《本日のDVD鑑賞》
元WBOスーパーフェザー級王者の伊藤雅雪選手が、4年前に世界王者になった「人生が代わった日」という7月28日に現役引退を発表した。2022年4月の村田諒太vsゲンナディ・ゴロフキン 『観戦記2355』 のアンダーカードで吉野修一郎選手のWBOアジアパシフィックライト級王座に挑戦したのがラストファイトとなったが、勝利した吉野選手がWBOランキングで8位に付けていよいよ初の世界挑戦が見えてきたが・・・・ライト級の世界王者はテヴィン・ヘイニーが4団体統一王者で、WBAレギュラー王者にジャーボンテイ・デービスなので挑戦するのは困難な道だし日本での開催は無理だろう。
伊藤雅雪さんがWBOスーパーフェザー級王座を奪取したのも、アメリカのフロリダ州でワシル・ロマチェンコが返上した王座の決定戦。元世界王者を無敗の新鋭が倒して世界戦へ行くという世代交代は、観ているほうとしては切ないが勝った選手にも敗けた選手にも気持ちがのる正にネバーエンディングストーリー。
名前のある相手を引退に追い込んで自分が世界への扉をコジ開けるのがボクシングだが、元4団体統一ミドル級王者&元WBA&WBC&IBFライトヘビー級王者のバーナード・ホプキンスの引退試合で 『観戦記1496』 場外にホプキンスを吹っ飛ばしてTKO勝ちしてしまったのがThe Irish Bomberジョー・スミス・Jr!
1989年9月にアメリカのニューヨーク州ロングアイランドで生まれだが、The Irish Bombe(アイルランドの爆撃機)やBeast from The Eastなどの異名もあるので両親が移民なのかな!?アマチュアでは2004年~2006年に3度ジュニア王者になり、2006年~2008年にはニューヨーク州王者~2008年度のニューヨーク州ゴールデングローブ優勝。
2009年10月にニューヨーク州でデビューして、デイビット・ブラウンに1RでKO~その後も5連勝5KOも、2010年8月にエディ・カミネロにTKO負けで初黒星~16連勝11KOで、2016年6月にWBC2位でWBCインターナショナル・ライトヘビー級王者のアンドルー・フォンファラをまさかの1RでKOして王座獲得。
そして、12月に元4団体統一ミドル級&元3団体統一ライトヘビー級王者のバーナード・ホプキンスの引退試合で8RにKO勝ちして初防衛に成功 『観戦記1496』
しかし、2017年7月にサリバン・バレラに判定負けして王座陥落
そして、ついに初の世界王座挑戦のチャンスを得て挑む王者は無敗のドミトリー・ビボル!
1990年12月に旧ソビエト連邦の中央アジアにあるキルギスで生まれたモルドバ人の父親と朝鮮系移民の母親を持つドミトリー‘ユルイェビッチ‘ビボル(ディミトリー・ビボル)6歳からボクシングを始め、最初に通ったジムでは空手も教えていてジャッキー・チェンの大ファンだったビボルは両方を習い映画のマネばかりしていたらしい。
11歳の時に家族でロシアに移住し 「ボクシングは五輪の正式競技で、大きな国際規模のマーケットがある。その分競争も激しく厳しいけれど、続けるならボクシングだと思った」 と、ボクシングに専念して2008年のユース世界戦建では銅メダルを獲得~2012年のロンドン五輪を目指したが、ロンドン五輪でライトヘビー級金メダルを獲得したイゴール・メコンチェフに立ち塞がれ五輪には出場できず。
AIBAとプロ契約してWSBに出場するも、アマでは300戦をして24歳になっていたビボルは 「プロで大きな成功を手にする為には、リオ五輪の後では遅過ぎると」 2014年11月にデビューして、ホルヘ・ロドリゲス・オリベラを6RにTKOで降す~さらに2連勝2KO後にアメリカに渡り、2015年8月にフェリペ・ロメロを8RにKOしてUSNBC全米ライトヘビー級シルバー王座を獲得~11月にはジャクソン・ジュニアを4RにTKOで降し、WBAインターコンチネンタルライトヘビー級王座を獲得~2016年2月にもクレイトン・コンセイソンを4RにKOする。
そして、わずかプロデビュー7戦目でWBAライトヘビー級暫定王者のフェリックス・バレラに挑戦し大差判定勝ちで王座獲得 『観戦記2418』
10月にも、ノンタイトル戦でエブゲーニイ・マクティエンコにフルマークの判定勝ち~2017年2月には、WBA13位のロバート・ベリッジを4RにKOして初防衛に成功~4月にも、WBA13位のサミュエル・クラークソンを4RにTKOで降し2度目の防衛に成功。
ここでWBAの困った問題で、この時期には正規王者にユルゲン・ブリーマー、スーパー王者にセルゲイ・コバレフがいる3人世界王者問題・・・・ユルゲン・ブリーマーは、2016年10月にネイサン・クレバリーに7R終了時TKO負けで王座移動~さらに、2016年11月にスーパー王者のセルゲイ・コバレフはアンドレ・ウォードに王座を奪われ 『観戦記1464』 2017年6月のリマッチでも、ウォードが完勝するが王座返上 『観戦記1714』 正規王者のクレバリーは、フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーの世紀の一戦のアンダーカードでバドゥ・ジャックに5RでTKO負けして王者は移動し 『観戦記1921』 その前の5月に、しょうがなくビボルはノンタイトル戦でセドリック・アグニューを4RにTKOで降す 『観戦記1713』
そして9月に暫定王者のドミトリー・ビボルと、WBAライトヘビー級10位のトレント・ブロード・ハーストで正規王座決定戦をしてビボルが1RにKO勝ちして正規王者に格上げとともに3度目の防衛に成功 『観戦記1923』
2018年3月にニューヨークM・S・Gシアターで、WBA1位のサリバン・バレラを12RにTKOで降す 『観戦記2019』5度目の防衛戦は、WBA12位のアイザック・チレンバを大差判定で降す 『観戦記2163』 11月にも、元WBCライトヘビー級王者のジャン・パスカルを大差判定で降し6度目の防衛に成功 『観戦記2266』
世界王者になるよりも世間にインパクトを与えた、バーナード・ホプキンスに引導を渡したジョー・スミスJrが念願の世界初挑戦!4戦連続でアメリカでの防衛戦となったドミトリー・ビボルは、知名度と実力の差を魅せつけ久しぶりのKO防衛なるか!?
2019年3月9日 WBAライトヘビー級王座戦 ドミトリー・ビボルvsジョー・スミスJr
ドミトリー・ビボル 15勝11KO無敗 7度目の防衛戦
ジョー・スミスJr 24勝20KO2敗 WBA8位
1R、いきなりスミスJrが仕掛けていき、左でビボルを下げさせ振っていく!
スミスJrの手数が多い~しかし、ビボルも良く見ながら返しコンビネーションから右!
2R、中間距離の打ち合いも、突き出す左でスミスJrを寄せ付けずビボルのペースになってくる
前後に素早く動くビボルが、スミスJrのジャブに右を被せる!
3R、スミスJrは入れない~ビボルが低い構えから、左フックで飛び込んでくる!
前には出てくるスミスJrも、ビボルが素早い動きて廻り連打!
4R、ビボルがテンポよく手数を出す~ステップでスミスJrの左をかわしコンビネーション!
しかし、スミスJrは出続ける~低い体勢から右オーバー!ビボルは堪らずクリンチ
5R、スミスJrが、ガードを固めながら突っ込んでくる~下がったビボルだが、細かくガードの隙間にパンチを入れる!
スミスJr振り回すが、ビボルは足を使う~スミスJrが手数増しながら追うが、ビボルは廻りながら左フックを合わす!
6R、スミスJrは攻めかたに迷っているか~左は伸ばすが、ビボルは打ち終わりに左フックで踏み込む!
スミスJrが出られなくなる~ビボルがプレスをかけ、スミスJrが左を伸ばしたところに右で撃ち落とす!
7R、ビボルが左を突き出して、スミスJrは真っ直ぐ下がる~ビボル追いかけ肩越しのワン・ツー!
スミスJrは廻りながら中途半端な左を出すと、ビボルは打ち終わりに左フックで飛び込んでいく!
8R、ジャブを突きながら廻るばかりのスミスJrに、ビボルは完全に右のタイミングが合い撃ち落とす!
スミスJrが突っ込んで打ってくるが、ビボルは廻りパンチは当たらない
ビボルが、いよいよ強めに打ち込む~スミスJrのガードを壊す右!右!
9R、ペースを変えたいスミスJrが左手をグルグル回しながら打つが、ビボルはジックリ見て右のリターン!
スミスJrはパンチが当たらず苛立ち、ビボルを抱えて投げてしまう
ビボルは完全にタイミングを掴んだ、ジャブを外して左フックで飛び込む!
10R、スピードも落ちたスミスJrの左に、ビボルは再三右を狙うが当たりは浅い
ビボルは肩越しの右と、沈み込んでからの左フックでスミスJrを追い回す
さらにビボルが、スミスJrの左を掻い潜ってアッパー!
11R、ポイントでは厳しいだろうスミスJrが振り回すが、ビボルは廻ってかわす
それでもスミスJrは、身体をぶつけながら振り回し続ける!
12R、ビボルは、もう無理には攻めない~スミスが打ってきても、廻りながらかわす
ビボルは廻りながら流すも、沈み込んでからの左フックでスミスJrを効かせる!
試合終了際にはビボルはラッシュで、スミスJrをKO寸前まで追い込む!
判定は、119-109 119-109 118-110 大差3-0でドミトリー・ビボルが7度目の防衛に成功!
ビボルの槍のようなジャブでスミスJrは入れずに棒立ちになり、さらに止まった後半は沈み込むような体勢からの左フックをガードの外から打たれて完敗となった。スコアカードを見ると119のジャッジ1者は4RのみスミスJrに付け、もう1人の119のジャッジは11RのみスミスJrに付ける。118をジャッジは、10Rと11RをスミスJrに付けた。
そしてドミトリー・ビボルには、この時点でWBOライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフから統一戦のオファーや、スーパーミドル級に落としてビックマッチの構想もあったらしいが・・・7ヶ月後の2019年10月に、アメリカのシカゴでWBAライトヘビー級15位のレニン・カスティージョ(ヒルベル・カスティージョ)と8度目の防衛戦。
初の世界王座挑戦に失敗したジョー・スミスJrは、8ヶ月置いて2020年1月にヒルベルト・ラミレスのWBOスーパーミドル級王座に挑戦経験のある 『観戦記2304』 ジェシー・ハートとNABOライトヘビー級王座決定戦で対戦!
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