国に賠償を求めるって。。。 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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   修正予定もありませんので注意して下さい。      

おばんです。

 

今日は国家賠償法について書いてみようと思います。

 

条文自体は第六条までしかありません。

 

この国家賠償法は日本国憲法第十七条の規定を具体的に立法化したものです。

 

日本国憲法

第十七条 何人も公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより国又は公共団体に、その賠償を求めることができる

 

書いてありますね。

 

公務員の不法行為により損害を受けたとき、国又は公共団体に賠償を求めることができると。

 

この国家賠償法は二種類の責任を規定しています。

 

公務員の不法行為責任公の営造物の設置・管理に関する責任の二つです。

 

この国家賠償法は、民法の不法行為制度の特別法の扱いとなっております。

 

不法行為制度は第七百九条から第七百二十四条まであります。

 

公務員の不法行為の場合は、まずは国家賠償法が適用され、規定のないものについて民法が適用されます。

 

ここで不法行為ですが、いろいろありますね。

 

参考書なんかで目にするのは警察官の事例ですね。

 

他にもニュースなんかで公共事業なんか聞いたりします。

 

公務員が職務上行った行為に対して、公務員個人に賠償を求めた場合、賠償金が巨額になった場合は個人の賠償能力ではとても負担しきれません。

 

それでは被害者救済に資するとは言えませんし、公務員も職務上の行為であり、個人的な行為ではありませんので、それを個人に賠償ってなった場合、職務を行うことに委縮してしまいます。

 

そのため、国又は公共団体に賠償を求めることができる代位責任であると考えられています。

 

条文を見てみましょう。

 

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる

2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する

 

第一条に公務員の不法行為の成立要件が書かれていますね。

 

国又は公共団体の公権力の行使に当る

 

1.公務員の行為であること

 

2.公務員の職務を行うについての行為であること

 

3.公務員の故意又は過失による行為であること

 

4.公務員が違法に他人に損害を加えたこと

 

ここで辞書です。

 

公権力=国または公共団体が国民に対して命令・強制し、法律関係を形成する力。また、その力を行使する公的機関。立法権、司法権、行政権いずれもが該当する。

 

2項に国又は公共団体の求償権のことが書かれています。

 

国又は公共団体が賠償をする場合は、故意又は過失によつて違法に行った場合であり、公務員に対して国又は公共団体が公務員に求償する場合故意又は重大な過失があつたときと要件が異なっております。

 

ここで、1.の公務員ですが、公権力の行使の権限を持つ一切の者をいいます。

 

国家公務員、地方公務員など公務員と言う一定の地位にある者を指すだけではなく、公権力を行使する権限を有する者を指します。

 

特殊法人の職員や場合によっては民間人が含まれるケースもありえます。

 

また、その行為者の特定も必要になります。

 

加害者の特定は被害者が行うことになりますが、場合によっては特定できないケースもあり得ます。

 

この辺は判例を見て覚えることになると思いますので、過去問で見てみましょう。

 

それから、2.の職務を行うについての行為ですが、これは行為の外形から客観的に判断され、公務員が職務執行を行っている主観的な意図は必要ありません

 

有名な判例非番の警察官制服制帽を着用して強盗殺人を行った事件があります。

 

公務員が客観的に職務執行の外形を備えて行為を行っていれば、職務を行うについての行為と認められます。

 

3.の故意と過失ですが、職務上、故意にってのはあんまり考えられないような気がするんですが、意味的には、「意図してわざと、」ってことです。

 

また、過失ですが、「誤って、」って意味ですが、これは公務員に職務上要求される標準的な注意義務に違反することとされています。

 

4.の違法にって言うのは、法秩序に反することであり、具体的な法令に違反するだけでなく、社会通念等に照らし客観的に正当性を欠く場合も含まれます

 

それと損害ですが、生命、身体、財産が損なわれた場合はもちろんなんですが、精神的な損害も含まれますので注意が必要です。

 

第二条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる

2 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する

 

第二条は営造物責任ってやつです。

 

これは民法の第七百十七条の特別法にあたります。

 

参考までに民法から。

 

土地の工作物等の占有者及び所有者の責任

第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うただし占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない

2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる

 

第二条に営造物責任の成立要件が書かれていますね。

 

1.道路、河川その他の公の営造物であること

 

2.公の営造物の設置又は管理に瑕疵があること

 

3.他人に損害を生じたこと

 

公の営造物とは?

 

国又は公共団体が、公用又は公共の用に供している有体物

 

具体例

 

不動産=橋、空港

 

動産=公用車、椅子

 

自然公物=河川、池、沼

 

人工公物=道路、官庁舎

 

これらのものが、通常有すべき安全性を欠く状態にあることを意味しています。

 

また、瑕疵があるか否かは、営造物の構造、用法、場所的環境、利状況などの諸事情を総合考慮して、個別具体的に判断されます。

 

この営造物責任については無過失責任です。

 

ただ、不可抗力の場合や瑕疵が被害者の行為によって生じた場合は、責任を負うことはありませんので注意が必要です。

 

損害については、公務員の不法行為に基づくものと同様で、生命、身体、財産が損なわれた場合はもちろん、精神的な損害も含まれま

 

第三条 前二条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる

2 前項の場合において、損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する

 

この三条も重要ですね。

 

国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合に、他にも何らかの費用を負担する者がいる場合、その者もその損害を賠償する責に任ずるとあります。

 

それぞれに責任を負いましょうってことですね。

 

費用負担していて関係ありませんっては言えませんもんね。

 

第四条 国又は公共団体の損害賠償の責任については、前三条の規定によるの外民法の規定による

 

国又は公共団体の損害賠償の責任について記載のない部分は民法の規定で行いましょうってことです。

 

最初の方で触れた内容ですね。

 

第五条 国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる

 

これは、法律毎に定めがある時は、その法律に従いますってことですね。

 

別段の定めをすることが禁止されている訳ではありませんから

 

第六条 この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する

 

相互保証主義ってやつです。

 

重要な条文で過去問にもよく出ています。

 

この国家賠償法は、条文は六条ですので問題ないと思いますが、行政書士試験としては、判例が中心となりますので、次回以降確認していきましょう。

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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