こんにちは。
いやぁ~、暑い。。。
今日から三日間、夏のような暑さになると、、、梅雨はどこに
寒いのよりは、良いんですけどね。。。も上手くなるし、、、(笑)
んでも、体調管理がちょっと大変ですよね。
日中の暑さに対して、朝晩の冷え込みに注意です
今日の過去問は、平成19年度問30の問題を○×式でやりたいと思います。
Aは、Bから建物(以下、本件建物。)を賃借し、Aは、その建物内に電気製品(以下、本件動産。)等を備え付けている。
Bの先取特権に関する記述について、正誤判定をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
Aが、Bの承諾を得て、本件建物をEに転貸した場合に、Bの先取特権は、Eの備え付けた動産には及ばない。
正解は?
×
今日の1問目です。
設例とともに、簡単な図にして見ます。(簡単にしかできないんですけど。)
*Aさん ←賃借→ Bさん
(電気製品)* ↙承諾
* ↓転貸
*Eさん
(動産あり)
こんな感じですね。
問題前半は良いですよね。前回やっています。
「Aさんが、Bさんの承諾を得て、本件建物をEさんに転貸した場合」
(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 略。
Aさんは、第六百十二条1項の承諾を得て適法に転貸をしているってことです。
そして問題後半では、「Bさんの先取特権は、Eさんの備え付けた動産には及ばない。」と言っています。
ここは、どうなん って問題になります。
転貸に関する条文は前回、2つってのを確認しています。
もう1つが次の条文です。
(転貸の効果)
第六百十三条 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、略。
2 略。
「転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。」
転借人は、転貸人(賃借人)を信頼して借りています。
賃貸人にしてみれば、転借人は転貸人(賃借人)の側の人、つまり、同一視してもおかしくない人ですよね。
この条文もそんなところからくるものでしょうね。
そして、問題は、動産に対する「先取特権」です。
動産に対する「先取特権」の規定を確認してみます。
第三百十四条 賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。
つまり、Bさんの先取特権は、Eさんの備え付けた動産にも及ぶってことです。
問題
Aが本件動産をCから買ったが、まだCに対して代金の支払いがない場合において、本件動産についてCの先取特権がBの先取特権よりも優先する。
正解は?
×
本日の2問目です。
Aさんが購入した動産(電気製品)は、Cさんから購入した物と判明しました。(笑)
「まだCさんに対して代金の支払いがない場合」
つまり、物は受け取ったけど、、、ってことですね。
問題は、次です。
「本件動産についてCさんの先取特権がBさんの先取特権よりも優先する。」
最初にCさんから。
(動産売買の先取特権)
第三百二十一条 動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。
Aさんの支払が無い訳ですから、当然に権利を有します。
次にBさんです。
(不動産賃貸の先取特権)
第三百十二条 不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。
Bさんについても、Aさんの支払が滞るなどした場合に、当然に権利を有します。
ありゃりゃってことですね。
2人して権利を有している訳ですから、、、
んじゃどうすれば ってことなんですが、、、そこは法律、、、きちんと順番が決められてるってことです。
(動産の先取特権の順位)
第三百三十条 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、略。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
2、3 略。
つまり、問題の場合、Bさんの不動産の賃貸は、第一順位、Cさんの動産の売買は、第三順位ってことです。
本件動産について、Bさんの先取特権がCさんの先取特権に優先するってことになります。
問題
本件動産がCの所有物である場合に、本件動産について、Bは、先取特権を即時取得することはできない。
正解は?
×
この問題は、「先取特権の即時取得」についてです。
基本を確認しておきます。
*Aさん ←賃借→ Bさん
(電気製品)
問題では、「Aさんの建物内の電気製品がCさんの所有物」ってことですね。
つまり、電器製品は第三者のものってことです。
(即時取得)
第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
これが即時取得の規定なんですが、
問題では、Bさんは、「本件動産について、先取特権を即時取得することはできない。」と言っている訳です。
どうなんですか ってのがこの問題です。
Aさんが借りてる建物内とは言え、他人の電気製品ですからね、そこんところが問題です。
Bさんの先取特権は、「不動産賃貸の先取特権」です。
これは、今まで問題を見てきていますので問題はありませんよね。
この規定の他に、Bさんの先取特権に関係しそうな規定はないのか
おぉ~、ありますね。。。
「第二款 動産の先取特権」の規定の中にあ~るじゃあ~りませんか。。。
(即時取得の規定の準用)
第三百十九条 第百九十二条から第百九十五条までの規定は、第三百十二条から前条までの規定による先取特権について準用する。
第百九十二条から第百九十五条までの規定
・第百九十二条(即時取得)
・第百九十三条 第百九十四条(盗品又は遺失物の回復)
・第百九十五条(動物の占有による権利の取得)
この3つの規定は、第三百十二条から前条(第三百十八条)までの規定による先取特権について準用するとなっています。
Bさんの先取特権は、「不動産賃貸の先取特権」ですが、、、
・第三百十二条(不動産賃貸の先取特権)
・第三百十三条(不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
この2つを始めに、・第三百十八条までが該当します。
つまり、即時取得をずっぽりと準用しているってことになります。
これは、「賃借人であるAさんの電気製品だ。」と過失なく信頼した賃貸人であるBさんを保護するための規定と言うことです。
実際、普段から使っている電器製品であれば、誰も他人の物だとは思いませんよね。
つまり、「過失なく信頼」するです。
ですので、Bさんは、「即時取得の要件」をみたすことができれば、本件動産について先取特権を即時取得することができるってことになります。
あくまで、「即時取得の要件」をみたすことができれば、先取特権を即時取得することができるです。
ですから、「Bさんは、先取特権を即時取得することはできない。」訳ではありません。
問題
Aがその所有物である本件動産をDに売った場合に、Aの取得する売買代金について、Bは、Dの支払い前に差押えをすれば、先取特権を行使することができる。
正解は?
○
この問題は、「Aさんが、その所有物である本件動産(電気製品)をDさんに売った場合」です。
と言うことは、電器製品をDさんに渡して、Aさんはを受け取るってことですね。
問題では、「Aさんの取得する売買代金について、Bさんは、Dさんの支払い前に差押えをすれば、先取特権を行使することができる。」と言っています。
ようは、先取特権に「物上代位性」はあるのか って問題です。
Aさんから家賃が滞った場合、Aさんが電気製品を売ってお金を受け取る、その代金を代わりにBさんが受け取ることができるか って問題です。
問題に条件らしいものが書かれていますね。
「Bさんは、Dさんの支払い前に差押えをすれば、」
「Dさんの支払い前に差押えをすれば、先取特権を行使することができる。」ってことを問題では言っている訳です。
「支払い前に差押えをすれば、」こんな規定があったような気がしますね。
(物上代位)
第三百四条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2 略。
つまり、Aさんが、本件動産をDさんに売った場合、その売買代金を「支払い前に差押えをすれば」、Bさんは、先取特権を行使することができると言うことです。
問題
Aがその所有物である本件動産をDに売って引き渡した場合に、本件動産について、Bは、先取特権を行使することはできない。
正解は?
○
今日の最後の問題です。
「Aさんが、その所有物である本件動産(電気製品)をDさんに売って引き渡した場合」についてです。
問題では、「本件動産について、Bさんは、先取特権を行使することはできない。」と言っています。
どうでしょうか ってのがこの問題です。
これは単純に考えて良い問題です。
本件動産の現在の状況はどうなっているでしょう
「Dさんに売って引き渡した」
と言うことは、第三者であるDさんの手元にある訳です。
Bさんと何らかの関係がある訳ではありません。
こんな状況下で、Bさんが「その電気製品返して。」って言ったところで、Dさんとしてみれば ってことになりますよね。
Dさん「おっちゃん何言ってんの あんた誰」
まぁ、こんな感じでしょう。(笑)
(先取特権と第三取得者)
第三百三十三条 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
あくまで、「その動産」について行使することができないです。
代金が未払の場合、前の問題でみたように「支払い前に差押えをすれば」代金に対しては、先取特権を行使することができます。
ですか~~~。。。
今日も最後までありがとうございました。
んでまずまた。
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