尾崎宗吉 | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

尾崎宗吉の『夜の歌』を聴いています。チェロとピアノで演奏される曲。

思うに、尾崎宗吉は当時最先端の様々な要素を採りいれることができただけでなく、自分の心の内を見つめて、そこから音楽を引きだした。

だから、今日でも心に響く。

1915年に生まれた尾崎は浜松で少年時代を過ごした後、
東洋音楽学校(現在の東京音楽大学)に学びました。作曲家諸井三郎門下。小弦楽四重奏曲で注目されます。

1939年招集、1942年満期除隊、1943年再招集。生涯の最後の時期を軍隊生活に費やして1945年に戦地で戦病死しました。

戦争が若い人々に強いる犠牲については、何度でも強調されるべきです。

日本の近現代洋楽史については、長い間、ほとんど等閑視されてきたと言ってもいいと考えます。そのような時代を超えて、尾崎宗吉の音楽が今日まで生きつづけたのには、尾崎の死を悼み、残したものを守った人々の存在があったからです。

尾崎宗吉と、かれの音楽を大切なものとして保ってきた人々のことを心に浮かべつつ、もういちど『夜の歌』を聴くことにします。

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