こんにちは。
今日は、こどもの日。
いやぁ~、こどもの成長ってホント早いですよね。
つい先日まで保育園、小学校って思っていたのに、もう就職活動してます。
この20年、何やってたんだろうと思い返すと・・・っっっ、いろいろありましたね
今は、一緒にお酒を飲める時間が楽しみです。
今日の過去問は、平成18年度問16の問題を○×式でやりたいと思います。
それでは、早速。
問題
取消訴訟の出訴期間は、処分の相手方が処分のあったことを知った日から6か月であるが、不服申立て期間は3か月となっている。
正解は?
○
今日の問題は、法改正があったところが入ってますが、混乱しないようにやっていきたいと思います。
一問目は出訴期間です。
この問題、本試験では×の問題でしたが現行法では○です。
それぞれ、内容を確認してみましょう。
行政事件訴訟法
(出訴期間)
第十四条 取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2、3 略。
正当な理由があれば別だけど、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したらできませんよと書かれています。
前半は○ですね。
行政不服審査法
(審査請求期間)
第十八条 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2、3 略。
不服申立の原則は、審査請求です。
審査請求期間は、三箇月ですね。
それと個別法に特別の定めがある場合に限り、審査請求の前に処分庁に対して、「再調査の請求」や、審査請求の裁決後に当該個別法に定める行政庁に対して「再審査請求」をすることができます。
ちなみに、個別法に特別の定めがあった場合ですが、
(再調査の請求期間)
第五十四条 再調査の請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 略。
こちらも三箇月で、審査請求同様です。
(再審査請求)
第六条 行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。
2 再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。)又は当該処分(原裁決等)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。
(再審査請求期間)
第六十二条 再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 略。
再審査請求の期間は一箇月ですね。
ただ、再審査請求は原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決)があったことを知ってからのものです。
原則が審査請求なので問題としては、審査請求の三箇月で検討すべきでしょうね。
後半も○と言うことです。
余談ですが、
旧行政不服審査法
(審査請求期間)
第一四条 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六十日以内に、しなければならない。ただし、天災その他審査請求をしなかつたことについてやむをえない理由があるときは、この限りでない。
2~4 略。
(異議申立期間)
第四五条 異議申立ては、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六十日以内にしなければならない。
旧法では六十日でしたので、3か月と書かれたこの問題は、当時は×の問題でした。
問題
取消訴訟は他の民事訴訟と同じく3審制であるが、行政不服申立ての場合、異議申立てに対する決定に不服があるものは、第三者機関に審査請求できる2審制が原則として取られている。
正解は?
×
この問題、異議申立てって書いてある、だから×、まぁ、それはそれなんですが問題はそこではありません。
三審制、二審制ってところが問題です。
三審制=裁判において確定までに上訴することができる裁判所が2階層あって、裁判の当事者が希望する場合、合計3回までの審理を受けることができる制度。
これも旧法絡みと言えば旧法絡みですが、それぞれ確認してみましょう。
行政事件訴訟法
(この法律に定めがない事項)
第七条 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。
民事訴訟を見てみましょう。
民事訴訟
(控訴をすることができる判決等)
第二百八十一条 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
2 略。
控訴は、第一審の地方裁判所、簡易裁判所の終局判決にすることができる訳ですね。
(上告裁判所)
第三百十一条 上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
2 第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
最後には最高裁に行く訳ですが、流れとしては、「地方裁判所→高等裁判所→最高裁判所」と三度の審理が認められる訳です。
三度審理されるってことですね。
行政不服審査法はどうだったでしょうか
先ほどみましたが、、、
原則は、審査請求です。
個別法に特別の定めがある場合に、再調査の請求や再審査請求ができる訳で、それぞれが別個独立の制度です。
審級制度をとっている訳ではありません。
ここ要注意です。
問題
取消訴訟においては処分の適法性のみを争うことができるが、行政不服申立てにおいては処分の適法性のみならず、処分の不当性をも争うことができる。
正解は?
○
この問題、どうも私は慣れません。
適法性=法にかなうこと。合法性。
まぁ、その通りなんですが、どうしても違法性って言う感じが強いんですよね。
ですので、問題を読むとちょっと違和感を感じるんです。
表裏一体なんですけどね、イメージがどうも。。。
取消訴訟は裁判所に訴える訳で、争うことができるのは「適法か、違法か」と言うことだけです。
ここは大きな違いであり、ポイントですね。
行政に対する不服の申立ては、行政権自身が行うものであり、目的には行政内部の自己統制も含まれているため、審査の対象には「適当か、不当か」も含まれています。
行政不服審査法
(目的等)
第一条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
2 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(処分)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
目的にも「行政庁の違法又は不当な処分」ときちんと書かれていますね。
問題
行政不服申立てにおいては処分の適法性のみならず、処分の不当性をも争うことができる。
目的の違法又は不当って書き方が強く印象付けされてるから、適法性って言葉にと違和感を感じるんでしょうね。
慣れなきゃいけませんね。
問題
行政不服審査法4条により、不服申立ての対象とならないと定められている外国人の出入国に関する処分、刑務所の被収容者に関する処分については、取消訴訟でも争うことはできない。
正解は?
×
この問題も法改正絡みです。
行政不服審査法の適用除外規定の4条は第七条に変わっています。
ですが、問題はそこではありませんからね。
行政不服審査法
(適用除外)
第七条 次に掲げる処分及びその不作為については、第二条(処分についての審査請求)及び第三条(不作為についての審査請求)の規定は、適用しない。
一~八 略
九 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
十 外国人の出入国又は帰化に関する処分
十一、十二 略
外国人の出入国に関する処分、刑務所の被収容者に関する処分(収容の目的を達成するためにされる処分)は、適用除外規定ですね。
取消訴訟はどうでしょうか
(抗告訴訟)
第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟をいう。
3~7 略。
取消訴訟においては、行政不服審査法のような適用除外に関する規定は設けていませんので、処分性の要件を満たせば、訴えを提起し争うことができます。
問題
取消訴訟においては行政処分のみを争うことができるが、行政不服申立てにおいては、行政指導や事実行為も争うことができる。
正解は?
×
最初に取消訴訟から確認しますね。
取消訴訟で処分について取消しを求めることについては問題はないでしょう。
それでは、事実行為はどうか
行政事件訴訟法では、事実行為を明示的に取消訴訟の対象である「処分」に含めているわけではありません。
ただ、行政事件訴訟法第三条2項の処分の取消しの訴えの「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」のうち、「その他公権力の行使に当たる行為」には事実行為も含まれることは一般的に認められているところです。
そのため、取消訴訟では、処分だけではなく、事実行為についても争うことができます。
ここでのポイントです。
公権力の行使に当たらない単なる事実行為は、取消訴訟の対象にはなりません。
取消訴訟の対象となるのは、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有するもの(事実行為)です。
これは、旧行政不服審査法で示された事実行為の内容です。
旧行政不服審査法
(定義)
第二条 この法律にいう「処分」には、各本条に特別の定めがある場合を除くほか、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有するもの(事実行為)が含まれるものとする。
2 略。
次に行政不服申立です。
こちらも処分については問題はないでしょう。
また、旧行政不服審査法に基づく不服申立ての対象である「処分」には、事実行為も含まれますので、事実行為については現行法でも問題はありません。
それでは行政指導はどうか
行政手続法
(定義)
第二条
六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
行政指導はあくまでも任意の協力によってなされるものです。
不服があれば従わなければよく、それで何らかの処分を受けた場合には、その処分に対する不服の申立てを行うことができます。
行政指導には、法的な拘束力はありませんし、法律上認められている処分にも該当はしません。
そのため、原則として行政不服審査法における不服申立ての対象にはなりません。
前半
取消訴訟においては行政処分のみを争うことができる→処分+事実行為も争える
後半
行政不服申立てにおいては行政指導や事実行為も争うことができる→事実行為は争えるが行政指導は争えない
法改正が絡むと難しいですね。
一つ一つの肢を説明できることが大切です。
頑張りましょう(^^)v
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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