低用量抗がん剤治療、16回目(3か月+20日経過) | utenaの末期卵巣がん闘病ブログ

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ステージIVの卵巣がんと腹膜播種が見つかって、
低用量抗がん剤治療で腹水・胸水が消え、余命数ヶ月の状態を脱却。
現在、手術目指して、TC療法中。

昨日の水曜日もまた、
低用量抗がん剤治療のため
銀座並木通りクリニックへ。

今週は、とっても身体が痛くて、
親知らずのとこの歯茎が腫れたり、
排尿時に、すっごく嫌な痛みがあったり、
お腹が痛く、ぽっこりしてきて、
「きゃ~、また水がたまってきたの?!」と
かなり恐怖したり

そんな週だったので、
いろいろ相談しようと思ってました。

ところが、部屋に入るなり、
先生が「はいっ」と渡してくれた
検査センターで撮ってもらったCT画像と
その所見のコピーを見て、

ぞっとしてしまった・・・

ちょっと前に、近くの検査センターでやった
CT検査、今頃結果レポートが届いて、
手渡されたわけなのですが、

CT画像をじっくり見たのは初めてで、
10月に、緩和ケア科にかかったときに
一度撮って見たときは、さっと、ちら見した程度。

かなり育って、おっきくなった腫瘍が
ど~んと骨盤部に映っていて、
その占め具合にぞっとして、

あれこれと書いてある所見の
シリアスな言葉にも、ぞっとして

訊きたいと思ってたことが
吹っ飛んでしまいました

そんな中、なんとか言葉をしぼり出し、

「あ、あの、先週はけっこう、ああでこおで・・・」
ぼそぼそつぶやくのですが、

先生たちは、もう、あっけらかんと、
さっぱりとしたもので、

「あはは、まあねえ、こんなかんじだからねえ」

「まあ、取れるものを取って、
それで、どうなるかで、その先の対処を考えましょう

軽い軽い(笑)

手術も決まって、それだけでも、
かなり安堵されたのでしょう。

三好先生は、元外科医。
必要な手術なら、受けるべき、と考えるし
その効能にも確信があるから、
私のがんは、手術できるならするべき、と
前から言ってました。

もうひとつ、
最近読み始めた方のために書くと、

私がやってる、この低用量抗がん剤治療は
非標準治療というくくりに入るので、
標準治療をやってる一般的な病院の先生は、
非標準治療との併用を
たいてい受け付けてくれません。

この溝は、溝というよりは、
大河のごとく、巨大な隔たりのようで、
簡単に橋をかけられるものではないようです。

なので、併用を許可してくれて、
執刀だけしてくれる、そんな奇特な先生を
見つけられたわけなので、
相当、いえ~いなんです(笑)


昨日の私は、
「は、はあ、そうですねえ.・・・ははは

何を言われても、すべての会話がこんなかんじで、
訊きたかったこと、ほとんど忘れて、

帰りの車の中で、付き添いの親友Mちゃんに
「あ~、あれ訊くの忘れた、これ訊くの忘れた」
と、つぶやきまくり。

ひとつは、ほんとに調子が悪くて、
頭がよく働かなかったのもあります。

もうひとつは、
心の準備なしで見てしまった、
CT画像と書かれていた所見に、
相当の衝撃を受けたみたいでした。

あんなに腫瘍がでっかくて、
あんなに腸や膀胱がつぶされてたら、
そりゃあ、排尿のときに痛いだの、
お腹が張ってつらいだの、
あれやこれや起きて当然だわなあ、というかんじ。

そこまでおっきく、お腹を占めているとは
ぜんぜん思ってなかったんで・・・

今も相変わらず、手術は怖いですが、
こうして手術が27日に決まったことや、
執刀してくださる方に出会えたことを、
心から、しみじみと、ありがたく思いました。

また、いつも、シリアスにならずに
闘病できていたのは、先生が
出会ったときから、ず~っと
明るく、シリアスにならないで済むように
対応してくれていたからなんだな、
っていうのも、よ~くわかりました。

生で見てしまった、
冷たい、残酷な事実のみの所見。
そういう、きついものを、
いつもは、先生という
すこぶる明るいフィルターを通して
受け止めさせてもらえていた。
だから、私は元気でいられたんですね。

「心の準備も、明るいフィルターもなく、
きついものを見ちゃうと、
こんなに食らっちゃうんだ、
今後、気を付けよう」と学習しました


いつもは、外出していただくランチで
いろんなことおしゃべりして、
それだけで、気分転換になるのに、

昨日は、かなり沈没状態で、
入ったお店のテーブルにつっぷしたり、
ベンチ席にいた私は、食後しばらく
横になってしまいました。

お行儀が悪いけど、起きてられない・・・

こんな状態は久しぶりだったので、
びびりつつ、Mちゃんの手厚いヘルプで
なんとかお家に帰って、ベッドに横になり、

それからずっと、苦しくて、
うんうん、とのたうちまわってました。


でも、神様っているのね、と思えたのは、

その後、とっても幸せなコミュニケーションが
たくさん起こって、

いつもだったら、そのうちのひとつでも、
ブログでたっぷり取り上げたい、
そんな、すばらしいコミュニケーションが
いくつも起こって、

書ききれないほどのあったかさ、うれしさ、
その他いろいろのおかげで、

ひどかった体調もなんとかなって、
のたうちまわらず、
普通に眠ることができたんです。

ひどくなったら、訪問のお医者さん呼んで・・・
などと頭の中で段取りしてたんですが、

あたたかさ、コミュニケーションの威力で、
身体ごと救われてしまったのでした。
びっくり。


まず、オーストラリア時代の戦友Tさんから
励ましの電話をもらい、2時間近く、
話したいことをたくさん話して、
心のみならず、体もほぐれ、

友人ピアニスト秋山暁子さんの、
お互いの理解ゆえに生まれ得る
あたたかな癒しが満ち溢れたメッセージで
涙があふれて、心がほどけて、

友人ギタースタイリスト笑満ちるちゃんと、
フェイスブックのチャットで再会、
濃厚で親密な会話を通して
新たに友情をわかちあい、

音楽仲間で、CDリリース間近の
シンガーソングライター小嶋佐和子さんに
新作の感想を送った抜粋が
ブログでアップされて、その記述と
メールのやりとりで、すごくじ~んとして

今度ゲストで出演させていただく
「いのちの花かんむり」コンサート主催の
友人シンガーソングライターねおみい
フェイスブックで私のことを紹介してくれて、
その記述に、またじ~んとして・・・

・・・あったかい贈り物を
たっぷりといただいた夜だったのでした。
(盆、暮れ、正月が一度に来たみたいに。)

他の仲間たちからも、
同じように、あたたかな応援をいただく
今日この頃、

自分が紡いできた音たち、言葉たちや、
それらを生み出すために
日々重ねていた努力、営みが、

今、こうして、沢山のあたたかな
コミュニケーションを生んくれているのが
ほんとに感慨深いです。

袖すりあうも多生の縁、と言いますが、
すりあっただけじゃなくて、
ディープなものを心に刻みあう関係が、
創作活動を介して育まれたことが、うれしい。


「もっと世界を良くする活動を
直にやっていきたい!」
という新たな志を胸に、

音楽から離れ、日本から離れ、
もう、振り返ることもないだろう、
っていうくらいの勢いで
過去の活動を「過去のもの」と
とらえていた私は、

がんの闘病によって、過去も含めて、
自分の生のすべてを振り返り、
向き合うことになるわけですが、

それははじめ、すごく敗北的で
屈辱的に感じる作業でした。

いい年して、すべてがゼロになって、
ぜんぶ初めからやり直し、
もう、いいよ、死んでも、
もう、なくすものなんか何もないし、
みたいな気持ちになりました。

でも、過去の仲間たちから届く、
愛あるエール、メッセージが
ネガティブな気持ちを少しずつ
溶かしてくれました。

そういう経緯があっての昨晩。

「過去」として切り捨てたはずの
作品たちや活動が、いまでも、
かつての仲間たちの心に
しっかりと刻まれていることを
改めて感じられて、
すごくうれしくなりました。

また、がんばっていた過去があるから、
タイムラグを経ても、今も、
私という人間を信じてもらえて、
応援してもらえているわけなので、

「がんばってたことは、
無駄じゃなかったんだな~」って
なんだか、すごく報われました。

そして、さらに感慨深いのは、
昨日、肉体的に、あんなにつらかったのに、
すばらしいコミュニケーションによって
ほぐされて、痛みも軽減し、
あたたかく眠れた、という事実。

今日はまた痛むし、
よれよれしてますが、
でも、確実に何かが違うので、

病、闘病という主題と、
精神的な要素というものが、
ものすごく密接にかかわっているのを、
ものすごくリアルに身体で感じられました。


長くなっちゃって、
いつもの通院レポとは
ちょっと違う内容ですが、

忘れたくないので、記録として
残させていただきました。
読んでくださった方に感謝です。
どうもありがとうです!


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