観戦記2079 WBOスーパーフライ級王座戦 井岡一翔vs田中恒成 | 人生マイペンライ

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日本のジム所属で1番新しい世界王者は、2020年11月にWBOフライ級王座決定戦で新王者になった中谷潤人選手 『観戦記2056』 92人目の日本のジム所属の世界王者だが、これでフライ級は、初の日本人世界王者の白井義男さんから数えて20人目となり階級別では獲得最多人数。2番目に多いのがライトフライ級の16人、次がスーパーフライ級の15人とこの3階級48.988kg~52.163kgの3.175kgの間に日本人世界王者の半分以上の51人の世界王者が生まれている。しかも、この3階級の中で井岡一翔選手、八重樫東さん、亀田興毅さん、井上尚弥選手、田中恒成選手はこの3階級制覇内で複数階級制覇している。

さらに、1987年10月にできたミニマム級(47.627kg)では13人出ている。日本のジムからはほぼこの4階級を中心に世界王者が出ている中で、その4階級を制覇した井岡一翔選手に3階級を制して4階級目を狙う田中恒成選手が挑戦するというのだからコロナウィルスも吹っ飛ぶビックマッチが実現!

 

王者は、日本人初となる4階級制覇王者で9度目の大晦日出場となる井岡一翔選手!

 

井岡一翔選手は実父の一法さんも2戦2勝のボクサーで、叔父に2階級制覇した井岡弘樹さんを持つ~中学1年生の時から、井岡弘樹さんが所属したグリーンツダジムで練習をする。中学3年生の時に、井岡弘樹さんが設立した井岡ジムに移籍~興國高等学校に入学し高校6冠を達成~オリンピックを目指し東京農業大学に進学。2008年のキングスカップでは、後のIBFフライ級王者のアムナット・ルエンロンに敗北~大学2年生の全日本選手権の決勝で林田太郎選手に1ポイントの差で敗退~2年連続の準優勝となり、北京オリンピックの道が厳しくなりプロ転向。 2009年4月に、タイ国のフライ級王者のトンタイレック・ポーウォラシンを3RにTKOでデビュー。2戦目に世界挑戦経験もあり、日本ランカーの松本博志選手に2RにTKO勝ちで日本ランキング入り。3戦目は、世界ランカーの國重隆選手に判定勝ちしWBA&WBCとも14位にランク入り。4戦目は、インドネシア国内王者のヘリ・アモルにプロ初ダウンを 奪われるも判定勝ち『観戦記205』 6戦目には、同ジムの宮崎選手が返上した日本ライトフライ級王座を1位瀬川正義選手と争い10RにTKOで栄冠。そして、2011年2月にオーレイドン・シスサマーチャイを5RにTKOで降し、当時の最速タイの7戦目でWBAミニマム級世界王者になる。8月の初防衛戦は、1位のファン・エルナンデに判定勝ち。大晦日に初登場となった2度目の防衛戦は、ヨードグン・トーチャルンチャイをわずか98秒で担架送り 『観戦記69』 そして、2012年6月に日本人同士による統一戦となったWBC王者八重樫選手との戦いを 『観戦記210』 判定で完勝しWBA&WBCミニマム級統一王者。 

王座を返上してライトフライ級に上げると、いきなり2012年の大晦日にホセ・ロドリゲスとWBAライトフライ級王座決定戦を6RにTKOで2階級制覇『観戦記361』  しかし・・・正規王者のローマン・ゴンサレスをスーパー王者に追いやって、5位のホセ・ロドリゲスとの決定戦はいかなるものなのか! WBAは90日以内にローマン・ゴンサレスとの統一戦を行うように指令を出し、入札が行われるハズだが・・・噂では井岡陣営が12万5千ドル払って回避したと・・・ 2013年5月の初防衛戦ではWBA3位のヴィサヌ・ゴーキャットジムを悶絶ボディーで9RにKO 『観戦記472』 2度目の防衛戦は、2013年9月にWBA5位のクワンタイ・シスモーゼンも7RにKOし 『観戦記575』 王座奪取から3連続KO!3年連続の大晦日出場となった、フェリックス・アルバラードとの3度目の防衛戦は、タフなアルバラードに判定までいくも完勝 『観戦記671』

 

そして、2014年5月に井岡家悲願の3階級制覇を目指し、IBFフライ級王者でアマ時代に苦杯を飲まされたアムナット・ルエンロンに挑戦するも・・・天才的なダーティーテクニックに翻弄され判定負け 『観戦記778』 ノン・タイトル戦を挟んで、WBAフライ級王座を日本で黒田雅之選手を含む 『観戦記412』 8度防衛中の2階級制覇王者のファン・カルロス・レベコに挑戦し、2-0の判定勝ちで3階級制覇 『観戦記861』

9月の初防衛戦は、WBA10位のロベルト・ドミンゴ・ソーサを大差判定で降す 『観戦記971』 5年連続の大晦日での闘いは4月に王座を奪った前王者でWBAフライ級2位のフアン・カルロス・レベコとの再戦を 『観戦記1055』 レベコにキャリア初のKO負けを味あわせて2度目の王座防衛成功。7月には3度目の防衛戦では、WBAフライ級6位でWBCラテンアメリカ・フライ級王者のキービン・ララを11RにKO 『観戦記1164』 4度目の防衛戦は、6年連続の大晦日に18才のWBAフライ級暫定王者スタンプ・キャットニワットを迎え7RにTKO勝ち 『観戦記1256』 2017年4月の5度目の防衛戦で、WBA2位のノクノイ・シッチパラサートを判定で降す 『観戦記1298』 そして1ヶ月後の5月20日には、比嘉大吾選手がWBCフライ級王座を獲得し 『観戦記1319』 井岡選手との統一戦をアピールなどがあったが・・・・父である一法会長が、WBAが指名する1位のアルテム・ダラキアンとの対戦準備不足と、結婚を機に東京に拠点を移した事などを理由に井岡選手が不在の中で王座返上を発表。そして大晦日には井岡選手自身が引退を発表して、新しい夢の為に進むと・・・・

そして、様々な噂が流れるなかで2018年7月に井岡選手の電撃的な復帰と大手K2プロモーションと契約し、7年振りにイスマエル・サラスと組みアメリカで 「SUPER FLY.3」 への参戦が発表される!2018年9月にWBCスーパーフライ級シルバー王座戦として、WBC&WBOスーパーフライ級3位のマックウィリアムズ・アローヨと対戦。実に攻撃的なスタイルで、3Rにダウンを奪い判定勝ち 『観戦記1533』

 

そして4階級制覇を目指して、マカオでWBO1位同じく3階級制覇王者のドニー・ニエテスとWBOスーパーフライ級王座決定戦で対戦するも判定負け 『観戦記1646』 しかし王者のドニー・ニエテスが、井岡選手との決定戦前の王座決定戦で引き分けたアストン・パリクテとの再戦での初防衛戦をWBOに指示されるとビックマッチを求めて拒否・・・・ファン・カルロス・エストラーダや、シーサケット・ソー・ルビンサイとの対戦を求めて王座を返上。

そして2018年末に本来はドニー・ニエテスと再戦予定も、ダイレクトリマッチが嫌われたか!?井岡選手に王座決定戦を奪われたWBO1位のアストン・パクリテと、WBO2位の井岡選手がWBOスーパーフライ級王座決定戦を行い10RにTKO勝ちして日本人初の4階級制覇達成 『観戦記1749』 大晦日には、WBO1位のジェイピエール・シントロンを判定で降し初防衛に成功 『観戦記1872』

 

2020年は世界へ出ていく事も期待されたが、コロナウィルスで大晦日に1年振りの試合となる!挑戦者は3階級制覇王者で、WBO1位の指名挑戦者となる田中恒成選手!

 

田中恒成選手は幼少から空手を習い、打撃強化の為に小学校5年生からボクシングを始める~中京高校に進学し、セレス小林さんとプロ3戦目でセレス小林さんの日本王座に挑んだ 『観戦記281』 石原英康さんにボクシングを教わり高校4冠を達成。井上尚弥選手の弟の拓真選手が高校2冠なのは、高校総合大会決勝などで、田中恒成選手に負けなど同世代だった為。 そして、高校在学中に元WBCスーパーバンタム級王者の畑中清詞さんのSOUL BOX畑中ジムから18歳でデビュー~11月のデビュー戦で、WBOミニマム級6位のオスカー・レクナファに判定勝ちし日本ランキング10位にランクイン~2014年3月の2戦目で、WBAミニマム級12位のロネル・フェレーラスに判定勝ちしWBA14位にランクイン~3戦目に井上尚弥選手のデビュー戦の相手の『観戦記289』クリソン・オヤマオを1RでKOし東洋太平洋ランキング1位~4戦目で原隆二選手を破り、最速記録となる東洋太平洋ミニマム級王者に輝く~そして5戦目でフリアン・イエドラスとのWBOミニマム級王座決定戦を制し 『観戦記888』 日本最速記録で世界王座栄冠。

師匠の畑中会長が果たせなかった世界王座初防衛戦には、WBO5位のビック・サルダールを迎へ5Rに初ダウンを喫するも6RにボディーでKOして王座防衛に成功 『観戦記1040』かなりの減量苦もあり王座を返上し、2016年5月にIBFライトフライ級9位のレネ・パティラノと対戦し6RにボディーでKO!試合後には、WBAライトフライ級王者の田口良一選手に対戦のラブコールを送る⇒WBAは田口選手とWBA1位の宮崎選手の対戦を指令 『観戦記1189』 そしてWBOライトフライ級を9度防衛していたドニー・ニエテスが 『観戦記696』 『観戦記843』 『観戦記908』 ビックマッチを求めてベルトを返上しフライ級に上げアメリカに進出⇒ミニマム級に続きまたも王座決定戦なのが残念だが、大晦日にWBO1位のモイテス・フエンテスとWBO2位の田中選手と王座を争い『観戦記1271』 5RにTKO勝ちし、わずか8戦目での2階級制覇達成!

2017年5月の初防衛戦の挑戦者は、2017年2月にWBO1位のジェフェ・ウトニとの挑戦者決定戦を10RにTKO勝ちし指名挑戦権を獲得したアンヘル・ティト・アコスタ。3-0で見事に田中選手の判定勝ち 『観戦記1325』

9月の2度目の防衛戦には、WBO13位、WBA3位のパランポン・CPフレッシュマートと、統一戦が噂されていた当時WBAライト級王者の田口良一選手が解説している前で9RにTKO勝ちしたが目を負傷して統一戦は流れる・・・・田中選手は療養後にはフライ級へ、田口選手もヘッキー・ブドラーに判定負けしライトフライ級王座を失う 『観戦記1467』 

そして怪我が癒えた田中選手が、ターゲットであるWBOフライ級王者の木村翔選手をTV解説に迎えて、2018年3月にWBOフライ級13位のロニー・バルドナドを9RにTKOで降す 『観戦記1663』 そして、当時の最速3階級制覇を賭けて9月に木村選手のWBOフライ級王座に挑戦し大激闘の2-0の判定勝ちで3階級制覇を達成 『観戦記1585』

 

そして、運命の対決となったWBO4位の田口良一選手との防衛戦を大激闘の判定勝ちで初防衛に成功 『観戦記1687』 2019年8月には、WBOフライ級1位のジョナサン・ゴンザレスを7RにTKOで降す 『観戦記1787』 大晦日にも、WBO1位のウラン・トロハツを3RにKOして3度目の防衛に成功 『観戦記1866』

 

ファイティング原田さんの幻の3階級制(8階級しかない時代)以来、日本人では40年3階級制覇王者が誕生しなかった・・・・悪夢のような2020年最後に、なんと!日本人同士の4階級制覇王者vs3階級制覇王者対決が実現!

 

2020年12月31日 WBOスーパーフライ級王座戦 井岡一翔vs田中恒成

 

井岡一翔 25勝14KO2敗 2度目の防衛戦

 

田中恒成 15勝9KO無敗 WBO1位

 

1R、田中選手が、ジリジリ前に出ながら左を廻して右!井岡選手も左フックを合わせようとしていたが、田中選手のハンドスピードが速い!

 

井岡選手はガードを固めながら廻り、距離をキープしながら左を当てていく

 

逸る田中選手に、井岡選手は冷静に見て左ボディー~左フック!

 

2R、カウンターを狙う井岡選手に、田中選手は素晴らしいスピードで踏み込み当てていく!

 

井岡選手は下がりながらも、打ち終わりに当て返す~しかし、田中選手は止まらずワン・ツーを振り落とす!

 

しかし、井岡選手も廻りながら細かく左を当てながら右!

 

3R、井岡選手が自分の距離を保ち、田中選手のパンチをかわしていく~井岡選手が左ボディー~左フック!

 

しかし、手数多い田中選手が出入り速く上下に打っていく!

 

4R、ついに、井岡選手が出てくる~田中選手も出入り速く、お互いのパンチが交差する!

 

田中選手のハンドスピードが、さらに上がっていき連打~井岡選手も前に出る!田中選手はワン・ツー!

 

田中選手は鼻血が噴き出している~井岡選手が強く振る!右フック2発!

 

5R、井岡選手は、冷静に距離を取りながらも右で入っていく~かわした田中選手がショートの連打!

 

田中選手がジャブを連射する~井岡選手は左ボディー!左フック!しかし、田中選手が井岡選手をロープに追い込む~井岡選手は右から左フック!

 

ついに、井岡選手がダウンを奪う!これはダメージある!

 

立ち上がった田中選手に、井岡選手が詰めるもラウンド終了

 

6R、田中選手のダメージはどうか!?井岡選手が、上下に多彩なパンチで追い込んでいく!

 

しかし、田中選手も再び手数多く前に出る~井岡選手はガードをしながら狙う!左フック!田中選手ふっ飛んだダウン!

 

立ち上がった田中選手に、井岡選手が冷静に狙い打つ~田中選手も血が吹き出しているが返す!

 

7R、田中選手はダメージを感じさせずに、倒すしかない!と前に出て打つ~井岡選手は焦らずガードしながらリターン

 

田中選手のハンドスピードは落ちずに打ちまくるが、井岡選手はインサイドから打ち返す~距離が空けば右ストレート!

 

8R、田中選手が荒々しく打ってきても、井岡選手は冷静にガードしてからボディー~アッパー連打!

 

田中選手も押し返して、井岡選手をロープに追い込み左フック!井岡選手はガードを締めながらコンパクトに左フックを振りきる!

 

田中選手効いた!フラフラと崩れていく田中選手に、井岡選手が追い打ちもレフリーが飛び込む!

 

見事に井岡一翔選手が8RにTKO勝ちで2度目の防衛に成功!世代交代を掲げた田中選手だったが、キャリアと言うと何とも簡単な言いかただが約10年世界戦線で日本ボクシング界を引っ張ってきた井岡選手のインサイドワークに感服してしまった。ここ何戦かのアグレッシブルな井岡選手は観ていて楽しいが、待ちになった時の井岡選手の上手さは唸るものがあった。

7Rまでの採点もジャッジ1者が3Rのみ田中選手につけた69-62、残り2者が2ラウンドを田中選手に付けている68-63だが2Rと3Rが1者、3Rと4Rが1者の採点だった。

そして2021年は、3月13日のWBAスーパーフライ級スーパー王者のローマン・ゴンサレスとWBCスーパーフライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダの統一戦の勝者との統一戦を望みたいと発言する!視聴率は10・3%だったらしく、これは2021年大晦日も井岡選手の試合が観られるだろう!?それが、ローマン・ゴンサレスと日本で3団体統一スーパーフライ級王座戦だったら最高だな

 

★田中選手の初黒星後からの再起も気になるな 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村