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経営のヒントを日々の経済・経営事象から考えるブログ

埼玉県川口市で経営コンサルティング・人材育成を行っています。
専門領域はサービスマネジメントです。サービスマネジメントとは、「マーケティングマネジメント」「オペレーションマネジメント」「ヒューマンリソースマネジメント」を顧客にフィットさせることです。

こんにちは。


1週間前から咳が出始め、薬を飲んでいるのですがなかなか治りません。季節の変わり目の風邪は厄介ですね。


さて、今日は投資意思決定とイノベーションについて考えてみたいと思います。



投資意思決定の手法の一つにNPV(Net Present Value)があります。



ある投資の将来キャッシュフローがプラスであれば投資の判断をする手法です。



この経営の常識とも言える手法に、HBSのクレイトン クリステン教授が10月2日の日経の中で批判していました。



ただ、この手法自体への批判ではなく、NPVを使っての投資判断ではイノベーションを起こせないという批判です。



教授曰く、NPVでは利息収入と較べての投資判断ではなく、投資しないことによる企業衰退というマイナスの価値との比較をすべきだと言うことです。


経営では常識のこの手法では、現在のような経済状況では投資するインセンティブが無く、そうすると国の成長力を弱めると指摘しています。



教授の研究テーマであるイノベーションから見れば、現在の状況はまさに危機的なのかもしれません。


たしかに、事業に投資をしていかなければ、衰退していくことになりますし、イノベーションはおきません。


単に、経済的な価値だけではなくイノベーションを起こして企業が成長できるかどうか、という判断基準も持っていたいものです。



それでは。



参考に↓

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business .../クレイトン・クリステンセン

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こんにちは。



みなさんの近所にいわゆるスーパーマーケットはどのくらいありますか。



私の事務所近辺(埼玉県でも最も東京都に近い駅)でも結構な数のSMがあります。



その中でもイトーヨーカドーのDS(ディスカウント)店ザ・プライスがございます。



価格は安く、行くと人も多いようです。



この「ザ・プライス」の記事が9月28日(水)の日経MJに出ていました。



ここ2年ほど出店をしてこなかったそうです。



たぶん、採算が取れる運営ができなかったのでしょう。



その2年間でローコストオペレーションを行うノウハウを身につけ、ここにきて出店を再開するそうです。



一人で複数業務を行うこと(いわゆる多能工化)で、人を少なくしコストを下げているそうです。



昔、SMのコンサルをしたことがあって、このプライスと同様(多能工)の施策をとりいれたのですが、働く方からすると、1部門を一生懸命する方がいいと抵抗に遭ったことがあります。



プライスも出店を凍結していたときにののような抵抗もあったのかと想像してしまいます。



人の気持ちをとるか効率性をとるか、難しい問題です。どちらを選択しても正解ですし不正解でもあります。



解決策としては、やはり数値化してどちらが効率的かを見せることです。



ただ、現在のような経済状況下では、コスト重視でいく方が無難のような気がします。業績が上がれば、人の気持ちもいい方向に転換するのではないでしょうか。



それにしても、さすが大企業です。ザ・プライスでは2年間も試行錯誤を続けられていたのですから。



それでは。



参考に

オペレーション・マネジメントの方法―経営戦略・事業戦略を成功に導く/佐藤 勝尚
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こんにちは。



今日で9月も終わりです。1年間の3/4が終わります。これから年末に向けて足早に時間が過ぎていくことでしょう。



時間が早く過ぎていくということは、次への備えをしなければならないことでもあります。



9月28日(水)の日経「経済教室」の『閉塞打破 企業経営の条件(下)』からです。



この論文を書いているのは「浅羽茂 学習院大学教授」です。経営戦略がご専門です。私の好きな先生でもあり

ます。



先生曰く、海外での日本の企業に足りないのは現地ニーズ把握。この課題克服には現地に入り込んで真のニーズを把握せよ、と論じておられます。



この真のニーズ把握に長けているのは、キッコーマンや味の素といった食品メーカーとのことです。



キッコーマンなどは商品を単に輸出しただけでなく、食文化も輸出した、と言われます。



現地の食生活を見極め、ニーズを発見し、自社の製品をいかにうまく溶け込ませるか。



このような地道な作業が実は有効なのでしょうね。



また、真のニーズを把握するためにはどうすべきか。



現地の人に調査員が時間をかけてインタビューする、などしていかなければならないかもしれません。



単なる、リサーチ会社に頼む平均的な現地のニーズをつかむより、あなたのニーズの為にこの商品を作りました、などの方が訴える力は強いかもしれません。



平均的な商品は価格競争に巻き込まれる可能性が大きいと言えます。



継続的に勝ち続けていくには、市場を創り、顧客を教育する。



何も、新興国だから単にブランド化して攻めよう、価格で攻めようなどと思わず、市場を創る作業からはじめることが成功への近道かもしれません。



今のこの日本でも同じことが、いや、時間と場所を超えて手間暇かけて事業を進めていくことが成功への近道になるのでしょう。



それでは。



参考に↓

企業戦略を考える―いかにロジックを組み立て、成長するか/淺羽 茂
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