ヤモリがサンダルの下で死んでいる。
輪ゴムのように円く、ぺちゃんこになっていた。
ひらいた指の小さい形がかなしい。踏んだ覚えはないのに、なぜだ。
2、3日前に小指ほどの長さのヤモリが歩いているのを見た。
敷居のところをそろそろと行くので、襖につぶされないかと心配していたのに。こんなところで死ぬるとは。
ヤモリは追い出したりしない。虫を食べてくれるから。
タイにいたころ、部屋には何十匹ものヤモリが同居していたのだから、驚いたりしない。
タイでは体長15センチもあろうかという大きなヤモリが部屋の外で、ギッ ジジッ と鋭い声をあげていた。数が多すぎるので共食いをする。ガラス窓のむこう側にはりついたヤモリ同士、食い合う様子がよく見えた。
部屋の中には小さいヤモリがたくさんいた。ときどき天井から落ちてくるのでヒヤリとする。
掃除をすると時折、隅から小さいヤモリの死骸が発見される。
さっそく蟻が行列をつくり、肉を持ち帰っていく。さわりたくないのでしばらくおくと、メザシを食べた後のような骨だけになる。
夏の終わり、久しぶりに激しい雷雨だ。
こんな夜はタイのことを思い出す。そして大阪も亜熱帯になっていくのかなと・・・
今年はエアコンなしで過ごしたが、来年はどうなるかな。