こんにちは。
先日、こんな言葉をみかけました。
「負ける人のおかげで勝てる人がいる。」って内容でした。
勝負事は、確かにそうですよね。
ボクシングは勝者がいれば、敗者がいる、野球やサッカーも、まぁ、引き分けもありますが大体はそうです。
この試験は、基準点に達すれば全員合格もあり得るんですよね。
やった結果、基準点に達すれば、、、
基準点に達するように、日々の学習を継続しましょう!
今日の過去問は、平成18年度問21の問題を○×式でやりたいと思います。
それでは、早速。
問題
自治事務の執行の経費は、都道府県が負担するのが原則であるが、法定受託事務の執行の経費は、国が負担するのが原則である。
正解は?
×
この内容、地方自治法
ここのところ、行政法や地方自治法、行政事件訴訟法と同じ内容で問われたケースを見てきましたよね。
この問題は地方自治法なんですが、内容自体は地方財政法に定められた内容です。
まぁ、以前にも書きましたが、だからと言って地方財政法を全て見なければならない訳ではありません。
「問われた内容は確実に把握しておきましょう。」ってスタンスで、私は良いと思います。
目的を見ておきましょう。
地方財政法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、地方公共団体の財政(地方財政)の運営、国の財政と地方財政との関係等に関する基本原則を定め、もつて地方財政の健全性を確保し、地方自治の発達に資することを目的とする。
国の財政と地方財政との関係等に関する基本原則を定めるとありますね。
まさしく、問題の内容です。
(地方公共団体がその全額を負担する経費)
第九条 地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担する。ただし、次条から第十条の四までに規定する事務を行うために要する経費については、この限りでない。
この内容からすると原則は地方公共団体が負担、例外があるよって内容ですね。
例外は、次条から第十条の四まで、内容は結構たくさんありますので、興味のある方はみて下さい。
第十条(国がその全部又は一部を負担する法令に基づいて実施しなければならない事務に要する経費)
第十条の二(国がその全部又は一部を負担する建設事業に要する経費)
第十条の三(国がその一部を負担する災害に係る事務に要する経費)
第十条の四(地方公共団体が負担する義務を負わない経費)
この内容は例外ですが、原則は地方公共団体が負担するです。
問題
都道府県による法定受託事務の執行については、国の大臣は、一般的な指揮監督の権限を有するが、自治事務については、法定された関与のみが認められる。
正解は?
×
自治事務も法定受託事務も地方公共団体の事務です。
国の大臣は、一般的な指揮監督の権限は有していません。
あくまでも、法律又はこれに基づく政令によらなければ、関与を受けることはありません。
(関与の法定主義)
第二百四十五条の二 普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。
原則は、国に指揮監督の権限はなし、例外的に国に指揮監督の権限があるです。
例外=事務処理に関し、法律又はこれに基づく政令によること
問題
都道府県の監査委員は、自治事務の執行については原則として監査できるが、法定受託事務の執行については、政令で定めるものについてのみ監査できる。
正解は?
×
先ほども書きましたが、自治事務も法定受託事務も地方公共団体の事務ですので、監査委員は、原則として双方の事務の執行について監査することができます。
ただ、やはり例外があるんですね。
第百九十九条 監査委員は、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及び普通地方公共団体の経営に係る事業の管理を監査する。
2 監査委員は、前項に定めるもののほか、必要があると認めるときは、普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)の執行について監査をすることができる。この場合において、当該監査の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
3~12 略。
例外規定
2項の( )書き部分です。
1.自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるもの
2.法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるもの
例外規定は、自治事務、法定受託事務、それぞれ一つずつあります。
いずれも政令で定めるものです。
問題
都道府県議会は、自治事務に関しては、国の法令に違反しなければ条例を制定できるが、法定受託事務については、国の法令の特別の委任がなければ条例を制定できない。
正解は?
×
この問題は、どういったものに条例の制定ができるのかってことですね。
自治事務だけ 法定受託事務も
どちらもOK
ってことです。
条文を確認してみますね。
第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
2、3 略。
1項に書いてありますね。
まず、法令に違反しない限りと条件があります。
そして、条例の制定は、第二条第二項の事務に関し制定することができると定められております。
第二条 地方公共団体は、法人とする。
2 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。
3~17 略。
条例を制定できるのは、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものについてです。
あれ、自治事務 法定受託事務
の文字が見当たりません。
書き続けていますが、自治事務も法定受託事務も地方公共団体の事務です。
条例は、自治事務と法定受託事務の区別はされていないんですね。
都道府県議会は自治事務、法定受託事務のどちらについても条例を制定することができると言うことです。
問題
都道府県による法定受託事務の執行については、国の大臣による代執行の手続があるが、自治事務の執行については、こうした手続はない。
正解は?
○
代執行の手続についてです。
自治事務と法定受託事務で違うのかどうなのかってことですね。
(代執行等)
第二百四十五条の八 各大臣は、その所管する法律若しくはこれに基づく政令に係る都道府県知事の法定受託事務の管理若しくは執行が法令の規定若しくは当該各大臣の処分に違反するものがある場合又は当該法定受託事務の管理若しくは執行を怠るものがある場合において、本項から第八項までに規定する措置以外の方法によつてその是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるときは、文書により、当該都道府県知事に対して、その旨を指摘し、期限を定めて、当該違反を是正し、又は当該怠る法定受託事務の管理若しくは執行を改めるべきことを勧告することができる。
2 各大臣は、都道府県知事が前項の期限までに同項の規定による勧告に係る事項を行わないときは、文書により、当該都道府県知事に対し、期限を定めて当該事項を行うべきことを指示することができる。
3 各大臣は、都道府県知事が前項の期限までに当該事項を行わないときは、高等裁判所に対し、訴えをもつて、当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判を請求することができる。
4、5 略。
6 当該高等裁判所は、各大臣の請求に理由があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、期限を定めて当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判をしなければならない。
7 略。
8 各大臣は、都道府県知事が第六項の裁判に従い同項の期限までに、なお、当該事項を行わないときは、当該都道府県知事に代わつて当該事項を行うことができる。この場合においては、各大臣は、あらかじめ当該都道府県知事に対し、当該事項を行う日時、場所及び方法を通知しなければならない。
9~15 略。
代執行に書かれているのは、法定受託事務ですね。
手順を追ってみましょう。
1.各大臣が都道府県知事に対して勧告をする。
勧告=当事者に、こういう処置をしたほうが良いと(多少とも)公的なしかたで告げ(説い)て勧めること。その内容。
2.各大臣は、都道府県知事が定めた期限までに勧告に係る事項を行わないときは、さらに期限を定めて当該事項を行うべきことを指示することができる。
3.各大臣は、都道府県知事が定めた期限までに指示に従わないとき、高等裁判所に対し、訴えて、指示に従うべき旨の裁判を請求することができる。
各大臣の請求に理由があると認めるときは、裁判所は、「従わなきゃいかんよ。」と期限を定めて言い渡す訳ですね。
↓
4.裁判所から言い渡された期限までに都道府県知事が言うことを聞かないときに、各大臣が代執行出来る訳です。
自治事務はどうでしょうか
自治事務については、代執行について、このような手順が書かれた条文はありません。
が、しかし、
(関与の基本原則)
第二百四十五条の三 国は、普通地方公共団体が、その事務の処理に関し、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとする場合には、その目的を達成するために必要な最小限度のものとするとともに、普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない。
2 国は、できる限り、普通地方公共団体が、自治事務の処理に関しては普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第一号ト(代執行)及び第三号(一定の行政目的を実現するため普通地方公共団体に対して具体的かつ個別的に関わる行為)に規定する行為を、法定受託事務の処理に関しては普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与のうち同号に規定する行為を受け、又は要することとすることのないようにしなければならない。
3~6 略。
2項の前半部分ですね、代執行が書かれています。
中間を略してみますね。
国は、できる限り、普通地方公共団体が、自治事務の処理に関して代執行及び第三号に規定する行為を、法定受託事務についても同号に規定する行為を受け、又は要することとすることのないようにしなければならない。
普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮し、国は、できる限りサポートして、普通地方公共団体が代執行等を受けることのないようにするってことですね。
関わる場合でも目的を達成するために必要な最小限度のものとするようです。
ですので、自治事務に対する代執行は規定はないけど完全に否定されているわけではないと言うことです。
今日は、細かい知識もあり難しかったですね。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
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