行政書士試験 平成29年度問28 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

7月も末になって、やっと夏らしくなってきました。

 

水害に悩まされた地域でも、これからは暑さ対策ですね。

 

熱中症による死亡事故やに刺されて死亡する事故など、報道されています。

 

水分補給だけでなく、着るものにも注意しなければなりません。

 

でも、暑いっすね。ムキー

 

今日の過去問は、平成29年度問28の問題○×式でやりたいと思います。


錯誤等に関する記述について、民法の規定及び判例に照らして、正誤判定をしてみましょう。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

要素の錯誤が成立する場合において、表意者に錯誤に基づく無効を主張する意思がないときであっても、表意者自身が錯誤を認めており、表意者に対する債権を保全する必要がある場合、表意者の債権者は、表意者の錯誤を理由とする無効を主張することができる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の問題は、「錯誤等」に関するものです。

 

1問目は、「要素の錯誤が成立する場合」についてなんですが、、、

 

要素の錯誤はてなマーク

 

・・・・・・サイト内検索で記事が3件出てきました。

 

参考 行政書士試験 平成29年度問32 民法の問題

 

一応、「錯誤」の条文を確認しておきます。

 

錯誤

第九十五条 意思表示は法律行為の要素に錯誤があったときは無効とするただし表意者に重大な過失があったときは表意者は、自らその無効を主張することができない

 

漢字がいっぱい。。。叫び

 

具体例:鰹を買うつもりで、気づかずに同じ赤身の鮪を買った場合。

 

要素=あるものごとを成り立たせている基本的な内容や条件。法律行為又は意思表示の内容において、その表意者に重要な意味をもつ部分

 

例だと「鰹を買う」が要素にあたるってことになりますね。

 

錯誤=民法上、意思表示をした者の内心の意思(鰹を買う)と表示行為(鮪を買う)とが違っていることを表意者自身が知らない(気づかずに)こと。

 

なんとな~く、「要素の錯誤」について解りましたか。

 

イメージしやすいようにやってみましたが、、、照れ

 

ただ、ただし書きがありますね、、、「表意者に重大な過失があったとき」は、表意者は、自らその無効を主張することができない

 

重大な過失=不注意ないし注意義務違反の程度がはなはだしいこと。人が当然払うべき注意をはなはだしく欠くこと。

 

先ほどの例で、「」と「」、、、ちょっと注意すれば違いは解りますよね。

 

お店側も十分に案内は出してますからね。

 

ですから、重大な過失があった場合は、表意者は自らその無効を主張することができない訳です。

 

これらの内容から解ること、、、それは、錯誤無効を主張することができるのは、表意者に限られるってことですね。

 

意思表示をするのが表意者ですから、当然と言えば当然なんですが。。。

 

表意者は自らその無効を主張することができない。」


そして、ここからが本題なんですが、、、

 

表意者以外の人第三者)は、表意者に代わって錯誤無効を主張することはできないのかはてなマーク ってことです。

 

問題では、「表意者の債権者」になっています。

 

これは、「記憶があるな。」って方もいるかも知れませんね。

 

昭和43(オ)27 油絵代金返還請求 昭和45年3月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所

 

意思表示の要素の錯誤については、表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、錯誤を理由として意思表示の無効を主張する意思がないときは、原則として、第三者が右意思表示の無効を主張することは許されないものであるが、当該第三者において表意者に対する債権を保全するため必要がある場合において、表意者が意思表示の瑕疵を認めているときは、表意者みずからは当該意思表示の無効を主張する意思がなくても第三者たる債権者は表意者の意思表示の錯誤による無効を主張すること許されるものと解するのが相当である。

 

と言うことで、これは正しい肢と言うことになります。

 

 

 

問題

売買代金に関する立替金返還債務のための保証において、実際には売買契約が偽装されたものであったにもかかわらず、保証人がこれを知らずに保証契約を締結した場合、売買契約の成否は、原則として、立替金返還債務を主たる債務とする保証契約の重要な内容であるから、保証人の錯誤は要素の錯誤に当たる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の2問目は、この問題、、、はぁ~、漢字が多い。滝汗

 

要約してみます。

 

売買契約がなされた

売買代金の保証債務が締結された

 

これだけです。

 

ただ、枝葉があって、「売買契約が偽装されたものってことですね。

 

そして、保証人がその「偽装を知らずに保証しているってことです。

 

問題では、

 

売買契約の成否は、原則として、立替金返還債務を主たる債務とする保証契約の重要な内容であるから、保証人の錯誤は要素の錯誤に当たる。」と言っています。

 

どうでしょうかはてなマーク ってのがこの問題。。。

 

つまり、売買契約の成否=1問目の「」です。(

 

保証契約は何のためにするのかはてなマーク

 

売買代金に関する立替金返還債務のための保証」ですね。

 

とすると「」で良いんではないでしょうか。(

 

保証人が、錯誤無効を主張するためには、「保証契約の意思表示に関して錯誤がなければいけません。

 

先ほどの「錯誤」に当てはめてみます。

 

錯誤=民法上、意思表示をした者の内心の意思(売買契約が成立しているから保証する)と表示行為(売買契約が偽装されている)が違っていることを表意者自身が知らない。

 

平成11(受)602  保証債務請求事件 平成14年7月11日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所

 

(1)本件立替払契約は、被上告人において、DがF機材から購入する本件機械の代金をF機材に立替払し、Dは、被上告人に対し、立替金及び手数料の合計額を分割して支払う、という形態のものであり、本件保証契約は本件立替払契約に基づきDが被上告人に対 して負担する債務について連帯して保証するものであるところ、(2)本件立替払契約はいわゆる空クレジット契約であって、本件機械の売買契約は存在せず、(3)上告人は、本件保証契約を締結した際、そのことを知らなかった、というのであるから、本件保証契約における上告人の意思表示は法律行為の要素に錯誤があったものというべきである

 

と言うことで、この肢も正しい肢と言うことになります。

 

 

 

問題

連帯保証人が、他にも連帯保証人が存在すると誤信して保証契約を締結した場合、他に連帯保証人があるかどうかは、通常は保証契約の動機にすぎないから、その存在を特に保証契約の内容とした旨の主張立証がなければ、連帯保証人の錯誤は要素の錯誤に当たらない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の3問目です。

 

「連帯保証人が、他にも連帯保証人が存在する誤信して保証契約を締結した場合」です。

 

誤信」は字の如く、誤って信じ込むことですね。

 

問題では、「他に連帯保証人があるかどうか」は、通常は保証契約の動機にすぎないってことを言っています。

 

動機=人が意志を決めたり、行動を起こしたりする直接の原因。

 

ですから、「その存在特に保証契約の内容とした旨の主張立証がなければ、連帯保証人の錯誤は要素の錯誤に当たらない。」と言っています。

 

どうでしょうかはてなマーク って問題ですね。

 

1問目風に言えば、「他にも連帯保証人が存在する」ってのは、「鰹ではない」と言ってる訳です。

 

そして2問目で、「保証人が、錯誤無効を主張するためには、「保証契約の意思表示に関して錯誤がなければならない。」ってのを確認しています。

 

と言うことは、「他に連帯保証人があるかどうか」ってのは、、、判断がつきますよね。真顔

 

昭和31(オ)223 約束手形金請求 昭和32年12月19日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所

 

保証契約は保証人と債権者との間に成立する契約であつて、他に連帯保証人があるかどうかは、通常は保証契約をなす単なる縁由にすぎず、当然にはその保証契約の内容となるものではない

 

縁由=法律で、人が意思表示や法律行為などをなすに至る動機。

 

つまり、「他に連帯保証人があるかどうか」ってのは、「動機の錯誤」だから「要素の錯誤」には当たらないってことです。

 

ですから、この肢も正しい肢と言うことになります。

 

 

それと、、、これは、判例にも書かれているんですが、

 

その存在特に保証契約の内容とした旨の主張立証がなければ、」

 

その存在=他に連帯保証人がある

 

ここ重要ですね。

 

判例引き続き、

 

されば、原判決説示のごとく被控訴人(上告人)において訴外人も連帯保証人となることが特に本件保証契約の内容とした旨の主張、立証のない本件においては原判決の判断は正当であつて、引用の判例は本件に適切でないから、論旨は採ることができない。

 

つまり、本件保証契約の内容とした旨の主張、立証のある場合は、結論が変わってくるってことになります

 

 

 

問題

婚姻あるいは養子縁組などの身分行為は錯誤に基づく無効の対象とならず、人違いによって当事者間に婚姻または縁組をする意思がないときであっても、やむを得ない事由がない限り、その婚姻あるいは養子縁組は無効とならない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

本日の4問目です。

 

婚姻あるいは養子縁組などの身分行為」についてです。

 

問題では、「錯誤に基づく無効の対象とならず、」と言っています。

 

だから、「人違いによって当事者間に婚姻又は縁組をする意思がないときであってもやむを得ない事由がない限り、その婚姻あるいは養子縁組は無効とならない。」と言っています。

 

どうですかはてなマーク って問題です。

 

無効とならない。」と言うことは、「人違いによって当事者間に婚姻又は縁組をする意思がないときでも有効」ってことです。

 

あり得ませんよね。叫び

 

婚姻」、「縁組」は、民法の第四編・親族の中にあります。

 

ここで規定される身分行為で重要なのは、「意思の尊重」です。

 

できる限り、本人の意思を尊重しましょうって考え方ですね。

 

と言うことは、、、

 

婚姻の無効

第七百四十二条 婚姻は次に掲げる場合に限り無効とする

一 人違いその他事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき

二 略。

 

縁組の無効

第八百二条 縁組は次に掲げる場合に限り無効とする

一 人違いその他事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき

二 略。

 

人違いによる「婚姻や縁組」も錯誤に基づく無効の対象になります

 

その他事由」ですから「人違い」は例示ですね。

 

 

 

問題

離婚に伴う財産分与に際して夫が自己所有の不動産を妻に譲渡した場合において、実際には分与者である夫に課税されるにもかかわらず、夫婦ともに課税負担は専ら妻が負うものと認識しており、夫において、課税負担の有無を重視するとともに、自己に課税されないことを前提とする旨を黙示的に表示していたと認められるときは、要素の錯誤が認められる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

今日の最後の問題です。

 

離婚に伴う財産分与」についてです。

 

身近な問題ですね。。。

 

問題では、「夫が自己所有の不動産を妻に譲渡した場合」なんですが、この判例、ちょっとした思い違いがあったようなんです。。。

 

問題を確認してみますね。

 

実際には分与者である旦那さんに課税される

夫婦ともに課税負担は専ら奥さんが負うものと認識していた

 

旦那さん的には、「課税負担の有無を重視していたとも書かれています。

 

自分に課税されないことを前提とする旨を黙示的に表示していたと言う場合、「要素の錯誤」が認められるのかはてなマーク ってことを聞いています。

 

自分に課税されない」つまり、実際には旦那さんに課税される訳ですから、動機に錯誤があった訳なんですが、、、

 

とすると3問目でみた「動機の錯誤」です。

 

んじゃ、「要素の錯誤」は認められないんじゃ、、、問題では、「認められる」と、、、はてなマーク

 

早速、判例を確認してみます。

 

昭和63(オ)385 建物所有権移転登記抹消登記手続請求事件 平成元年9月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所

 

意思表示の動機の錯誤が法律行為の要素の錯誤としてその無効をきたすためにはその動機が相手方に表示されて法律行為の内容となりもし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場合であることを要するところ、右動機が黙示的に表示されているときであっても、これが法律行為の内容となることを妨げるものではない

 

黙示的=はっきりと言わず、暗黙のうちに意志や考えを示すこと。

 

動機の錯誤」が「要素の錯誤」として無効となるケースを示しています

 

問題と照らしてみますね。

 

その動機が相手方に表示されて法律行為の内容となる

夫において、自己に課税されないことを前提とする旨を黙示的に表示して不動産を譲渡

 

この点、判例では、

 

・旦那さんが、財産分与を受ける奥さんに課税されることを心配してこれを気遣う発言をしている(つまり、自己に課税されないと思っているってことですね。)

奥さんも、自己に課税されるものと理解していたことが窺われた

 

こう言った点から

 

旦那さんが、課税の点を重視していたのみならず他に特段の事情がない限り自己に課税されないことを当然の前提とし、かつその旨を黙示的には表示していたと判断しています。

 

引き続き、、、

 

もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかった

夫婦ともに課税負担は専ら妻が負うものと認識していた

 

本件財産分与契約の目的物は上告人(旦那さん)らが居住していた本件建物を含む本件不動産の全部であり、これに伴う課税も極めて高額にのぼるから、上告人(旦那さん)とすれば、前示の錯誤がなければ本件財産分与契約の意思表示をしなかったものと認める余地が十分にあるというべきであると判断しています。

 

そして、最後、、、

 

動機が黙示的に表示されている

あっ、、、これは見てますね爆  笑。。。「財産分与を受ける奥さんに課税されることを心配してこれを気遣う発言をしている

 

結果は、問題に書かれているとおり「要素の錯誤」が認められています。。。

 

 

ちょっと長かったですが、、、

 

今日も最後までありがとうございました。

 

 

んでまずまた。

 

 

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