こんにちは。
今日は、あいにくの。
ウイルス、、、で流れてなくなればいいのに。。。
今日は、令和元年度問6の過去問を○×式でやりたいと思います。
教科書検定制度の合憲性に関する記述について、最高裁判所の判例に照らし、正誤判定をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
行政処分には、憲法31条による法定手続の保障が及ぶと解すべき場合があるにしても、行政手続は行政目的に応じて多種多様であるから、常に必ず行政処分の相手方に告知、弁解、防御の機会を与える必要はなく、教科書検定の手続は憲法31条に違反しない。
正解は?
○
今日は、教科書検定制度の「合憲性」に関する問題です。
1問目はこの問題なんですが、、、
この内容は記憶にありませんか
今まで見てきたものは、「教科書検定制度」に関するものではありませんでしたが、「行政処分」、「行政手続」と考えれば、判例の内容が異なることはありません。
と言うことは、、、
これは、正しい記述ってことです。
昭和61(オ)1428 損害賠償請求事件平成5年3月16日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
行政処分については、憲法三一条による法定手続の保障が及ぶと解すべき場合があるにしても、それぞれの行政目的に応じて多種多様であるから、常に必ず行政処分の相手方に告知、弁解、防御の機会を与えるなどの一定の手続を必要とするものではない。
中略
原審の適法に確定した事実関係を総合勘案すると、検定の審議手続が公開されていないこと、検定不合格の場合は、事前に不合格理由についての告知、弁解、防御の機会が与えられず、事後の告知も理由の一部についてされるにすぎないこと、これらの事情があったとしても、そのことの故をもって直ちに、本件検定が憲法三一条の法意に反するということはできない。
したがって、所論の点に関する原審の判断は、本件検定に手続保障違反の違法がないとした結論において正当として是認することができる。
問題
国は、広く適切な教育政策を樹立、実施すべき者として、また、子供自身の利益を擁護し、子供の成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当な範囲で教育内容についてもこれを決定する権能を有する。
正解は?
○
2問目は、この問題なんですが、
この問題にも記憶にあるフレーズがありますね。
国は、「必要かつ相当な範囲で教育内容についてもこれを決定する権能を有する。」
必要かつ相当な範囲で。
以前見たところには、
諸条件の整備に限られるとか、教育専門家とか、そんな言葉が出てきました。
どうです ちょっと記憶にあるでしょう。。。
昭和43(あ)1614 建造物侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反昭和51年5月21日 最高裁判所大法廷 判決 その他 札幌高等裁判所
一般に社会公共的な問題について国民全体の意思を組織的に決定、実現すべき立場にある国は、国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべく、また、しうる者として、憲法上は、あるいは子ども自身の利益の擁護のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有するものと解さざるをえず、これを否定すべき理由ないし根拠は、どこにもみいだせないのである。
この肢は、正しい記述です。
問題
教科書検定による不合格処分は、発表前の審査によって一般図書としての発行を制限するため、表現の自由の事前抑制に該当するが、思想内容の禁止が目的ではないから、検閲には当たらず、憲法21条2項前段の規定に違反するものではない。
正解は?
×
3問目は、「教科書検定」が問題です。
興味のある方は、文部科学省:教科書検定制度について を見てみましょう。
教科書の検定とは、民間で著作・編集された図書について、文部科学大臣が教科書として適切か否かを審査し、これに合格したものを教科書として使用することを認めること。
書かれていることを見た感じでは、「発表前の審査」って感じがしますが、、、
問題には他にも
・一般図書としての発行を制限する
・表現の自由の事前抑制に該当する
・思想内容の禁止が目的ではないから、検閲には当たらない
こんなことが書かれています。
早速、判例を見てみましょう。
昭和61(オ)1428 損害賠償請求事件平成5年3月16日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
本件検定(教科用図書の検定)は、前記のとおり、一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく、発表禁止目的や発表前の審査などの特質がないから、検閲に当たらず、憲法二一条二項前段の規定に違反するものではない。
このことは、当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかである。
書いてますね、、、「一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく、」。
「発表前の審査などの特質がない」とも。
検閲には当たらないってところはあってますけど、、、
この問題は、間違いですね。
条文関連を確認しておきます。
日本国憲法
第二十一条
1 略。
2 検閲は、これをしてはならない。後段略。
それと、「検閲」とは
憲法二一条二項にいう検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的とし、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを特質として備えるものを指すと解すべきである。
問題
教科書は学術研究の結果の発表を目的とするものではなく、検定制度は一定の場合に教科書の形態における研究結果の発表を制限するにすぎないから、学問の自由を保障した憲法23条の規定に違反しない。
正解は?
○
4問目は、この問題。
「教科書」について。
・学術研究の結果の発表を目的とするものではない
これはこの通りでしょうね。
問題は、後半部分でしょうか。。。
判例は、3問目と同じものです。
教科書は、教科課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として、普通教育の場において使用される児童、生徒用の図書であって、学術研究の結果の発表を目的とするものではなく、本件検定は、申請図書に記述された研究結果が、たとい執筆者が正当と信ずるものであったとしても、いまだ学界において支持を得ていなかったり、あるいは当該学校、当該教科、当該科目、当該学年の児童、生徒の教育として取り上げるにふさわしい内容と認められないときなど旧検定基準の各条件に違反する場合に、教科書の形態における研究結果の発表を制限するにすぎない。
このような本件検定が学問の自由を保障した憲法二三条の規定に違反しないことは、当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかである。
これと同旨の原審の判断は正当であって、論旨は採用することができない。
この肢は判例通りで、正しい記述です。
問題
教育の中立・公正、教育水準の確保などを実現するための必要性、教科書という特殊な形態での発行を禁ずるにすぎないという制限の程度などを考慮すると、ここでの表現の自由の制限は合理的で必要やむを得ない限度のものというべきである。
正解は?
○
今日の最後の問題です。
「表現の自由の制限」についてです。
問題では、「必要性」と「制限の程度」などを考慮すると「合理的で必要やむを得ない限度のものというべきである。」と言っています。
早速、判例を見てみます。
この問題も3問目と同じものです。
普通教育の場においては、教育の中立・公正、一定水準の確保等の要請があり、これを実現するためには、これらの観点に照らして不適切と認められる図書の教科書としての発行、使用等を禁止する必要があること、その制限も、右の観点からして不適切と認められる内容を含む図書のみを、教科書という特殊な形態において発行を禁ずるものにすぎないことなどを考慮すると、本件検定による表現の自由の制限は、合理的で必要やむを得ない限度のものというべきであって、憲法二一条一項の規定に違反するものではない。
このことは、当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかである。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 略。
この肢は、正しい記述です。
朝から予定が狂った。
週の初め、朝から、、、ちょっとキツイ。
それでも頑張ろう
今日も最後まで有難うございました。
今日のところは、ここまでです。
んでまずまた。
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