こんにちは。
今週は、ちょっと気疲れしました。
日頃から規則正しい生活を心掛けないといけませんね。
身体は正直で、ちゃんと信号を送ってくれます。
今年は信号を受け止めると決めているので、きちんと最後までケアしたいと思っております。
皆さんも体調管理には注意して下さいね
今日の過去問は、平成18年度問8の問題を○×式でやりたいと思います。
公法と私法が交錯する領域に係る問題となっておりますが、判例問題です。
見たことがあるものもありますが、最高裁の考えるところを理解しましょう。
それでは、早速。
問題
海岸線の変動により、従来私人の所有であった土地が海面下に沈んだ場合には、私人の土地所有権は自動的に滅失するというのが最高裁の判例である。
正解は?
×
一問目から興味深いですね。
なかなか考えが及びませんが、あり得る話ですよね。
地震なんかも多いですし、陥没や山崩れなど土地の形状が変わることはあります。
問題では、「海岸線の変動」で、私有地が「海面下」に沈んでしまったってことのようですが、、、
「自動的に滅失する」んでしょうか
昭和55(行ツ)147 土地滅失登記処分取消 昭和61年12月16日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 名古屋高等裁判所
ちなみに、私有の陸地が自然現象により海没した場合についても、当該海没地の所有権が当然に消滅する旨の立法は現行法上存しないから、当該海没地は、人による支配利用が可能でありかつ他の海面と区別しての認識が可能である限り、所有権の客体たる土地としての性格を失わないものと解するのが相当である。
ポイントは、
人による支配利用が可能+他の海面と区別しての認識が可能
この場合に、「所有権の客体たる土地としての性格を失わない」と判断しています。
「自動的に滅失しない」と言うことですね。
問題
公営住宅に世帯主として入居している者が死亡した場合、その相続人が低所得者であるときには、入居関係は相続させなければならないとするのが最高裁の判例である。
正解は?
×
この問題のケースもあり得ますね。
まぁ、だから判例がある訳なんですが、裁判官の方って大変ですよね。
判決を下すことで後々にそれが基準となっていく訳ですから。。。
「慎重のうえにも慎重を期す」と言うことで職務に当たると言うことですね。
裁判官の方って冗談とか言うんでしょうかね
プライベートが想像つきません。
判例は、以下のものです。
平成2(オ)27 建物明渡 平成2年10月18日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
公営住宅法は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするものであって(一条)、そのために、公営住宅の入居者を一定の条件を具備するものに限定し(一七条)、政令の定める選考基準に従い、条例で定めるところにより、公正な方法で選考して、入居者を決定しなければならないものとした上(一八条)、さらに入居者の収入が政令で定める基準を超えることになった場合には、その入居年数に応じて、入居者については、当該公営住宅を明け渡すように努めなければならない旨(二一条の二第一項)、事業主体の長については、当該公営住宅の明渡しを請求することができる旨(二一条の三第一項)を規定しているのである。
以上のような公営住宅法の規定の趣旨にかんがみれば、入居者が死亡した場合には、その相続人が公営住宅を使用する権利を当然に承継すると解する余地はないというべきである。
「入居関係は、当然には承継しない」
公営住宅を使用する権利は「相続はしない」と言うことです。
相続は、権利義務を承継する訳ですから、これは例外になるってことなんでしょうね。
問題
建築確認は、その土地について私法上の権原がある者により申請される必要があるから、権原なき者によって申請された場合には、そのことを理由として却下することができるというのが最高裁の判例である。
正解は?
×
建築確認ですね。
建築確認=建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為。
以前、判例で、「それを受けなければ右工事をすることができないという法的効果を付与されているにすぎない。」と言うのも確認しましたよね。
この建築確認は、建築主事が行うんですが、法令の規定等に適合するものかどうかを判断し、それを確定する行為です。
基本的に、そこに裁量の余地は認められません。
それと、「その土地について私法上の権原がある者により申請される必要がある」訳ではなく、実務上は、「誰の土地であっても」確認申請をすることはできるとされています。
これは、建築確認は建築しようとしている建物が「建築法規に適合」しているかどうかを確認するものであり、敷地の利用関係を調査するものではないからと言うことですね。
「敷地の利用関係を調査するもの」であれば、「その土地について私法上の権原がある者により申請される必要がある」訳ですけど、建築確認は、「法令の規定等に適合する」かどうかを確認するだけで「目的」が違いますから。
そのため、建築確認の目的とは関係のない「その土地について私法上の権原があること、無いことを理由」として、確認申請を却下することはできませんし、そう判断した最高裁の判例もありません。
問題
現実に開設されている私道を日常的に利用する利益は反射的利益であり、敷地所有者に対して通行妨害排除の民事訴訟を提起する利益とはなりえないとするのが最高裁の判例である。
正解は?
×
むか~し、思い当たる節が。。。
小学校に通うのに他所様の敷地を通ってましたね。
敷地を抜けて畑に出て、ドブ川を渡って通りに出て。。。
今、考えれば、近道ってだけで遠回りすれば通えたんですが、良い人だったのか何も言われませんでしたね。
隣近所だし言ってもってのがあったのかも知れませんが、近所の友達三人で仲良く通わせていただきました。
ちょっと懐かしく、思い出しました。
平成8(オ)1361 通行妨害排除 平成9年12月18日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
建築基準法四二条一項五号の規定による位置の指定(以下「道路位置指定」という。)を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである。
私の思い出の単なる近道とは内容が違いますが、敷地所有者に対して通行妨害排除の民事訴訟を提起する「利益となる」と言うことですね。
ただし、「敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情」がある場合は別だよとも言っています。☚ここ注意ですね。
問題
防火地域に関する建築基準法の規定は、民法の相隣規定に関する特別法として適用されるとするのが最高裁の判例である。
正解は?
○
これは大丈夫ですよね。
言うまでもなく、建築に関しての相隣規定は、民法は「一般法」、建築基準法は「特別法」です。
特別法が優先されますよね。
昭和58(オ)1413 建物収去等請求事件 平成元年9月19日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所
建築基準法六五条は、防火地域又は準防火地域内にある外壁が耐火構造の建築物について、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる旨規定しているが、これは、同条所定の建築物に限り、その建築については民法二三四条一項の規定の適用が排除される旨を定めたものと解するのが相当である。
民法
(境界線付近の建築の制限)
第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 略。
建築基準法
(隣地境界線に接する外壁)
第六十五条 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
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