おばんです。
今日は審査請求の第二節、審査請求の手続を書いてみたいと思います。
本日も条文中心ですができる限り簡略してみたいと思います。
それでは早速。
第十八条 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 処分についての審査請求は、処分(再調査の決定)があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3 次条に規定する審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律に規定する一般信書便事業者若しくは特定信書便事業者による規定する信書便で提出した場合における期間(審査請求期間)の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
第1項については、従来60日だったものが3か月に延長されております。
この1項と2項何が違うのってことですが、参考書には主観的とか客観的とか難しいことがかかれておりますが、要は処分があったことを知ったら3か月以内に文句を言ってねっていうのと、処分があったことを知らなくても処分があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、時間切れで文句を言えませんよと言う違いです。
3項は、書いてあるままで、郵送の際は、送付に要した日数は算入しませんので、到達してから審査請求のスタートですってことです。
第十九条 審査請求は、他の法律(条例に基づく処分は、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならない。
2 処分の審査請求書には、次の事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審査請求に係る処分の内容
三 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定)があったことを知った年月日
四 審査請求の趣旨及び理由
五 処分庁の教示の有無及びその内容
六 審査請求の年月日
3 不作為の審査請求書には、次の事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 当該不作為に係る処分についての申請の内容及び年月日
三 審査請求の年月日
4 審査請求人が、法人その他の社団若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合には、審査請求書には、第二項各号又は前項各号に掲げる事項のほか、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所又は居所を記載しなければならない。
5 処分についての審査請求書には、第二項及び前項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一 再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 再調査の請求をした年月日
二 再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 その決定を経ないことについての正当な理由
三 審査請求期間の経過後において審査請求をする場合
前条第一項ただし書又は第二項ただし書に規定する正当な理由
第1項には、口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、審査請求書という書面で行ってくださいと言うことが書かれております。
第2項と第3項は、処分と不作為では記載内容が異なっていますってことですね。
第4項は、法人等や総代、代理人によって行うべき場合の追記事項。
第5項は、審査請求書に記載すべき事項の他に追記時効と例外規定についての正当な理由等を記載して下さいと言うことです。
第二十条 口頭で審査請求をする場合には、前条第二項から第五項までに規定する事項を陳述しなければならない。この場合において、陳述を受けた行政庁は、その陳述の内容を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認し、陳述人に押印させなければならない。
口頭で審査請求をすることができる場合でも、第十九条に規定する事項を陳述させ、行政庁が内容を録取し、読み聞かせ確認して押印させるってことが書かれています。
審査請求書には、最低限第十九条第二項から第五項までが必須ってことになりますよね。
第二十一条 審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合における審査請求は、処分庁等を経由してすることができる。この場合において、審査請求人は、処分庁等に審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述するものとする。
2 前項の場合には、処分庁等は、直ちに、審査請求書又は審査請求録取書(陳述の内容を録取した書面)を審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない。
3 第一項の場合における審査請求期間の計算については、処分庁に審査請求書を提出し、又は処分庁に対し当該事項を陳述した時に、処分についての審査請求があったものとみなす。
審査請求書を提出できるのは審査庁だけではなく、処分庁経由でもできますし、その時の対応や期間の計算について書かれております。
第二十二条 審査請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求をすべき行政庁でない行政庁を審査請求をすべき行政庁として教示した場合において、その教示された行政庁に書面で審査請求がされたときは、当該行政庁は、速やかに、審査請求書を処分庁又は審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
2 前項の規定により処分庁に審査請求書が送付されたときは、処分庁は、速やかに、これを審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
3 第一項の処分のうち、再調査の請求をすることができない処分につき、処分庁が誤って再調査の請求をすることができる旨を教示した場合において、当該処分庁に再調査の請求がされたときは、処分庁は、速やかに、再調査の請求書又は再調査の請求録取書を審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。
4 再調査の請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示しなかった場合において、当該処分庁に再調査の請求がされた場合であって、再調査の請求人から申立てがあったときは、処分庁は、速やかに、再調査の請求書又は再調査の請求録取書及び関係書類その他の物件を審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない。この場合において、その送付を受けた行政庁は、速やかに、その旨を再調査の請求人及び当該再調査の請求に参加する者に通知しなければならない。
5 前各項の規定により審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書が審査庁となるべき行政庁に送付されたときは、初めから審査庁となるべき行政庁に審査請求がされたものとみなす。
審査請求と再調査の請求をする場合に処分庁が誤った教示をしてしまった場合の行政側の対応の仕方が規定されております。
第二十三条 審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
第二十四条 前条の場合において、審査請求人が同条の期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、次節に規定する審理手続を経ないで、処分又は不作為の裁決の規定に基づき、当該審査請求を却下することができる。
2 審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。
第二十三条は補正を求めるのが基本であり、第二十四条に補正をしない場合についての却下に関する規定が定められております。
また、却下することができる、であって、却下しなければならない、ではないので注意が必要です。
第二十五条 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
これは、有名な言い回しです。
キチンと覚えましょう!
2 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(執行停止)をとることができる。
上級行政庁又は処分庁である審査庁ですね。
必要があると認める場合。
申立て又は職権で。
3 処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない。
処分庁と横並びの審査庁ってところです。
これも必要があると認める場合。
4 前二項の規定による審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。
公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき。
5 審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
6 第二項から第四項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときは、することができない。
これも重要です。
効力の停止以外の措置で目的を達することができるとき。
7 執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたときは、審査庁は、速やかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない。
第二十六条 執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。
公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らか。
その他事情が変更したとき。
第二十五条、第二十六条は執行停止についての規定です。
受験生であれば、十分重要性は認識していると思います。
過去問でもたくさん問われているところです。
ここは、全ての項目を完璧に覚えておくことをおススメします。
第二十七条 審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。
2 審査請求の取下げは、書面でしなければならない。
最後は取下げに関する規定で終了です。
今日も長くなりましたが、これにて。
んでまずまた。