こんにちは。
今日は記述式です。
記述式も随分とこなしてきました。
ただ、やっているのはあくまでも過去問です。
内容を理解することに勤め、いろんなケースで説明できると言うことを意識しながら学習しましょう。
これは、多肢選択式も単に○×で解答すると言うことではなく、「○○○だから○」、「○○○だから×」と説明することを意識して学習すると言うことです。
過去問の解答を単なる○×でマッチングさせることを目的とする訳ではありませんからね。
今日の過去問は、平成22年度問45の問題をやってみようと思います。
それでは、早速。
問題
Aは、Bから金銭を借り受けたが、その際、A所有の甲土地に抵当権が設定されて、その旨の登記が経由され、また、Cが連帯保証人となった。その後、CはBに対してAの債務の全部を弁済し、Cの同弁済後に、甲土地はAからDに譲渡された。この場合において、Cは、Dを相手にして、どのような権利の確保のために、どのような手続きを経た上で、どのような権利を行使することができるか。40字程度で記述しなさい。
最初にいつものように内容を確認してみますね。
この問題は、AさんがBさんからを借りたところから始まります。
を借りたと言うことは返済の担保になるようなものを提供しなければなりませんね。
そこで、Aさん所有の甲土地に抵当権を設定して、その旨の登記をしたようです。
また、Cさんが連帯保証人になりました。
Bさんとしては、抵当権の設定とCさんに連帯保証人になって頂いたことで安心してを貸すことができますよね。
これだけの手続を踏むと言うことはかなりの額と言うことなんでしょう。
その後、連帯保証人のCさんがBさんに対して、Aさんの債務の全部を弁済しています。
Cさんが代わりに「完済した。」と言うやつです。
Cさんが弁済した後に、甲土地はAさんからDさんに譲渡されたようです。
このケースで、Cさんは、Aさんから甲土地を譲渡されたDさんを相手に、「どのような権利の確保のために」、「どのような手続きを経た上で」、「どのような権利を行使することができるか」を聞いています。
親切ですね、三つ書けと指定しています。
1.どのような権利の確保のために
2.どのような手続きを経た上で
3.どのような権利を行使することができるか です。
この問題、1.と3.は「あれ」ってのが直ぐ出てくるんではないでしょうか
問題は2.かなと。。。
ただ、2.も聞いたことがあるものだと思うんですが、あてはめて出てくるかというところになるのかなと思います。
それでは、考えてみましょう。
1.は、「どのような権利の確保のために」です。
これは大丈夫ですね。
CさんがAさんの代わりに債務を弁済している訳ですから、Aさんに対して取得するものがありますよね。
○○権
求償権
次に、3.を見てみます。
3.は、「どのような権利を行使することができるか」です。
Aさんは、を借りるときに甲土地に抵当権を設定しています。
連帯保証人のCさんは、Aさんが返済すべきをBさんに代わりに弁済しています。
と言うことは、考え方としては連帯保証人のCさんはBさんと「入れ替わった」とみることは出来ませんか
これは条文を確認すればよく解るんですが、こんなイメージと言うことです。
とすると連帯保証人のCさんが行使できるのは、、、
○○権
抵当権
最後に、問題の2.です。
2.は「どのような手続きを経た上で」です。
連帯保証人のCさんは、代わりに弁済しています。
と言うことは、債権者のBさんに○○する訳です。
○○
代位
う~ん、ここは説明が難しい。。。最後の解説で理解して下さいね。。。
さぁ、考えてみましょうね
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・
作成できたら正解例を確認してみましょう。
正解例
Cは求償権確保のために、登記に代位の付記手続きをした上でBの抵当権を行使することができる。(45字)
試験センターの正解例
求償権の確保のために、代位の付記登記手続きを経た上で、抵当権を行使することができる。(41字)
参考
それでは、1.から見ていきますね。
「どのような権利の確保のために」
CさんはAさんの連帯保証人です。
と言うことは、Aさんが弁済できなかったときには代位弁済する地位にいる訳です。
問題では、現実に代わりに弁済していますね。
弁済して「終わり」ではCさんは自分が借りてもいないのに、Aさんが借りたを返済しただけで損をしてしまいますよね。
そこで、Aさんに代わりに弁済したから「返してけろ。」ってCさんは言える訳です。
これが、「求償権」です。
(委託を受けた保証人の求償権)
第四百五十九条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。
2 略。
この求償権は、日常的にも使われていますから解りやすいですよね。
弁当買うのに500円借りた、、、当然、貸した人は奢る訳でなければ500円返してもらいますよね、それと同じです。
次に2.と3.です。
これは条文を確認するとよく解ります。
先ほどからCさんは連帯保証人ってのを書いています。
(法定代位)
第五百条 弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。
これは判例知識ですが、「弁済をするについて正当な利益を有する者」に「連帯保証人」はあてはまります。
と言うことは、「弁済によって当然に債権者に代位する。」訳です。
そして、弁済による効果ですが、、、
(弁済による代位の効果)
第五百一条 前二条の規定により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。この場合においては、次の各号の定めるところに従わなければならない。
一 保証人は、あらかじめ先取特権、不動産質権又は抵当権の登記にその代位を付記しなければ、その先取特権、不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三取得者に対して債権者に代位することができない。
二~六 略。
1項を問題にあてはめてみますね。
[債権者に代位した者]Cさんは、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその[債権者]Bさんが有していた一切の権利を行使することができる。
ここで言うBさんが有していた一切の権利とは、「抵当権」です。
ですので、「抵当権を行使できる」と言うことですね。
そして条文1項には続きがあります。
権利を行使する場合、次の各号の定めるところに従わなければならない。
対象となる一号を問題に当てはめてみます。
[保証人]Cさんは、あらかじめ抵当権の登記にその代位を付記しなければ、その抵当権の目的である不動産(甲土地)の[第三取得者]Dさんに対して[債権者]Bさんに代位することができない。
つまり、Cさんは、抵当権の登記に代位を付記しないとDさんに対して抵当権を使えないということです。
1.どのような権利の確保のために (求償権)
2.どのような手続きを経た上で (代位の付記手続き)
3.どのような権利を行使することができるか (抵当権を行使)
これらを組み合わせて解答することになります。
1.は問題無いと思いますが、2.と3.は出来れば問題にそって書いた方が良いと思います。
2.は、「どのような手続き」ですから、登記に「代位の付記手続き」が良いんではないかと思います。
3.は、「どのような権利を行使」ですから、抵当権の実行ではなく「抵当権の行使」が良いと思われます。
基本はオウム返しすることです。
今日も最後までお読みいただき有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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