こんにちは。
10月に入りましたね。
日に日に試験日が近くなる訳ですが、焦ることなく普段通りに学習を継続しましょう。
そして、いつも引っ掛る問題は、リストアップしておきましょうね。
間違う問題を自分で知っていることで、その問いを意識に植え付けることができます。
これは結構有効だと思いますよ。
今日の過去問は、平成23年度問55の問題を○×式でやりたいと思います。
情報公開法と行政機関個人情報保護法の比較問題です。
それでは、早速。
問題
情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者を過料に処する旨の定めが存在する。
正解は?
×
今日の問題は、情報公開法と行政機関個人情報保護法の比較問題ですね。
以前にもチラッと比較したものがありましたよね。
この問題は、「偽りその他不正の手段により、情報開示を受けた者」についての罰則規定についてです。
早速、条文を確認してみましょう。
最初に、情報公開法からです。
う~ん、情報公開法には罰則の規定が見当たりませんね。
罰則の規定は、「ない」と言うことのようです。
情報公開法を確認してみると
(開示請求権)
第三条 何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。
開示請求を出来るのは「何人も、」となっています。
と言うことは、誰でも開示請求を出来る訳ですから、わざわざ「偽りその他不正の手段」を犯してまでする必要はない訳ですね。
次に、行政機関個人情報保護法を見てみますね。
おぉ~、行政機関個人情報保護法には第六章罰則と言うのがありますね。
行政機関個人情報保護法
第五十七条 偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、十万円以下の過料に処する。
これは問題とほぼほぼ同じ内容ですね、「十万円以下の過料」に処すると規定されています。
と言うことで、
罰則規定
情報公開法 ×
行政機関個人情報保護法 ○
問題
情報公開法及び行政機関個人情報保護法との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されている。
正解は?
○
この問題は、どちらの法律にも関連するもので「不服申立てを調査審議する機関」として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されていると書かれています。
この辺の規定は何に書かれているんでしょうかね。
情報公開・個人情報保護審査会設置法
(設置)
第二条 次に掲げる法律の規定による諮問に応じ審査請求について調査審議するため、総務省に、情報公開・個人情報保護審査会(審査会)を置く。
一 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第十九条第一項
二 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 第十九条第一項
三 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 第四十三条第一項
四 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 第四十三条第一項
情報公開法は、第二条一号、行政機関個人情報保護法は、第二条三号です。
情報公開法
(審査会への諮問)
第十九条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
一 審査請求が不適法であり、却下する場合
二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る行政文書の全部を開示することとする場合
2 略。
行政機関個人情報保護法
(審査会への諮問)
第四十三条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
一 審査請求が不適法であり、却下する場合
二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとする場合
三 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場合
四 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとする場合
2 略。
審査会は、「総務省」に置かれていると言うのは記憶しておきましょうね。
情報公開・個人情報保護審査会の設置
情報公開法 ○
行政機関個人情報保護法 ○
問題
情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在する。
正解は?
○
存否応答拒否の制度
これは意味的には使用されている字がそのままあてはまる制度です。
存否応答拒否の制度=開示請求に対し、文書、情報等が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、その存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる制度。
早速、情報公開法から条文を確認してみますね。
情報公開法
(行政文書の存否に関する情報)
第八条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
ありますね、応答すべきは「行政文書」です。
次に、行政機関個人情報保護法です。
行政機関個人情報保護法
(保有個人情報の存否に関する情報)
第十七条 開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
応答すべきは「保有個人情報」ですね。
これは、よくよく見ると条文の違いは応答すべきものだけですね。
それぞれに規定ありと言うことです。
存否応答拒否の制度
情報公開法 ○
行政機関個人情報保護法 ○
問題
各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受ける一方で、個人情報保護については個別に条例を定めて対応している。
正解は?
×
この内容は以前見た記憶が。。。
ありますよね
あれっ、違ったかな、ちょっと曖昧ですが、情報公開法も行政機関個人情報保護法も適用を受けるのは、国の行政機関です。
情報公開法
(定義)
第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法第四十九条第一項及び第二項に規定する機関
三 国家行政組織法第三条第二項に規定する機関
四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条の特別の機関で、政令で定めるもの
五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
六 会計検査院
2 略。
この内容とすっかり同じ内容で、行政機関個人情報保護法では、第二条第1項一号~に定義の規定があります。
どちらの法律も適用を受けるのは「国の行政機関」と言うことですね。
ですので、各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受けている訳ではありません。
それでは、各地方公共団体はどのように
情報公開法
(地方公共団体の情報公開)
第二十五条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。
情報公開法には、地方公共団体は、情報公開法の趣旨にのっとり、「その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するように努めなければならない。」と規定されています。
この定めに従って、個別に情報公開条例が各地方公共団体で制定されていると言うことになります。
こう言った定めは行政機関個人情報保護法にはありません。
それでは、個人情報に関する地方公共団体の根拠規定は、、、
個人情報保護法
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その地方公共団体の区域の特性に応じて、個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
各地方公共団体の個人情報保護条例の根拠は、「個人情報保護法」によるものですね。
ですので、いずれの法律も個別に情報公開条例や個人情報保護条例などを定めて対応していると言うことになります。
地方公共団体
情報公開法 ×
個人情報保護条例 ○
問題
行政機関個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」は、情報公開法のそれと同じ概念である。
正解は?
○
この問題では、「行政機関個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」」が、情報公開法の「行政文書」と同じ概念だと言っています。
早速、情報公開法の「行政文書」について確認してみます。
情報公開法
(定義)
第二条
1 略。
2 この法律において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
一 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
二 公文書等の管理に関する法律 第二条第七項に規定する特定歴史公文書等
三 政令で定める研究所その他の施設において、政令で定めるところにより、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
情報公開法の「行政文書」は、除外規定はありますが、「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの」と規定していますね。
問題では、これと同じと言っていますが。。。
行政機関個人情報保護法
(定義)
第二条
1~4 略
5 この法律において「保有個人情報」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、当該行政機関の職員が組織的に利用するものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。ただし、行政文書(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(行政機関情報公開法)第二条第二項に規定する行政文書をいう。)に記録されているものに限る。
6~11 略。
第二条第5項ただし書きに、「行政文書に記録されているものに限る。」と書かれております。
そしてその「行政文書」とは、( )書きに「情報公開法第二条第2項に規定する行政文書をいう。」と書かれていますので、両法の「行政文書」は同じ概念と言うことになります。
う~ん、長かったですね、今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
ここを押した方が良いって誰かが言ってた。。。
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