カメラ | 物質の下僕

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語りえぬものには、沈黙しなければならない












let me have my enemies butchered

コニカミノルタが写真フィルム、カメラ事業のいっさいから撤退するとの報道。デジタル一眼レフ部門はソニーに譲渡。我家には経営統合前のコニカ1台、ミノルタ2台(1台コニカミノルタ?)、統合後のコニカミノルタ1台と特に意識して選んだわけではなかったのだがけっこうたまっている。画像データ処理等の技術が弱かったということだが、そうなると経営統合した2社が共に似たような弱点を抱えていたわけだからうまくいく道理がない。

この展開はある程度予想できたが(後継の新型機をスペックダウンするようでは...)、ニコンがフィルムカメラからのほぼ全面撤退というのには驚かされた。プロ用、入門用の一部はとりあえず生産を続けるらしいが、他は順次生産完了へ。これはもちろん、デジタル一眼レフへの資源集中を意味するわけだが、ソニー、松下が近々参入とも聞く(ソニーは前述のコニカミノルタからの譲渡)とこの分野も安穏としてはいられないのではないか。私が危惧するのは日本のマーケットは(というか消費者は)品質で物を選ぶ力がないからである。とてつもなくセンスが悪い消費者にあっては技術立国の名が泣くというものである。

連想:
かつて、民主党が例の堀江氏に公認候補依頼を打診した際の席上、堀江氏は「国民は馬鹿だから」を連発したそうだ。これ以降民主党は堀江氏と距離をもつようになったと伝えられる。まあ、馬鹿を目の前にして「馬鹿」を連発した堀江氏も相変わらずのセンスのなさだが、このご意見は彼の発言の中では珍しくも正しい。

これで国産の写真フィルムはフジフィルムのみ。私はコダック党だったが、次に選べばコニカだったので少々さびしい。ニコンはどうなのだろう。フィルム一眼の電子化ではキャノンの後塵を拝し今もデジカメのシェアは決して大きいとはいえない。ニコンに乗り換えた私としてはとても心配になる。かつてはキャノンを愛用していたが、サービスステーションでの不愉快なやりとり以来、もう未練はない。となると、将来デジタル一眼レフをまた買うとして、選択枝がなくなっている事態だけは避けたいものである。