観戦記1826 WBSSスーパーミドル級1回戦 クリス・ユーバンクJrvsアブニ・イルディリム | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

10月のRIZIN.19で、朝倉海選手の強烈な右で顎を2ヵ所骨折した佐々木憂流迦選手 『観戦記1820』 無事に手術を終えて退院したみたいだ。入院中は流動食で、トレーニングをしていないから「痩せて」しまったらしい。しかし、あの試合を観ている時はそれほど重症だと思わずに「なんで止めるんだ!」 と、叫んでしまったがレフリーはよくあのタイミングでドクターチェックをかけたものだ。格闘技である以上、怪我はつきものだろうが「リング渦」は決してないようにレフリーのストップに遅い事はあっても早すぎることはない。

元WBOミドル級&WBOスーパーミドル級の2階級制覇王者だったクリス・ユーバンクは、WBOスーパーミドル級王座決定戦でマイケル・ワトソンと闘いKO負け寸前からダウンを奪い返しワトソンがフラフラなのにレフリーがなかなか止めずに12RでTKO勝ちするもワトソンは意識不明になり意識が戻っても歩けるようになるまで10年かかった。

そしてユーバンクの息子のユーバンクJrが、BBBofc英国ミドル級王座に挑戦し7Rまで王者のニック・ブラックウェルを圧倒していた時のラウンドインターバルで 『もし、レフリーが止めず、ストップがかからずにこのまま相手をたたきのめし続ければ、必ず怪我をさせてしまう。レフリーが試合を止めないのであれば、私にはその判断を理解できないが、お前はレフリーに任せておいてはいけない。これからは相手の顔ではなく、ボディーを狙っていけ』 と話し、10RにドクターストップでTKO勝ちしてブラックウェルは意識を失い病院へ搬送されるが1年後には家族と会話できるまで回復したらしい。

 

そんな親子でハードパンチャーのユーバンクJrは、父のユーバンクがナイジェル・ペンに9RでTKO勝ちして初の世界王者になる1年前の1989年9月生まれ。

 

父親が元2階級制覇した世界王者だがアマチュア戦績は少なく、22歳の2011年11月にデビューしてキリル・ソンコを4RにTKOで降す~2012年は8連勝3KO~2013年からは倒しに倒し9連勝9KOで、2014年11月に後の2階級制覇王者のビリー・ジョー・サンダースのEBU欧州&BBBofc英国&コモンウェルス英連邦ミドル級王座に挑戦するも1-2の判定負けで王座獲得ならず初黒星~しかし2015年2月に、WBAミドル級暫定王者のディミトリー・チュディノフを12RにTKOで降し暫定王座を獲得~10月に、WBA13位のトニー・ジーターを2RにTKO勝ちしてWBA暫定王座の初防衛に成功。しかし、試合前にWBAから試合間隔や指名試合の問題で暫定王座の剝奪を宣言されていて王座を返上(WBAは10月10日に暫定王座決定戦をアルフォンソ・ブランコ10位vsセルゲイ・コミットスキー15位で開催し、ユーバンクが返上後に暫定王座に認定)そして、新暫定王者のブランコが2016年12月にアッサン・エンダムに負け 『観戦記1287』 村田諒太選手との2連戦に 『観戦記1314』 『観戦記1386』

ユーバンクはWBAミドル級正規王者ダニエル・ジェイコブスの挑戦権を賭け、2015年12月にゲーリー・オサリバンと闘い7R終了時にTKO勝ちで挑戦権を獲得~そして、2016年3月にBBBofc英国ミドル級王者のニック・ブラックウェルに挑戦し10RにTKOで降し王座獲得も、ブラックウェルには多大なダメージが残る~6月にトム・ドランを4RにTKOで降し、BBBofc王座の初防衛に成功~7月にゲンナディ・ゴロフキンへの3団体ミドル級王座挑戦の発表がされるも、ゴロフキンはファイトマネーがカサゲルIBFウェルター級王者のケル。ブルック戦へ 『観戦記1197』 2017年2月にレノルド・クインランのIBOスーパーミドル級王座に挑戦し、10RにTKO勝ちして王座を獲得~7月に、元2階級制覇王者のアルツール・アブラハムを判定で降し初防衛に成功。

 

そしてWBSSスーパーミドル級トーナメントに参戦し、IBO王座初防衛戦となる1回戦の相手は!WBCスーパーミドル級3位のアブニ・イルディリム!

 

1991年8月生まれトルコのシバス出身のイリディリムは、アマ時代に2013年地中海選手権ライトヘビー級銅メダルを獲得~2014年3月にデビューし、ダビット・リバコニに判定勝ち~2015年2月にアレクサンダー・ジャンコビッチに1RにTKO勝ちすると、同じ月の3戦目にジョルジ・ペロシビリを3RにTKOで降しWBAインターナショナルライトヘビー級ユース王座を獲得~さらに2連勝2KOして、8月にグレン・ジョンソンを判定で降しWBAインターナショナルライトヘビー級シルバー王座を獲得~10月に、バーナード・ドンファックを判定で降し初防衛に成功~12月にジャーン・フォースマンを1RにKOして2度目の防衛とEPBCユーラシア太平洋ライトヘビー級王座を獲得~2016年2月に、ワルテル・ガブリエル・セケイラに判定勝ちしてWBAインターナショナル王座の3度目の防衛に成功~5月にも、ジャクソン・ジュニアに2RにKOで降して3度目の防衛に成功。

さらに3連勝2KOして、11月にはシラー・ヒポライトを3RにTKOで降しWBCインターナショナルスーパーミドル級シルバー王座を獲得~2月にも、アレクサンドル・サスキスを1RにKOして初防衛に成功~5月には、マルコ・アントニオ・ペリバンを判定で降しWBCインターナショナルスーパーミドル級王座を獲得。

 

スーパーミドル級は、4団体王者のうちWBA王者のジョージ・グローブスだけの参戦という寂しい参加者の顔ぶれ。しかも、WBAはレギュラー王者にタイロン・ツォイゲがいるが不参加・・・・

WBC王者のデビット・ベナビデスとIBF王者のアンドレ・ディレルはアメリカ、WBO王者のヒルベルト・ラミレスはメキシコとWBSSが欧州を中心とする組織だからか!?

 

2017年10月7日 IBOスーパーミドル級王座戦 クリス・ユーバンクJrvsアブニ・イルディリム

 

クリス・ユーバンクJr 25勝19KO1敗 2度目の防衛戦

 

アブニ・イルディリム 16勝10KO無敗 WBCスーパーミドル級3位

 

1R、イルディリムがガードを固めて前に出るも、ユーバンクJrは速くリズミカルに左を打ち廻る

 

イルディリムが直線的に突っ込んできたところに、ユーバンクJrのアッパー!イルディリムは膝をつきダウン!

 

立ち上がったイルディリムは、さらに前に出る~ユーバンクJrが左で突き放す

 

2R、お互いに押し合うも、引いても闘えるユーバンクJrが見栄えよくパンチを入れる!それでもイルディリムは押し込む!

 

ユーバンクJrは廻りながら左を突いて右!素晴らしい角度のアッパー!

 

3R、激しい打ち合いになる!お互いに引かない!

 

イリリディムがユーバンクJrをロープに追い込む!

 

ロープを背にするも、ユーバンクJrがコンビネーションで効かせる!

 

ユーバンクJrが一気に連打!アッパー連打!

 

ユーバンクJrが止まらない!しかしイルディリムも左フック!

 

ユーバンクJr振りが大きく空振りするも、止まらず右!

 

イルディリムも右を返すがユーバンクJrの右!

 

お互いに左フックを狙うも、イルディリムはダメージもありユーバンクJrの左が先に顎を打ち抜く

 

まさに、糸が切れた人形のようにイルディリムは崩れる!

 

崩れ落ちたイルディリムに、レフリーはカウント無しで止める!

 

見事にユーバンクJrがIBO王座の2度目の防衛をするとともに、WBSS準決勝に進出!ライトヘビー級を中心に闘っていたイルディリムだが、ユーバンクJrは力負けすることない上にスピードで勝り完勝!この試合の前にユーバンクJrはフロイド・メイウェザーと連絡を取り、ラスベガスのメイウェザーのジムで準備をしたらしい。

実に美しいフィニッシュばかりでなく、風貌からは想像できないテクニシャン振りのユーバンクJrの左を突きアッパーで入り込む完璧な攻めにイルディリムがホームで闘うドイツの観客からも大喝采の1戦!

 

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