『6千万人のフランス人が間違っているはずかないーーなぜ私たちはフランスを愛すのか、フランス人ではなくて』ナデュ&バーロウ 2003
(洋書 Sixty Million Frenchmen Can't Be Wrong--Why welove france but not the french)
著者は、カナダ ケベック州在住の英仏バイリンガルのカップル。
2年半のあいだフランスの人と社会を観察し、考察した本です。
フランス人を北米人と比較すると、ええええええ? 本当に? なぜ? と
不可解なことのオンパレードで、その現象と原因を深堀りしてある。
これが日本人としては本当に興味深かった。
フランスのことって、ファッションとか映画界隈ではよく見るけど、
実のところよく知らんよね。
北米ではこうなのに、フランスって変わってる!! と書いてあるので
北米人の意識とフランスの不思議ポイントがよりよくわかる。
え? 日本もそう、同じだよ? ということもあれば、
げげげ、フランスって変⋯⋯?
フランス、すごい!!!
というトピックがいくつもあった。
印象に残ったところは
・フランス人は偉大な統治者が大好き(大統領は皇帝か?)
・フランスはエリート偏重の階級社会。勉強と成績は一生ついてまわる(人柄・経験より点数)
・名門高等職業教育校 は親の望む進学先(大学のほうがステイタスが下!)
・裁判で裁判官は中立ではなく被告を非難したりする(ひどい)
・三権分立の概念が薄く、司法は政治家に負ける(ひどい)
・自白偏重で逮捕後長々と勾留できる
(カルロス・ゴーンを長く勾留している野蛮国と日本を非難したのは誰や)
・中央集権主義・保護主義で、全国津々浦々、全産業を国が一律に統治している
・ニューカレドニアやマルティニークなど海外県もフランス本土と同じシステム
(土地柄が考慮されず、植民地のような経済状態)
・世界一の公的医療保険制度を誇り、あらゆる福祉や補助金があり、高い税金が必要
(日本も似たようなものかも)
・戦後、日本のインフラ整備は欧米よりはるかに遅れていたと思っていたけど、フランスとさほど変わらなかったかもしれない。(家にシャワーがついたとか、上水道が普及したとか)
・全産業に国が介入する介入主義は批判されたが、航空機製造や高速鉄道、水道などのインフラ産業、その他いろいろな分野で成功している
・フランスはアメリカに従うのがいやだったので、自前で宇宙開発を行った。核実験も行い、核を保有している
2003年の本だし、最後のほうでEU統合の影響もあり「近年はもう昔のフランスではない」ということだったので、今のフランスはだいぶ変わっているかもしれない。
しかし、フランスが北米とは多くの点で違っていることが明確にわかって、かなり驚いた。