行政書士試験 令和元年度問29 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

2月最後の日、、、でも日付は、29日

 

うるう年、この歳で初めて知った事実

 

うるう年は、必ず4年に1度ではないらしい。。。

 

まだまだ知らないことがいっぱいある。

 

知る楽しみを味わいたい。真顔

 

今日の過去問は、令和元年度問29の問題○×式でやりたいと思います。

 

動産物権変動に関する次の記述について、民法等の規定及び判例に照らし、正誤判定をしてみましょう。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

Aは自己所有の甲機械をBに譲渡したが、その引渡しをしないうちにAの債権者であるCが甲機械に対して差押えを行った。この場合において、Bは、差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、Cによる強制執行の不許を求めることはできない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日は、「動産物権変動」に関する問題です。

 

最初に条文を見ておきます。

 

動産に関する物権の譲渡の対抗要件

第百七十八条 動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ第三者に対抗することができない

 

条文では、第三者に対抗するには「引渡し」が必要ってことを言っています。

 

これを踏まえて、問題を確認してみます。

 

Aさんが、自己所有の甲機械を、Bさんに譲渡した

 

・その引渡しをしないうちに

 

・Aさんの債権者であるCさんが甲機械に対して差押えを行った

 

問題は、この場合において、どうかはてなマークってことを聞いています。

 

実際には、「Bさんは差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、Cさんによる強制執行の不許を求めることはできない。」と言っています。

 

不許=許さないこと。許可しないこと。不許可。

 

これは、最初の条文を理解していれば、すぐに解る内容ですね。

 

問題に、「その引渡しをしないうちに、」と書かれています。

 

つまり、Bさんは引渡しを受けていないので、第三者であるCさんに対抗することが出来ません

 

ですから、問題の通り「Cさんによる強制執行の不許(不許可)を求めることはできない。」訳ですね。

 

この肢は、正しい記述です。

 

 

ちなみに、引渡しとははてなマーク

 

民法では4つの形態を定めています。

 

現実の引渡し及び簡易の引渡し

第百八十二条 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする

2 譲受人又はその代理人現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる

 

占有改定

第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する

 

指図による占有移転

第百八十四条 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する

 

今日は、この内容が出てくるってことですね。

 

 

 

問題

Dは自己所有の乙機械をEに賃貸し、Eはその引渡しを受けて使用収益を開始したが、Dは賃貸借期間の途中でFに対して乙機械を譲渡した。FがEに対して所有権に基づいて乙機械の引渡しを求めた場合には、Eは乙機械の動産賃借権をもってFに対抗することができないため、D・F間において乙機械に関する指図による占有移転が行われていなかったとしても、EはFの請求に応じなければならない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

2問目は、この問題です。

 

ブログでは長い方の問題になりますね。

 

問題をバラしてみます。

 

Dさんが、自己所有の乙機械をEさんに賃貸した

 

Eさんはその引渡しを受けて使用収益を開始した

 

Dさんは賃貸借期間の途中でFさんに対して乙機械を譲渡した

 

ここからが、問題。

 

問題では、「Fさんが、Eさんに対して所有権に基づいて乙機械の引渡しを求めた場合」にはどうかはてなマークと聞いています。

 

実際には、「Eさんは、乙機械の動産賃借権をもってFさんに対抗することができないため、DさんとFさん間において乙機械に関する指図による占有移転が行われていなかったとしても、EさんはFさんの請求に応じなければならない。」と問題では言っています。

 

どうですかはてなマーク 状況は理解できましたかはてなマーク

 

これ、1問目をよ~く思い出して下さい。

 

動産賃借権を持つEさんは、引渡しを受け使用収益を開始しています。

 

かたや乙機械の譲渡を受けたFさんは譲渡を受けたと言う事実はあっても第三者対抗要件の引渡し(問題では、指図による占有移転)を受けていません

 

EさんとFさんの「権利と権利がぶつかっている訳ですから、Eさんが第三者にあたるってのは、理解できますね。

 

であれば、結論は出てきますよね。

 

この問題、Fさんが、賃借人であるEさんに対して、「所有権を取得したことを理由として引渡しを求めるためには対抗要件が必要ってことです。

 

問題には、「DさんとFさん間において乙機械に関する指図による占有移転が行われていなかったとしても」とありますから指図による占有移転が行われていないのはハッキリとしています。

 

ですから、Eさんは、Fさんからの引渡し請求に応じる必要はありません。

 

この肢は、間違いです。

 

 

 

問題

Gは自己所有の丙機械をHに寄託し、Hがその引渡しを受けて保管していたところ、GはIに対して丙機械を譲渡した。この場合に、HがGに代って一時丙機械を保管するに過ぎないときには、Hは、G・I間の譲渡を否認するにつき正当な利害関係を有していないので、Iの所有権に基づく引渡しの請求に応じなければならない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

3問目は、この問題です。

 

早速、確認してみますね。

 

Gさんは、自己所有の丙機械をHさんに寄託した

 

Hさんが、その引渡しを受けて保管していた

 

Gさんは、Iさんに対して丙機械を譲渡した

 

問題では、「この場合に、Hさんが、Gさんに代って一時丙機械を保管するに過ぎないときには、Hさんは、GさんとIさん間の譲渡を否認するにつき正当な利害関係を有していないので、Iさんの所有権に基づく引渡しの請求に応じなければならない。」と言っています。

 

条文を確認しておきます。

 

寄託

第六百五十七条 寄託は当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによってその効力を生ずる

 

寄託=預かるだけです。

 

つまり、引渡しを受けたとは言え、預かっているだけのHさんは、何の権利もない訳です。

 

と言うことは、無権利者のHさんと譲渡を受けているIさんで、権利と権利がぶつかるってことはありませんので、受寄者のHさんは、第三者にあたらないってのが理解できると思います。

 

第三者にあたらないってことは、対抗要件は不要な訳ですから、Hさんは、Iさんからの所有権に基づく引渡しの請求に応じる必要がある訳です。

 

この肢は、正しい記述です。

 

 

 

問題

Jは、自己所有の丁機械をKに対して負っている貸金債務の担保としてKのために譲渡担保権を設定した。動産に関する譲渡担保権の対抗要件としては占有改定による引渡しで足り、譲渡担保権設定契約の締結後もJが丁機械の直接占有を継続している事実をもって、J・K間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

4問目は、この問題なんですが、

 

まず、問題を読んでバラしてみます。

 

Jさんは自己所有の丁機械をKさんに対して負っている貸金債務の担保としてKさんのために譲渡担保権を設定した

 

Jさんは、Kさんに借金をしていたってことですね。

 

その借金の形に「丁機械を担保としたってことです。

 

譲渡担保は、イメージ的には抵当権に近いものです。

 

債務者であるJさんは、「丁機械を担保にしても、「使い続けることができますし、弁済をもってその権利を返還してもらうこともできます

 

ここまで良いですね。

 

次が問題です。

 

問題では、「動産に関する譲渡担保権の対抗要件としては占有改定による引渡しで足り譲渡担保権設定契約の締結後もJさんが丁機械の直接占有を継続している事実をもって、JさんとKさんの間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる。」と言っています。

 

まず、「占有改定による引渡しで足り」るのかはてなマーク

 

それと、「Jさんが丁機械の直接占有を継続している事実をもって、JさんとKさんの間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる」のかはてなマーク

 

この2点が問題点です。

 

占有改定の条文を問題に当ててみます。

 

占有改定

第百八十三条 代理人(Jさん)が自己の占有物(丁機械)を以後本人(Kさん)のために占有する意思を表示したときは、本人(Kさん)は、これによって占有権を取得する

 

どう思いますかはてなマーク

 

Jさんは、自分の丁機械をそのまま所持している訳です。

 

他の第三者が見たら、Kさんに占有権があるとは分かりませんよね。

 

占有改定は、ここが問題。

 

判例を確認してみます。

 

昭和28(オ)952 動産引渡請求昭和30年6月2日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 仙台高等裁判所

 

売渡担保契約がなされ債務者(Jさん)が引き続き担保物件(丁機械)を占有している場合には、債務者(Jさん)は占有の改定により爾後債権者(Kさん)のために占有するものであり、従つて債権者(Kさん)はこれによつて占有権を取得するものであると解すべきことは、従来大審院の判例とするところであることも所論のとおりであつて、当裁判所もこの見解を正当であると考える

 

と言うことで、譲渡担保権の対抗要件としては、「占有改定による引渡しで足り」、「これによつて占有権を取得する占有改定による引渡しが行われたものと認められる」ようです。

 

この問題は、正しい記述です。

 

 

 

問題

集合動産譲渡担保が認められる場合において、種類、量的範囲、場所で特定された集合物を譲渡担保の目的とする旨の譲渡担保権設定契約が締結され、占有改定による引渡しが行われたときは、集合物としての同一性が損なわれない限り、後に新たにその構成部分となった動産についても譲渡担保に関する対抗要件の効力が及ぶ。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の最後の問題です。

 

集合動産」譲渡担保。

 

この内容、記憶にありませんかはてなマーク

 

過去記事を抜粋して終わりにしますね。

 

行政書士試験 平成29年度問29 民法の問題

 

昭和53(オ)925 物件引渡 昭和54年2月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 

構成部分の変動する集合動産についてもその種類、所在場所及び量的範囲を指定するなどなんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的となりうるものと解するのが相当である

 

この判例では、食用乾燥ネギフレークが譲渡担保の対象でした。

 

もう1つ。

 

行政書士試験 平成24年度問30 民法の問題

 

昭和57(オ)1408 第三者異議昭和62年11月10日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所

 

債権者と債務者との間に、右のような集合物を目的とする譲渡担保権設定契約が締結され、債務者がその構成部分である動産の占有を取得したとき債権者が占有改定の方法によつてその占有権を取得する旨の合意に基づき債務者が右集合物の構成部分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、債権者は、当該集合物を目的とする譲渡担保権につき対抗要件を具備するに至つたものということができこの対抗要件具備の効力はその後構成部分が変動したとしても、集合物としての同一性が損なわれない限り、新たにその構成部分となつた動産を包含する集合物について及ぶものと解すべきである。

 

2つの判例が合わさったような問題です。

 

私的には、「その後構成部分が変動したとしても、集合物としての同一性損なわれない限り、」ってのが、記憶するポイントでした。

 

 

知る楽しみ

 

理解できた喜び

 

何か1つのきっかけがあれば変わる。

 

その1つの理解が、さらなる知る喜びに変わるのが勉強。

 

少しずつの変化が大切だと思う。

 

 

今日も最後までありがとうございました。

 

 

んでねぃ。バイバイ

 

 

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