チェンジ・ポケット | 緑の錨

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歴史家の山本尚志のブログです。日本で活躍したピアニストのレオ・シロタ、レオニード・クロイツァー、日本の歴史的ピアニスト、太平洋戦争時代の日本のユダヤ人政策を扱っています。

 スーツの右のポケットの上に小さなポケットがついていることがあります。チェンジ・ポケットです。このポケットは装飾と考えられることが多いのですが、わたしは装飾を度外視して考えてもできればスーツにはチェンジ・ポケットがあってほしいのです。

 というのも、この小さなポケットはなにかの折に提示しなければならないカード類をいれるのに適しています。なによりも電車の切符をいれるのに最適です。

 切符を大きすぎるポケットにいれれば使いにくい。財布などにいれればしまい込んだところを忘れてしまう。内ポケットにいれれば出しにくい。胸ポケットは深すぎる。

 かように電車に乗ったとき切符の扱いには困るわけですが、チェンジ・ポケットがあれば問題は解決します。

 ポケットは大きすぎず、切符は取り出しやすい。かならずチェンジ・ポケットに切符を入れると決めておけば忘れることもない。そんなわけで、最近スーツを作るときにはチェンジ・ポケットを付けるようにしてます。

 それではチェンジ・ポケットがない古いスーツを着るときはどうするか。もし三揃えであるなら、ウェスト・コートのポケットを利用するといいのです。

 わたしの場合は三揃えの上着のボタンはかけないので、ウェスト・コートのポケットはチェンジ・ポケットの代用になります。

 スーツという衣類のよいところのひとつはポケットが多いことです。暑苦しい日本の夏ですが、上着とウェスト・コートを着るという代償をはらっても我慢できるほどに、小物を簡便に運ぶという意味でスーツはすぐれています。