ケルン市立歴史文書館続報・再びデジタル・ケルン歴史文書館問題 | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

デジタル・ケルン歴史文書館問題は建設的な方向で対処が進んでいるようです。やはりコピーの収集について呼びかけを行っていたミュンスター比較都市史研究所のホームページにも、このデジタル・ケルン歴史文書館についての言及が見られます。

Aufruf des Instituts für vergleichende Städteges chichte zur Erfassung von Materialien des eingestürzten Historischen Archivs der Stadt Köln vom 20. 3. 2009


また、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングの記事でも、プロメテウス・プロジェクトとの協力関係構築が進行中であることが
指摘されています。

Klüngeln in Köln(『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』電子版)

今後、研究者の自発的なイニシャティブと、ケルン市立歴史文書館のアーキヴィストたちが持つ文書的知識が有効に組みあわさって、すぐれたデジタル文書館が構築されることを期待します。

私はある大規模デジタル・アーカイブの立ちあげに参加した経験があり、そのとき、デジタル文書館の構築がどれほど困難か思い知らされてきました。そうしたこともあって、大抵の場合、史料のデジタル掲示に関して、慎重論を展開しています。

しかし、ケルン市立歴史文書館の場合、すでに史料館と史料が打撃を蒙った後で、どうしても緊急に問題に対処する必要があります。

私の意見としては、この問題を深刻に認識して、充分な予算を投入して、また、充分な数の人材がプロジェクトに参加することで、関係者に無理な負担をかけることなく、すぐれた文書館が構築できればと思います。