月に元IBFライトフライ級王者のミラン・メリンドを7RにTKOで降す 『観戦記1590』 2018年12月には、WBC7位のサウル・フアレスを大差判定で降し5度目の防衛に成功 『観戦記1651』

4年4ヶ月で15試合してきた拳四朗選手には最長の6ヶ月半空いて2019年7月に6度目の防衛戦でWBC1位、フィリピンのジョナサン・タコニンを地元に近い大阪で4RにTKOで降す 『観戦記1769』 12月には、WBC14位のランディ・ペタルコリンを4RにTKOに降して7度目の防衛に成功 『観戦記1875』

 

泥酔騒ぎなども起こし3ヶ月間ライセンス停止などもあったが、拳四朗選手が日本王者時代にはすれ違った久田選手と2021年4月に8度目の防衛戦で対戦し判定勝ちで8度目の防衛に成功 『観戦記2164』

 

そして、9月にWBC1位の矢吹正道選手の挑戦を地元の京都で受けるも10RにTKO負けし王座陥落 『観戦記2238』

 

引退も考えた拳四朗選手だったが、矢吹選手のバッティングが問題となりWBCから再戦指令が出る!2022年3月に、ダイレクトリマッチで矢吹正道選手のWBCライトフライ級王座に挑戦し3RにTKO勝ちし王座奪還 『観戦記2343』

 

そして待ちに待った統一戦となり、対戦するのはWBAライトフライ級スーパー王者の京口絋人選手

 

1993年11月に大阪府和泉市生まれの京口紘人選手は、父親の京口寛さんと叔父が空手道場「聖心會」を運営しているらしく3歳から空手を習っていたらしい。聖心會はグローブ空手も教えているらしく、空手にプロは無いがボクシングにはプロがあると12歳の時に先に転向していた兄の竜人さんを(色々と残念でした・・・・)追って大阪・帝拳ジムへ入る。そこで憧れの「辰吉丈一郎さん」に出会い、直接ボディー打ちなどの指導を受け練習帰りにはマクドナルドなどにも連れていってもらったらしい。

大阪商業大学に推薦で入学し国体で優勝~大学4年時には、台北市カップ国際ボクシングトーナメンに日本代表選手として出場しライトフライ級で準優勝。アマ戦績は66戦して52勝で、2016年に大学を卒業し「精神的にも自立したい」と、東京に出てワタナベジムへ入会~4月にナーヨレック・シットサイトーンと6回戦でデビューし2RでKO勝ち~5月にファンタ・ルークジャオメーサイトーンを1RにTKO勝利~8月には、宮崎拳一選手に3RにTKO勝ち~11月にはマイケル・カメリオンに1RでKO勝ちし日本ミニマム級6位にランクイン。大晦日には、大田区体育館でジェヌエル・ラカルを3RにKOし5戦5勝5KO。2017年2月に 、東洋太 平洋ミ ニマム級 王座決定戦でアルマンド・デラクルスを3RにKOで栄冠。WBCミニマム級8位、IBFミニマム級10位にランクイン~2017年4月に、東洋太平洋ミニマム級2位のジョナサン・レフジョに判定勝ちし初防衛に成功。

7月に、IBFミニマム級王者のホセ・アルグメドに挑戦し辰吉さんと同じくプロ8戦目で世界王座を奪取 『観戦記1344』 デビューから1年3ヶ月の日本最速期間での世界王座獲得。

 

大晦日にはIBF3位のカルロス・ブイトラゴを8RにTKO勝ちで初防衛に成功 『観戦記1427』 5月にはIBFライトフライ級15位のビンス・パラスに判定勝ちして初防衛に成功 『観戦記1465』そして減量苦もありWBAミニマム級王座を返上して、9月にライトフライ級へテストマッチでWBAライトフライ級6位チボ・モナベザを4RでTKO勝ち 『観戦記1649』そして2018年12月にWBAライトフライ級スーパー王者のヘッキー・ブドラーに挑戦して10R終了時にTKO勝ち『観戦記1653』 2019年6月には、WBAライトフライ級10位のタナワット・ナコーン(サタンムアンレック・CPフレッシュマート)を大差判定で降し初防衛に成功 『観戦記1751』

 

10月にも、WBA1位の久田哲也選手を判定で降し2度目の防衛に成功~しかし・・・5月の3度目の防衛戦で、WBA2位のアンディカ・ゴールデンボーイとの対戦はコロナ禍で中止~11月にWBA10位のタノンサック・シムスーの挑戦を受ける予定も、まさかの京口選手がコロナウィルス陽性・・・・試合は延期かと思いきや、日本でのコロナウィルス増加もあり完全に無くなる~京口選手は、イギリスの大手マッチルーム社と契約を結び。

そして2021年3月に、ローマン・ゴンサレスvsファン・フランシスコ・エストラーダの8年振りの再戦のセミファイナルでWBA10位のアクセル・ブランドン・ベラを5RにTKOで降し3度目の防衛に成功 『観戦記2157』

 

2022年6月にメキシコで、WBAライトフライ級レギュラー王者のエステバン・ベルムデスとの統一戦を8RにTKO勝ち 『観戦記2396』

 

アマチュア時代は4度対戦し、初戦は京口選手が勝利するもその後は拳四朗選手が3連勝し拳四朗選手は絶対的な自信を持っている。減量が厳しくなってきた拳四朗選手に下の階級から上げてきた京口選手がどう闘うか!?英国の大手ブックメイカーは京口選手が有利となっているが、10年振りの日本人同士の王座統一戦の結末は!?

 

2022年11月1日 WBC&WBAライトフライ級スーパー王座統一戦 寺地拳四朗vs京口絋人

 

寺地拳四朗 19勝11KO1敗 初防衛戦

 

京口絋人 16勝11KO無敗 5度目の防衛戦

 

1R、拳四朗選手が、自信満々に出ていき左を伸ばす!

 

京口選手も高いガードでから、よく見ながら左を返す~お互いに左を差しながら、カウンターで右を狙う!

 

京口選手が出ていく~廻りながら左を出す拳四朗選手に右クロス!

 

2R、京口選手から出ていき左を伸ばすが、拳四朗選手は廻りながら打ち終わりに左を当てる!

 

さらに拳四朗選手が右!それでも京口選手は潜りこんで左ボディー!

 

しかし、拳四朗選手が前後にステップしながらガンガン攻める~パンチ力は拳四朗選手が上か!?

 

3R、京口選手が様々なフェイントを入れながら打つが、拳四朗選手は正面からガードを吹き飛ばす右!

 

京口選手も前に出ながら左アッパーを打つが、拳四朗選手はステップでかわしボディー!左フック!

 

低く入ってくる京口選手を、拳四朗選手がジャブで起こして右!

 

4R、さらに強く出てくる京口選手に、拳四朗選手は廻りながらアッパー~左を突き刺し京口選手を入れさせない!

 

拳四朗選手のジャブで入れない京口選手に、拳四朗選手は左フックを廻す~テンポが速い拳四朗選手の連打に、京口選手は着いていけない!

 

凄まじい打ち合いになってくるが、回転&パンチ力ともに拳四朗選手が勝る

 

5R、京口選手がジャブを当てていくものの、拳四朗選手はリズムよく左でフェイントを入れながら右!京口選手は吹っ飛びダウン!

 

立ち上がった京口選手に、拳四朗選手が詰める!

 

京口選手も必死に打ち返しながらクリンチ~しかし、拳四朗選手止まらない!凄まじい連打!

 

レフリー止めるか!?しかし、京口選手は連打で押しかえす~アッパー!左フック!

 

6R、拳四朗選手は、再び大きく廻りながらジャブを入れていく

 

京口選手が前に来れば拳四朗選手はスッと引き、止まれば踏み込んで左を突き刺す!

 

拳四朗選手が跳ねるように入り、左を槍のように突き出す!

 

7R、京口選手のダメージはどうか!?拳四朗選手が左で起こして右!

 

フラついた京口選手も必死に返すが、拳四朗選手の右!

 

拳四朗選手が極めにいっている~京口選手も返してはいるが、徐々にロープに追い込まれる!しかし、京口選手も返す~右ストレート!

 

拳四朗選手は、足は止めずに動き鋭くワン・ツー!京口選手効いた!

 

フラフラっと後方によろける京口選手に、拳四朗選手が踏み込んで右ストレート!

 

吹っ飛んだ京口選手!糸が切れた人形のごとく倒れる前に染谷レフリーが走って抱える!

 

壮絶な7RTKO勝ちで、寺地拳四朗選手がWBCライトフライ級初防衛とともにWBAライトフライ級スーパー王座を獲得!いやぁ~強い!素晴らしい勝利の拳四朗選手は 『いやあ、ちょっと焦ったっすね。これもいい勉強になりました。よかったです。やっぱりプレッシャーは強かった。でも距離はしっかり取れたかなと思う。足を使って速いワン・ツーを出そう』と言われていた。それで倒せたかというのはあります』 と5年半前から指導を受けている三迫ジムの加藤トレーナーのお陰で勝てたと、2本のベルトと共に一緒に記念撮影。加藤トレーナーは試合後に 『ムキになってラッシュをかけた以外は練習通りでした。あそこまでムキになったのは初めて。こちらの声が届かない。あれが日本人同士の統一戦の怖さですね。ただ、ゲームプランは100%よかった。 メンタルもそうだし、人間的にも成長した。矢吹選手に負ける前だったら、あの5Rの反撃の場面でやられていたかもしれない。今日は反撃された時、あの場面が被って見えた。ああいう場面も乗り越えて、打ち勝って、自信を取り戻したと思います』 と話す。

素晴らしいメインイベントの前の試合で、同じくライトフライ級王座を防衛したWBO王者のジョナサン・ゴンサレスとの3団体統一戦を口にした拳四朗選手だが11月9日のWBCはランキング1位のヘッキー・ブドラーとの指名戦を通達。なんとか井上尚弥選手に続く3団体統一王者が見てみたいが・・・・

 

★IBFライトフライ級王者は11戦11勝9KO無敗のシベナティ・ノンティンガ 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村