こんにちは。
いやぁ~、雪、凄かったですね。
仙台でも久しぶりに、「降ったな。」と思えるくらいふりました。
車の屋根に分厚い雪の層が出来ましたから。
でも、仙台って良い所で2~3日で雪がなくなるんですよね。
地理的にも、山も海も近いし、すごしやすいところです。
一度、来てけさい。。。
えぇ~、今日は、第三編債権の第一章総則の中の第三節多数当事者の債権及び債務をやりたいと思います。
まぁ常識的な考え方で理解できるところだと思います。
それでは、早速。
多数当事者の債権・債務ってのは、債権者が2名以上いたり、債務者が2名以上いたりする場合など、当事者が多数となる債権債務の関係を言います。
これ、五種類あります。
1.分割債権・分割債務
2.不可分債権・不可分債務
3.連帯債務
4.不真正連帯債務
5.保証債務
どれも聞いたことがあるものですね。
それでは条文を確認していきましょう。
(分割債権及び分割債務)
第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
この条文が基本原則です。
普通に考えて当たり前じゃねって思える規定です。
具体例
学生時代の友人3人のOさん、Tさん、Cさんが共有目的で別荘を3,000万円で購入しました。
この場合には、Oさん、Tさん、Cさんはそれぞれ1,000万円ずつの代金債務を負う事になります。(分割債務)
逆に、この別荘を同じ額で売った場合、Oさん、Tさん、Cさんはそれぞれ1,000万円ずつの代金債権を有する事になります。(分割債権)
ただ、条文に「別段の意思表示がないときは、」となっておりますので、取り決めがあればそれに従うってことになります。
基本原則ってことで条文はこれだけです。
次を見てみましょう。
(不可分債権)
第四百二十八条 債権の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
基本は先ほどの分割債権、分割債務です。
ですが、債権の目的物がその性質上不可分の場合、又は当事者の意思表示によって不可分とした場合には、債権は不可分債権となります。
不可分債権は履行の請求は絶対効です。
絶対効=何人かのうちの1人にある事由が生じた場合、その他の人全員に効力が及ぶこと。
二つ書かれてますね。
1.債権の目的物がその性質上不可分の場合
2.当事者の意思表示によって不可分とした場合
具体例1.
その性質上不可分
↓
自動車の引渡請求権など
先ほどの友人3人が共同で300万円の自動車を買った場合の引渡請求権です。
債権の目的物の自動車は3つに分割することは不可能ですよね。
このような場合に、分割債権ではなく、不可分債権となります。
具体例2.
当事者の意思表示によって
↓
性質的には可分のものを当事者の意思表示によって分割を認めない取り決めにした場合
先ほどの友人3人が共同でお米300キロを購入し、当事者がお米を分割して引き渡さないという特約をした場合のお米の引渡請求権です。
お米は性質上は可分です。
100キロずつバラして3人に引き渡すことは可能です。
ただ、当事者の意思を尊重し、このような取り決めをした場合に不可分債権となります。
不可分債権は各債権者がすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができます。
先ほどの例で、3人のうちの誰かが自分に自動車を引き渡してって請求したり、お米を全部を自分に引き渡してって請求できるということです。
不可分=自動車は切断したらただの鉄?の塊で何の用も足しません。
そのため、全部って言い方も変ですが、本来ある自動車って形で引き渡してって請求できる訳です。
反対に債務者は、どの債権者に対して全部を履行しても良いということです。
誰か一人に自動車を引き渡せば良いし、誰か一人に対してお米300キロ全部を引き渡せばいいということです。
誰か一人に債務を履行すれば、全員に対する債務が消滅するということです。
(不可分債権者の一人について生じた事由等の効力)
第四百二十九条 不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる。この場合においては、その一人の不可分債権者がその権利を失わなければ分与される利益を債務者に償還しなければならない。
2 前項に規定する場合のほか、不可分債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の不可分債権者に対してその効力を生じない。
更改=既存の債権の要素を変更する契約を締結することにより、当該債権が消滅すると同時に、これに代わる新しい債権が成立すること
免除=債務を無償で消滅させること
この条文は1項で更改や免除、2項でその他の行為(相殺や混同等)は相対効であると規定したものです。
具体例1.
先ほどの300万円の自動車の引渡請求権です。
自動車=不可分ってのは先ほど見ました。
不可分債権者の1人が債務者に対して債務の免除(更改も同じ。)をしたとします。
この場合の免除は、簡単に言うと、「もう車は引き渡さなくてもいいからね」と言ったという場合です。
このような場合でも、他の不可分債権者である残りの二人には何の効力も発生しないって規定です。
残りの二人は自動車の引渡しを請求をすることができると規定しているのが1項の前段です。
1項後段部分は難しいです。
先ほど1名は債務を免除しましたが、残りの2名は自動車の引渡しを請求できますよね。
自動車の引渡しを受けた場合、免除をした1人の取り分を債務者に返還しなければならないってのが後段部分の規定です。
300万円の自動車って例でしたので1名当たり100万円ですので債務を免除した1人の分を債務者に返還しなければならないと規定しているんですね。
免除しているので「もう車は引き渡さなくてもいいからね」と言った人は車に対して権利はない訳です。
本来二人で、「もう車は引き渡さなくてもいいからね」と言った人に100万円を渡さなければなりません。
300万円の自動車な訳ですから当然ですね。
ですが、ここで問題発生です。
「もう車は引き渡さなくてもいいからね」=権利はないので100万円を受け取る訳にはいきませんよね。
債務を免除している訳ですので「法律上の原因なく」利益を受けることになりますから。
本来は、「もう車は引き渡さなくてもいいからね」と言った人が権利の分の100万円を受取り、お金が債務者に流れるって流れですね。
この辺のやり取りの複雑さを簡略化するための規定ってことです。
まぁ、数字だけの見方と言えばそれまでですが、免除って言葉で権利を考えると流れとしては解らなくもないんですが、実際には二人で300万払って終わりって感じでしょうね。
ただ、権利って考えるとこんなに難しくなるんですね。
(不可分債務)
第四百三十条 前条の規定及び次款(連帯債務)の規定(第四百三十四条から第四百四十条までの規定を除く。)は、数人が不可分債務を負担する場合について準用する。
不可分債務の規定は、不可分債権のように定義が条文上では明らかではありません。
見て頂くように、前条の規定とか次款の規定を準用するって書き方です。
この不可分債務は、履行の請求については相対効になります。
それと不可分債務は、不可分債権と異なり債権者が1人なので代物弁済や相殺が絶対効となります。
その他については、第四百二十九条も準用されていますので、大体同じと考えて下さい。
(可分債権又は可分債務への変更)
第四百三十一条 不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。
これは不可分債権が可分債権となったとき、又は不可分債務が可分債務となったときと同じ考え方です。
不可分債権が何らかの事情で可分債権になった場合には、原則に戻り、各債権者は自分の持分についてのみ請求することができるようになります。
不可分債務者は債権者に対して全部の給付をする義務を負いますが、その不可分債務が何らかの事情で可分債務になった場合、原則に戻り、各債務者は自己の負担部分についてのみ責任を負うようになることを規定しています。
今日の内容は比較的解りやすい内容だったんじゃないかと思います。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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