西日本新聞朝刊の「春秋」と言うコラムに
残酷な場面がある民話
として、「かちかち山」が取り上げられていました。
以下西日本新聞から
残酷な場面がある民話、ハッピーエンドでない民話は、読んで聴かせる親も、聴く子も戸惑う。人形劇団などが来場した親子に「嫌いな民話は?」と尋ねたことがあった。一番多かったのは「かちかち山」
▼親しいおばあさんをタヌキに殺されたウサギが仕返しをする話だ。柴(しば)刈りに誘い、柴に火をつけて大やけどを負わせる。薬と偽って辛子(からし)を渡す。疑わずに従うタヌキを、最後は泥舟に乗せて水死させる
▼作家の太宰治は防空壕(ごう)の中で5歳の娘に絵本を読んで聴かせた。娘は「タヌキさん、かわいそう」。言われるまでもなく太宰は「ウサギは執拗(しつよう)すぎる。一から十まで詭計(きけい)である」と思っていた
▼古典や民話に題と筋を借りて自分の世界にするのを得意とした太宰は、娘の一言に想を得て、ウサギを美しくも冷酷な少女に、タヌキを少女に夢中の男に見立てた太宰版「カチカチ山」を書き、小説集「お伽草紙(とぎぞうし)」に収めた
▼話が脇にそれた。ウサギがしたことに絞って続ける。起訴されたらどんな裁判になるだろう。この夏にかけて香川県、長崎県の小学校で「裁判員模擬裁判」が開かれた。長崎(壱岐市)では法テラス壱岐法律事務所が企画した
▼どちらも6年生が裁判員役などを務めた。「タヌキもおばあさんを殺している」「ウサギはかたきをとっただけ」「でも残酷すぎる」「仕返しは誰も喜ばない」…。感じたことを言い合ったあとの判決は懲役刑で一致した。
=2009/09/25付 西日本新聞朝刊=
どうでしょうか、この話の肝は
因果応報、悪いことをすれば必ず報いがある、その時は何を
されても文句は言えない
ってことで、幼い子供に少々オーバーな表現で話して聞かせるだけのことでは。
もし子供が、タヌキがかわいそう等と、誤った方向へ向かったら、よくよく説明
して
「だから、絶対悪いことはしないように」
と諭してやるのが大人のつとめ、何も模擬裁判などと大仰なものを引っ張り出
す必要はさらさら無い、ましてやウサギが被告とは・・・
どうやら、死刑廃止を言いたいだけのようですが、引き合いに出された
「かちかち山」
こそいい迷惑と言うものです。