おばんです。
暑くなってきましたね。
2017年7月7日(金)より、東北オクトーバーフェスト2017が仙台市の錦町公園で開催されてますので、是非、仙台へ。
それでは早速。
今日は〇×式です。
これは、平成27年度問33の問題です。
Aさんが、自己所有の甲建物をBに贈与する旨を約し、妥当なものはどれかと言う問題です。
問題
本件贈与につき書面が作成され、その書面で、BがAの老後の扶養を行えばAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、Bが上記の負担を全部またはこれに類する程度まで履行したときであっても、特段の事情がない限り、 Aは本件贈与を撤回することができる。
正解は?
×
この問題は判例知識ですね。
昭和56(オ)487 遺言無効確認昭和57年4月30日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所 金沢支部
(遺言の撤回)
第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
まぁ、受贈者の気持ちを考えれば当たり前かな。
ほぼほぼ負担部分が終わってるわけで、それで撤回しますって言われてもね。
老齢化が進んで撤回詐欺みたいなのが増えちゃ困りますよね。
問題
本件贈与につき書面が作成され、その書面でBがAの老後の扶養を行うことが約された場合、BがAの扶養をしないときであっても、甲の引渡しおよび所有権移転登記手続が終了していれば、Aは本件贈与を解除することができない。
正解は?
×
負担付贈与は、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用するとありましたね。
契約と同様の扱いととらえ、扶養する義務を履行しない場合は、引渡し、移転登記が済んでいても贈与契約を解除することができます。
(解除の効果)
第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
問題
本件贈与につき書面が作成され、その書面でAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、遺言が撤回自由であることに準じて、Aはいつでも本件贈与を撤回することができる。
正解は?
○
昭和46(オ)1166 贈与契約不存在確認請求昭和47年5月25日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
判例で、方式以外は死因贈与について遺言を準用すると認めておりますね。
問題
本件贈与が書面によるものであるというためには、Aの贈与意思の確保を図るため、AB間において贈与契約書が作成され、作成日付、目的物、移転登記手続の期日および当事者の署名押印がされていなければならない。
正解は?
×
昭和57(オ)942 所有権移転登記抹消登記手続 昭和60年11月29日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
贈与契約書の作成、作成日付、目的物、移転登記手続の期日および当事者の署名押印は必要とされず、書面に贈与がされたことが確実に看取しうる程度の記載があれば足りると判断しています。
ここで毎度の辞書ですね。
看取=見て、それと知ること。事情などを察知すること。
問題
本件贈与が口頭によるものであった場合、贈与契約は諾成契約であるから契約は成立するが、書面によらない贈与につき贈与者はいつでも撤回することができるため、甲がBに引き渡されて所有権移転登記手続が終了した後であっても、Aは本件贈与を撤回することができる。
正解は?
×
昭和39(オ)370 所有権移転登記抹消請求 昭和40年3月26日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
対抗要件ですね。
動産は引渡し、不動産は登記でしたね。
この問題は、負担付贈与ではありません。
また、契約自体は諾成契約で成立しています。
書面によらない贈与は撤回可能ですが、すでに移転登記と言う手続きが済んでおりますので撤回をすることができないと言うことです。
判例の知識も多かったですが、これは覚えるしかないですね。
検索して読んでみるのも面白いですよ。
んでまず。
また。
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