No.528 沼田まほかる「ユリゴコロ」→ 4点
0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。
※ 小数点は、上記点数の中間です。
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沼田 まほかる「ユリゴコロ」→ 4点
発行元 :株式会社双葉社
初版発行:2011/3/20
あらすじ
わたしはできそこないだ。
なぜならわたしにはユリゴコロがないから・・。
一切の罪悪感を持つことが出来ず、身近な人を殺す瞬間に無上の喜びを感じてしまう宿業をもった女。
その女がひとりの男と出会い、ストーリーは静かに始まる。
異色にして究極のラブストーリー。
コメント
あんなできそこないだからこそ、俺はあいつに感じたような愛情をこれから一生、他の誰にも持つことができないんだ・・。
文中で出てきた男のセリフは、静かに胸に刺さった。
人はみなそれぞれに歪な魂を持っているからこそ、それにぴたりと寄り添える相手を求めているのかもしれない。
そして、そうであるならば、本作は正に究極のラブストーリーだと言えるだろう。
途中、通勤電車の中でちょっと涙が出そうになって困った。
本作が根本的なところで異色なのは、自分自身に刻まれた欠落感を埋めること、つまり本当の愛を得ることができるのなら、他人の生死を含めて他に優先されるものなんて何一つないということが、当たり前の前提として描かれているところにあるような気がする。
皮膚感覚的にぞわぞわするところもあって向き不向きの大きい作品だと思うけれど、個人的にはかなり良かった。
大人に読んで欲しい作品かな。
http://www.amazon.co.jp/dp/4575237191/ref=nosim/?tag=kentanodokush-22
了。
No.527 本多孝好「ALONE TOGETHER」→ 3点
0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。
※ 小数点は、上記点数の中間です。
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本多 孝好「ALONE TOGETHER」→ 3点
発行元 :株式会社双葉社
初版発行:2002/10/20
あらすじ
他人の心にある波長、これに同調し、そこにある意思や感情を読み取ることが出来る・・、これが我が家系に代々伝わる能力だ。
父さんはこれを「呪い」と呼んだ。代々の祖先達がそれに翻弄されてきたように、僕もまたこの能力のおかげで様々なものを失ってきた。
そんな僕はある日、風変わりな事件に巻き込まれるのだった。
コメント
本多氏らしい、繊細且つスナオじゃないストーリー。
それなりに面白く読んだんだけど、様々な複線やエピソードを盛り込み過ぎて、ちょっと話しが分かりにくかったかな。
私の読解力に問題があるのかもしれないが、「結局あれは何だったんだろう」という最後まで意味の分からない部分がかなりあった。
さらに、途中からもやもやと何だか妙な感覚。。
「これ、どっかで読んだことあるよーな」と思っていたら、そうそう、村上春樹氏の「ノルウェイの森」と全般的にかなり似てる気がする。
不可解な死がモチーフになってるところとか、主人公の孤独な魂とか、細かいところでは熊谷さんのエピソードなんて「そのまんま」と言ってもいいくらいじゃないだろーか。
本多氏が意識していたかどうかは分からないけど、ちょっと不思議というかビミョーな読後感となった一冊かな。
http://www.amazon.co.jp/dp/4575508446/ref=nosim/?tag=kentanodokush-22
了。
No.526 三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」→ 4点
0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。
※ 小数点は、上記点数の中間です。
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三浦 しをん「まほろ駅前多田便利軒」→ 4点
発行元 :株式会社文藝春秋
初版発行:2009/1/10
あらすじ
東京近郊の小都市、まほろ市。
多田便利軒はその駅前にひっそりと店を出している。
経営者の多田は、草むしりをやったり引越しの手伝いをしたりしながら、特に心楽しいとも思えないそれらの仕事を淡々とこなしていた。
ある日多田は高校生時代の同級生である行天に偶然出会う。
そして「行くところがない」という行天を仕方なく事務所に留めてやることになったのだが、これが大きな間違いだった。
多田と行天、二人の男が「まほろ市」を舞台に繰り広げる様々な事件を描く。
第135回直木賞受賞作品。
コメント
特に文中で続編の存在が示唆されている訳ではないが、それでも「これはシリーズ化されるなぁ、というかして欲しい」と思わせる作品。
多田と行天、汚れちまった悲しみを心にもつ二人の男が再会したことによって始まるストーリーで、便利屋という、非常に世俗的且つ非ドラマチックな職業を舞台にしながら妙にハードボイルドな雰囲気が漂っているところが良い。
平成以降の「失われた20年」で大人になった世代は、子供時代はとても豊かであったけれども大人になって独り立ちすると厳しい社会の荒波に揉まれ、様々な形で傷つき損なわれた。
多田も行天も、その世代を代表したキャラクターであるように思われる。
本作が秀逸なのは、根底にどうしようもない傷と痛みを抱えた彼らがきちんとまっとうに生きており、いささか乾いた味わいではあるもののユーモアを忘れていない点にあるような気がする。
そして、癒しようのない傷や痛みを忘れるのではなく、常にそれが自分にあることを認めながら生きる彼らの姿には、まぎれもない「強さ」があった。
先に読んだ「風が強く吹いている(これも傑作!)」とはまったく違ったテイストの作品だけれど、本作も実に良かった。
両方を読み比べると、三浦しをん氏の才能の巨大さに唸ること請け合いです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4167761017/ref=nosim/?tag=kentanodokush-22
了。



