行政書士試験 平成18年度問31 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんにちは。

 

年が明けて早々に☆アメブロ行政書士会★に参加申請を致しました。

 

行政書士登録をしても、実務的なものはわからないものが多いですからね。

 

情報交換の意味合いと意見交換なんか出来たらいいなと思っての参加です。

 

早速、ちょっと教えて掲示板なるものに素朴な疑問を投稿してみましたが、皆さん忙しいのかお返事が・・・

 

気長に待ってますけど、もし、このブログを見かけた方がいたらご意見をお聞かせ頂けると参考になります。

 

今日は平成18年度問31の問題○×式でやりましょう。

 

今日の問題は個数問題ですので難易度は高いです。

 

それでは、早速。

 

 

条件

A・B間で建物の売買契約が成立し、Aは、Bから建物の引渡しを受け、また、移転登記も得て、近く同建物に引っ越しをしようと思っていたところ、同建物は、第三者Cの放火によって焼失してしまった。

 

 

 

問題

Aは、Bに対して履行不能を理由として売買契約を解除することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題、なかなか良いところをついてますね。

 

今回の売買契約は、「Aは、Bから建物の引渡しを受け」とありますので、Aさんが買主Bさんが売主です。

 

この問題は昨日見た履行不能についての問題です。

 

履行不能=履行が不可能(契約成立後後発的不能)ですね。

 

契約成立後に焼失しているので後発的不能です。

 

ただ、売主であるBさんは、すでにAさんに建物を引渡し、所有権移転登記という債務を履行しています。

 

債務不履行の履行不能にはあたりません

 

また、第四百十五条に債務不履行による損害賠償の規定がありますが、これも条文前段債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき後段責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときとあり、履行を済ませている売主Bさんにはあてはまりません

 

それでは、解除はどうでしょうか?

 

履行不能による解除権

第五百四十三条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができるただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない

 

履行の全部又は一部が不能となったときとなっています。

 

履行自体が終わってますので帰責性を考えることなく契約を解除することはできません

 

 

 

問題

BからAに対して上記建物についての売買代金の支払請求があった場合に、Aは、Bに対して同時履行の抗弁権を主張して代金の支払いを拒むことができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

同時履行の抗弁権、覚えてますか~はてなマーク

 

簡単に言うと「「建物を引き渡してくれないと、代金支払わないよ。」ってのが同時履行の抗弁権です。

 

同時履行の抗弁

第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができるただし相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない

 

相手方がその債務の履行を提供するまで」は、自己の債務の履行を拒むことができる訳ですが、売主Bさんは、建物の引渡債務も移転登記も済ませ、買主Aさんに建物の引渡しが済んでいます

 

売主Bさんはその債務の履行を提供したことになります。

 

買主Aさんは、同時履行の抗弁権を主張して代金の支払いを拒むことはできません

 

 

 

問題

Aは、Bに対して代金の支払いを免れることはできないが、Cに対して不法行為を理由として損害賠償請求をすることができる。

 

 

 

正解は?

 

 

 

売主Bさんは建物焼失前にきちんと債務を履行しています。

 

買主Aさんは、売主Bさんからの代金の支払いは断れません。

 

となると、メラメラ焼け損メラメラはてなマーク

 

そんなことにはなりません。

 

第三者Cさんへの不法行為責任で決着させます。

 

不法行為による損害賠償

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う

 

条文にある故意(放火)に他人の権利(建物の焼失という所有権の侵害)を侵害しているので、立派不法行為です

 

第三者Cさんは、買主Aさんに損害賠償責任を負います。

 

買主Aさんは、第三者Cさんに対して不法行為を理由として損害賠償請求をすることができます
 

 

 

問題

上記建物は、Bの責めに帰すことができない事由により焼失したので、危険負担に関し建物の滅失についてはAの負担に帰する。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

危険負担に関する問題です。

 

債権者の危険負担

第五百三十四条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する

2 不特定物に関する契約については、第四百一条第二項の規定によりその物が確定した時から前項の規定を適用する。

 

建物=ものの個性に着目し指定される物で特定物です。

 

条文に照らしてみましょう。

 

特定物(建物)に関する移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者(売主Bさん)の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者(買主Aさん)の負担に帰する

 

じゃね、ってなりそうですね。

 

ただ、移転を双務契約の目的としたってことは、契約成立から履行完了までの話しと言うことです。

 

この条文は、この間において、誰に危険を負担させるかを規定したものです。

 

この問題では売主Bさんがすでに建物の引渡し、所有権移転登記という債務の履行を完了しているため、危険負担に関する問題が生じる余地はないということになります。

 

 

 

問題

Aは、Bに対して代金の支払いを免れることはできないが、債務不履行を理由とする損害賠償請求をすることができるので、この両者につき相殺を主張することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

買主Aさんは、売主Bさんに対して代金の支払いを免れることはできません。

 

そのとおりです。

 

これは、売主Bさんが、すでに建物の引渡し、所有権移転登記という債務を履行しているため、債務不履行にはあたらないためです。

 

今回の建物の焼失は、第三者Cさんの放火メラメラによるもので、売主Bさんには何らの帰責性もありません。

 

そのため、買主Aさんは売主Bさんに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができません。

 

買主Aさんは、売主Bさんに対する損害賠償請求権を有せず相殺の主張をすることも認められません

 

買主Aさんの損害賠償請求の相手は、不法行為をはたらいた第三者のCさんと言うことですね。

 

 

今日の個数問題は○が一つ、×が四つでした。

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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