ケルン市立歴史文書館とマズルカ | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

ショパンのマズルカはピアニストにとって大きな難関のひとつです。なかなか拍が自然に表現できないで、ぎくしゃくした演奏になりやすいのです。

そんなわけで、ピアニストにとって、リサイタルでマズルカを取りあげるのは大きな挑戦です。かつて、原智恵子さんはアルトゥール・ルービンシュタインにマズルカの弾き方を教わったといいます。

私は基本的にはマガロフの演奏で聴くようにしています。彼のショパンは、さりげなく高水準である場合が多いので。前も書いたかもしれませんが、ヨーロッパにおいて、何人ものすぐれた、非常に有名なピアニストたちがマガロフに対して示した傾倒には驚くべきものがありました。

イタリア、フランスなどと日本では、もっとも評価が食いちがったピアニストなのではないかと思います。

さて、作品6-1はショパンの初期の傑作として知られます。その基本資料となる自筆譜のひとつは、ケルン市立歴史文書館に所蔵されていました。今回の崩壊事件で、この自筆譜も巻きこまれたのではないかと心配しています。

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