行政書士試験 平成20年度問41 憲法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

最近、こんな書き方で良いんだろうかはてなマーク と、ときどき思う。

 

行政書士としての品位」がとか行政書士会から言われないだろうかとか。。。

 

でも、「士業」って敷居高くありませんかはてなマーク

 

相談しずらいような、金額高そうな、そして仏頂面して偉そうな話し方が気取ってそうな、、、笑い泣き

 

そんなイメージは、「」。。。

 

ってことで、このまま、自然のままでいきますね。(

 

今日の過去問は、平成20年度問41の問題をやりたいと思います。

 

今日の問題は、宗教法人Xへの解散命令の合憲性に関して、Xの特別抗告に対して下された最高裁判所決定の一節です。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

(宗教法人)法81条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、前記のように、専ら宗教法人の[ ア ]側面を対象とし、かつ、専ら[ ア ]目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・[ イ ]側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということができる。

 

そして・・・(中略)・・・抗告人が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことが明らかである。

 

抗告人の右のような行為に対処するには、抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[ ウ ]かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるXやその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う[ エ ]で事実上のものであるにとどまる。

 

したがって、本件解散命令は、宗教団体であるXやその信者らの精神的・[ イ ]側面に及ぼす影響を考慮しても、抗告人の行為に対処するのに[ ウ ]でやむを得ない法的規制であるということができる。

 

 

(最一小決平成8年1月30日民集50巻1号199頁以下)

 

 

 

いつものごとくサラッと目を通しましょう。

 

この問題は、宗教法人オウム真理教に対する宗教法人の解散命令(宗教法人法第八十一条)が、信者の信教の自由(憲法二十条1項)等を侵害しないかが問題となったものです。
 

あ、問題でわざわざ「」ってしてるの書いちゃった。。。

 

判例を読めばわかることですしね。

 

平成8(ク)8 宗教法人解散命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告 平成8年1月30日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所

 

最初に関係する条文を確認しておきます。

 

宗教法人法

解散命令

第八十一条 裁判所は宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権でその解散を命ずることができる

 法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと

 第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。

三~五 略。

2~7 略。

 

宗教団体の定義

第二条 この法律において「宗教団体」とは宗教の教義をひろめ儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること主たる目的とする左に掲げる団体をいう

一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体

二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体

 

この裁判で問題となったのが宗教法人法第八十一条1項号と」です。

 

日本国憲法

第二十条 信教の自由は何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2、3 略。


それでは、順に確認していきましょう。

 

 

 

[ ア ]と[ イ ]は?

[ ア ]は、「世俗的」、[ イ ]は、「宗教的」

 

 

 

[ ア ]と[ イ ]から順に確認して行きますね。

 

[ ア ]は2ヶ所、[ イ ]も2ヶ所です。

 

宗教法人の解散命令の制度は、前記のように、専ら宗教法人の[ ア ]側面を対象とし、かつ、専ら[ ア ]目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・[ イ ]側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的である

 

もう一つの[ イ ]も同じく「精神的・[ イ ]側面」です。

 

ですので、[ イ ]は、実質1ヶ所です。

 

内容を検討するに、宗教法人の解散命令の制度は

 

専ら宗教法人の[ ア ]側面を対象とし、かつ、専ら[ ア ]目的によるものであって

 

宗教団体や信者の精神的・[ イ ]側面に容かいする意図によるものではない

 

この2つから[ ア ]と[ イ ]は、対象とすべきものが違うよってのが解りますよね。

 

判例を読んでみるとどうやら第一条が絡んでいるようです。

 

最初に[ ア ]から確認してみます。

 

この法律の目的

第一条 この法律は宗教団体が礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする

2 憲法で保障された信教の自由すべての国政において尊重されなければならない従つてこの法律のいかなる規定も個人集団又は団体がその保障された自由に基いて教義をひろめ儀式行事を行いその他宗教上の行為を行うこと制限するものと解釈してはならない

 

第一条1項に「宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。」とあります。

 

これを受けて、第四条により宗教団体に法人格を付与することができるんですね。

 

法人格

第四条 宗教団体はこの法律により法人となることができる

2 この法律において宗教法人とはこの法律により法人となつた宗教団体をいう

 

つまり、宗教法人法による規定は、専ら宗教団体の一般的な側面だけを対象としていると言うことです。

 

宗教団体が、施設その他の財産を所有したり、維持運用したり、その目的達成のための業務及び事業を運営するためにあると言うことです。

 

ただ、ここの[ ア ]の選択肢には、「一般的」はありません。

 

同じ意味合いを有するものと言うことになります。

 

世俗的=世間一般に見られるさま。世間で普通であるさま。俗っぽいさま。

 

と言うことで、[ ア ]は、「世俗的」です。

 

 

次に、[ イ ]ですが、、、

 

宗教団体や信者の精神的・[ イ ]側面に容かいする意図によるものではない

 

容かい容喙)=横から口を出すこと。くちばしを入れること。

 

容かいの「意味」が解ると[ イ ]は、解りますね。

 

宗教団体や信者精神的・[  ]側面」ですから、[ イ ]は、「宗教的」です。

 

つまり、宗教法人法による規定は、専ら宗教団体の世俗的側面だけを対象とし、その精神的・宗教的側面には口を挟まないと言うことです。

 

これは、第一条の2項を読んでも確認できる内容ですね。

 

宗教法人法は、信者が宗教上の行為を行うことなどの「信教の自由に介入するものではないと言うことです。

 

 

 

[ ウ ]は?

必要

 

 

 

次に、[ ウ ]を確認してみます。

 

[ ウ ]は、2ヶ所です。

 

抗告人の右のような行為に対処するには、抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[ ウ ]かつ適切であり、」

 

したがって、本件解散命令は、宗教団体であるXやその信者らの精神的・[イ:宗教的]側面に及ぼす影響を考慮しても、抗告人の行為に対処するのに[ ウ ]でやむを得ない法的規制であるということができる。」

 

この判例の「オウム真理教」は、毒ガスのサリンを生成しました。

 

その事件が「宗教法人法第八十一条1項一号と二号」で問題になった訳です。

 

一 法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと

二 第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は略

 

第二条の宗教団体の目的とははてなマーク

 

第二条 「宗教団体とは宗教の教義をひろめ儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること主たる目的とする団体をいう。

 

毒ガスのサリンの生成」は、あきらかに法第八十一条1項一号と二号(第二条)に違反した行為です。

 

そして、[ ウ ]は、

 

抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[  ]かつ適切であり、」

 

抗告人の行為に対処するのに[  ]でやむを得ない法的規制である

 

この内容です。

 

ここの[ ウ ]は、「必要」しかありませんね。

 

必要かつ適切」とか、「必要かつ合理的」とか、「必要でやむを得ない」、判例ではよく使われる言い回しです。

 

 

 

[ エ ]は?

間接的

 

 

 

最後に、[ エ ]を確認してみます。

 

[ エ ]は、1ヶ所です。

 

抗告人の右のような行為に対処するには

 

抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[ウ:必要]かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるXやその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う[ エ ]で事実上のものであるにとどまる。」

 

まず、「宗教法人を解散し、その法人格を失わせることは[ウ:必要]かつ適切」であると言うこと。

 

その理由は、

 

宗教法人が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害する、目的を著しく逸脱した行為をしたことが原因

 

つまり、宗教上の教義がどうこうではなく法人の行った行為が悪いことだったから、「一般的には罰せられますよね。」と言うことです。

 

そして、罰せられて解散した結果宗教活動に支障が生じたとしても宗教活動に直接的に支障を与えるためになされた解散ではなくあくまでも罰せられたこと」、つまり、「間接的に支障が生じたと言うことです。

 

ですので、[ エ ]は、「間接的」です。

 

 

 

参照

 

「(宗教法人)法81条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、前記のように、専ら宗教法人の[ア:世俗的]側面を対象とし、かつ、専ら[ア:世俗的]目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・[イ:宗教的]側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということができる。そして・・・(中略)・・・抗告人が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことが明らかである。抗告人の右のような行為に対処するには、抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[ウ:必要]かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるXやその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う[エ:間接的]で事実上のものであるにとどまる。したがって、本件解散命令は、宗教団体であるXやその信者らの精神的・[イ:宗教的]側面に及ぼす影響を考慮しても、抗告人の行為に対処するのに[ウ:必要]でやむを得ない法的規制であるということができる。」
 

 

(最一小決平成8年1月30日民集50巻1号199頁以下)

 

 

1 直接的  2 間接的  3 積極的  4 消極的  5 明白  6 具体的  7 抽象的  8 容易  9 中立的  10 宗教的  11 可能  12 政治的  13 支配的  14 指導的  15 必要  16 社会的  17 裁量的  18 手続的  19 世俗的  20 有効

 

 

宗教法人は特別なものではなく社会に属するかぎりは会社等と同じ世間一般から認められる団体でなければならないってのが根本です。

 

そして、「教義云々ではなく悪いことをすれば罰せられるし、その結果解散することにより信者らの精神的・宗教的側面に影響が及ぶことがあってもあくまでも「間接的で事実上」のものである限りやむを得ないことって言う裁判所の判断です。

 

 

今日も最後まで有難うございました。

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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