デジタル画像掲示と文書館(6) | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

それでは、ネット上の史料のデジタル画像と目録データをユーザーはどのように用いるべきなのでしょうか。

定評のあるデジタル文書館については、すぐれた史料集と同等にあつかうことができるでしょう。

信頼性に問題のあるデジタル文書館については、慎重に扱う必要があると思います。結局、もしかすると不正確であるかもしれないが、利便性が高く、短時間で検索できるという特色を上手に生かすことが望まれるのです。

つまり、デジタル文書館は文書館作業を補完するだけでなく、それまで考えられなかった有用性を発揮するかもしれないが、しかし、文書館での作業に代わることはできないということです。

その点を承知してデジタル文書館を利用するならば、さまざまな成果があげられると思います。

デジタル文書館の今後としては、その史料公開の手続きと、その基準となっているマニュアルと、それから、誰がどの部分の史料公開を担当したかという事実を公開することが必要かと思います。つまり、学術的な史料集で一般的な基準に依拠することが望ましいと思います。

また、デジタル文書館を管理運営する側では、完璧とは言いませんが、すくなくとも精度の面で安定した状態で史料を提供する努力を行うことです。目録や閲覧の面で、利用者が安心できる体制を確保しているというのが、デジタルであろうがなかろうが文書館のあるべき姿でしょう。