高校型学びと大学型学びの違い その3:目型と耳型 | 茨城大学人文社会科学部正保研究室

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 高校までの授業では、多くの場合、教師が丁寧に板書をしてくれて、それをきちんとノートに写すことが学びという行為の中心です。そこで専ら働くのは「目」です。高校生は目を使って授業を受けることを必然的に求められていると言えます。
 これに対して大学では、教師は必ずしもきちんと整理された板書をするとは限りませんし、むしろそういう教師は少数派であるかもしれません。大学の教師の授業は話すことが中心で、重要な情報は「耳」を通して得られる場合が少なくありません。例えば、板書するのは項目名やキーワードだけで、その具体的な内容については専ら教師がしゃべって伝えるという授業が少なくないのです。そうすると高校までの目型の受講スタイルで授業を受けている学生は多くの情報を逃してしまうことになります。授業中机間巡視をし、学生のノートをチラ見して、その貧弱さに驚かされることが多々あります。私が板書したことを写しているだけで全く自分で補足していないのです。きっと耳が全く働いていなかったんだろうなと思わされます。
 私が大学生時代のある先生は全く板書をしない人だったので、学生はひたすら先生の言葉をノートにとるしかありませんでした。3時間位の授業でノートを1冊使い切ったことを憶えています。
 大学での授業を有効に受けるには耳から入ってくる情報を逃さず捉えることが重要ですが、高校ではそんなトレーニングは受けていないし、急にそんな能力を身につけられる訳でもありません。これは学生自らが自助努力で獲得するしかないのかなと思います。高校型の目型の受講スタイルから大学型の耳型の受講スタイルに早く移行することが大学での良い学びの秘訣です。