行政書士試験 平成25年度問31 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

今日は民法です。

 

民法は問題がちょっと長めなのでいつも苦労します。

 

本試験は、1ページで、すべての肢が確認できますからね。

 

大きな違いです。

 

問題を記憶しながら検討しましょう。。。

 

今日の過去問は、平成25年度問31の問題○×式でやりたいと思います。

 

契約の解除に関し、民法の規定及び判例に照らして○×れって問題です。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

AとBが、その共有する建物をCに売却する契約を締結したが、その後、AとBは、引渡し期日が到来してもCに建物を引き渡していない。Cが、当該売買契約を解除するためには、Aに対してのみ解除の意思表示をするのでは足りない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

この問題は、AさんとBさん共有の建物Cさんに売却する契約を締結したと言うお話です。

 

本来、売買契約は1対1、1社対1、1社対1社などが多いと思いますが、この問題は共有物ですので2対1での契約です。

 

AさんとBさんは、引渡し期日が到来してもCさんには建物を引き渡していないようですが。。。

 

こんな状況下で、買主のCさんが解除権を行使する場合について聞かれています。

 

問題では、「買主Cさんが売買契約を解除するにはAさんに対してのみ解除の意思表示をするのでは足りない。」はてなマークと言っていますが。。。

 

売主は二人ですし、どうなんでしょうね。

 

解除権の不可分性

第五百四十四条 当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除はその全員から又はその全員に対してのみすることができる

2 前項の場合において、解除権が当事者のうちの一人について消滅したときは、他の者についても消滅する

 

解除の不可分性と言うやつですね。

 

1項に書いてあります。

 

当事者の一方が数人ある場合=その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。

 

今回のケースは売主が二人ですので、CさんはAさんとBさんの両方に対してしなければならないと言うことです。

 

共有物ですので持分がありますが、契約内容は共有する建物の売却契約です。

 

持分を購入する契約を締結している訳ではありませんから、一人に対する解除では足りないと言うことです。

 

建物1棟ですので、二人にするということですね。

 

 

 

問題

Aが、その所有する土地をBに売却する契約を締結し、その後、Bが、この土地をCに転売した。Bが、代金を支払わないため、Aが、A・B間の売買契約を解除した場合、C名義への移転登記が完了しているか否かに関わらず、Cは、この土地の所有権を主張することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

内容を確認してみますね。

 

1.Aさんが自己所有地をBさんに売却する契約を締結

2.BさんがCさんに購入した土地を転売した

3.Aさんは、Bさんが代金を支払わないため売買契約を解除した

 

こんな感じですね。

 

そこで聞かれている内容は、Cさんは、「C名義への移転登記が完了しているか否かに関わらず土地の所有権を主張することができる」のかはてなマークと言うことです。

 

内容を確認するとAさんは、BさんがCさんに転売したに解除しているのがわかります。

 

Cさんは、契約解除前の第三者と言うことになります。

 

これは、いろいろと絡んだ問題ですね。

 

まず、Aさんが解除権を行使するとどうなりますかはてなマーク

 

解除の効果

第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負うただし第三者の権利を害することはできない

2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない

3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない

 

当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負います

 

ですが、この問題では契約解除に第三者のCさんが転売相手として登場しております

 

と、ここで注目されるのが1項の但し書き規定です。

 

「ただし、第三者の権利を害することはできない。」

 

Cさんは、第三者として保護されるのかはてなマーク

 

この第三者として保護されるためには、善意や悪意は問われません

 

ですが、保護されるには対抗要件を具備していることが必要です。

 

昭和31(オ)32 不動産所有権移転登記手続等請求 昭和33年6月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所

 

第三者が本件のように不動産の所有権を取得した場合その所有権について不動産登記の経由されていることを必要とするものであつて、もし右登記を経由していないときは第三者として保護するを得ないものと解すべきである。

 

不動産に関する物権の変動の対抗要件

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ第三者に対抗することができない

 

この問題は、土地(不動産の売買ですので対抗要件は登記です。

 

解除前の第三者であるCさんは、Cさん名義への移転登記が完了していなければ、この土地の所有権をAさんに対して主張することはできないと言うことになります。

 

 

 

問題

Aが、その所有する建物をBに売却する契約を締結したが、その後、引渡しまでの間にAの火の不始末により当該建物が焼失した。Bは、引渡し期日が到来した後でなければ、当該売買契約を解除することができない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は普通に考えて良い問題です。

 

普通にはてなマーク

 

売主Aさんと買主Bさんで建物を売却する契約を締結しています。

 

そして、売主Aさんのメラメラ不始末により引渡し前に建物が焼失してしまいました。

 

問題は、「買主Bさんは、引渡し期日が到来したでなければ、当該売買契約を解除することができない。」のかはてなマークと言うことです。

 

メラメラ家は、引渡し期日まで待っても元通りには戻りませんよね。

 

社会通念上履行が不能な訳です。

 

履行不能による解除権

第五百四十三条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者契約の解除をすることができるただしその債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない

 

1項ですね。

 

履行不能によるものですので、Bさんは、引渡し期日がこなくても契約を解除することができます

 

 

 

問題

Aが、その所有する建物をBに売却する契約を締結したが、その後、引渡し期日が到来してもAはBに建物を引き渡していない。Bが、期間を定めずに催告した場合、Bは改めて相当の期間を定めて催告をしなければ、当該売買契約を解除することはできない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

内容を確認してみます。

 

1.Aさんが自己所有の建物をBさんに売却する契約を締結

2.Aさんは引渡し期日が来てもBさんに建物を引き渡していません

3.Bさんは期間を定めず催告した

 

こんな感じです。

 

そして聞かれていることは、「Bさんは改めて相当の期間を定めて催告をしなければ、当該売買契約を解除することはできない。」のかはてなマークと言うことです。

 

これは、引渡し期日が来ても建物を引き渡していませんので、履行遅滞と言うやつですね。

 

履行期と履行遅滞

第四百十二条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者その期限の到来した時から遅滞の責任を負う

2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う

3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う

 

引渡し期日が来てもとありますので、確定期限ですね。

 

1項にあるように、「債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。」ことになります。

 

ただ、その後です。

 

Bさんが解除をするにははてなマークが問われています。

 

一度、Bさんは期間を定めずに催告しています

 

改めて相当の期間を定めて催告をしなければならないのかはてなマークと言うことですね。

 

定期行為を除き、履行遅滞の解除権の条文は以下のものだけです。

 

履行遅滞等による解除権

第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をしその期間内に履行がないときは、相手方は契約の解除をすることができる

 

履行遅滞の場合、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができると定めています。

 

問題では、相当の期間を定めてはいませんが。。。

 

このケース、判例では、相当の期間を定めずに催告した場合でも催告の時から相当期間を経過してもなお履行がなければ契約を解除することができると判示しています。

 

昭和43(オ)1355 建物収去土地明渡等請求 昭和44年4月15日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 

債務不履行を理由とする契約解除の前提としての催告に定められた期間が相当でない場合であつても債務者が催告の時から相当の期間を経過してなお債務を履行しないときには、債権者は契約を解除することができるものと解すべきである。

 

改めて催告しなくても契約解除はできると言うことです。

 

ちなみにスルーしてきましたが、解除権の行使による解除の効果第五百四十五条に書かれていますが、損害賠償の請求を妨げないとなっております。

 

Aさんに対してBさんは損害賠償もできると言うことですね。

 

 

 

問題

Aが、B所有の自動車をCに売却する契約を締結し、Cが、使用していたが、その後、Bが、所有権に基づいてこの自動車をCから回収したため、Cは、A・C間の売買契約を解除した。この場合、Cは、Aに対しこの自動車の使用利益(相当額)を返還する義務を負う。

 

 

 

正解は?

 

 

 

この問題はAさんがBさん所有の車をCさんに売却する契約を結んでいます。

 

他人物売買ですね。

 

この他人物売買、初めて見た時、「えっ。」って思った記憶があります。

 

こんなこと勝手にして良いのはてなマーク

 

しかも、使用利益を持主Bさんじゃなくて赤の他人のAさんに払うなんて。。。

 

しかも条文までちゃんとあるし、どうなってんのはてなマーク 意味わからんって感じでした。真顔

 

 

知ってそうな人に素直に質問したつもりでしたが、えらい不機嫌に返事を頂いた記憶がありますガーン

 

当たり前ですが、ものを知っていること優しさや親切心ってのは全然別なんだなと思い知らされた出来事でした。

 

 

あ、当時を思い出したもんで、、、本題に戻しますね。

 

Cさんが使用中に、Bさんが所有権に基づいて車をCさんから回収しています。

 

と言うことは、AさんはBさんから車を取得してCさんに渡すことが出来なかったと言うことですね。

 

他人の権利の売買における売主の義務

第五百六十条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主その権利を取得して買主に移転する義務を負う

 

と言うことは、売主Aさんは、自己に帰責性なく、買主に移転する義務を履行できていませんので担保責任を追わなければなりません

 

他人の権利の売買における売主の担保責任

第五百六十一条 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない

 

この条文ですね。

 

買主Cさんは契約の解除をすることができます。

 

と言うことは、二問目で見ましたが解除権行使に伴い現状を回復しなければなりません

 

AC間の契約は初めからなかったことになる訳ですから。

 

Cさんは車を使用していた訳です。

 

Cさんには使用していたことによる利益がありますよね。

 

使用利益、ようは、もしAC間での契約がなければCさんは車を使用することができず、レンタ車などを借りなければならなかったはずですよね。

 

これは、無料ではありませんよね、お金を払うはずです。

 

この分が使用利益です

 

昭和49(オ)1152 損害賠償請求 昭和51年2月13日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所

 

売買契約が解除された場合に、目的物の引渡を受けていた買主は、原状回復義務の内容として、解除までの間目的物を使用したことによる利益を売主に返還すべき義務を負うものであり、この理は、他人の権利の売買契約において売主が目的物の所有権を取得して買主に移転することができず民法五六一条の規定により該契約が解除された場合についても同様であると解すべきである。けだし、解除によつて売買契約が遡及的に効力を失う結果として、契約当事者に該契約に基づく給付がなかつたと同一の財産状態を回復させるためには買主が引渡を受けた目的物を解除するまでの間に使用したことによる利益をも返還させる必要があるのであり、売主が目的物につき使用権限を取得しえずしたがつて買主から返還された使用利益を究極的には正当な権利者からの請求により保有しえないこととなる立場にあつたとしてもこのことは右の結論を左右するものではないと解するのが相当だからである

 

買主であるCさんにも原状回復義務が生じることにより、結果、給付された物(車)から生じた使用利益を返還する必要が出てくると言うことです。

 

 

最後に、、、

 

私が質問した内容は、持主Bさんのことです。

 

そこまで突っ込む必要はあるのかはてなマークってのはありましたが、問題からはうかがえませんよね。

 

Bさんは使われっぱなしで、利益はAさんでは納得できなかったもんで。。。

 

まぁ、結論は、判例にも書かれていますけどね。

 

買主から返還された使用利益を究極的には正当な権利者からの請求により保有しえないこととなる立場にあつたとしても」ですね。

 

 

今日は長くなりましたが、最後まで有難うございました。

 

今日のところはここまでです。

 

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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