普段飲みの泡 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る



ラルマンディエ・ベルニエ ラティテュード エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン NV
購入日    2016年4月/2016年6月
開栓日    2016年7月
購入先    かわばた酒店/ヴェリタス
インポーター ラック・コーポレーション/ヴェリタス
購入価格   4266円/4645円

また最近本業が忙しくなっているが、この1週間は特別だった。
日曜日と木曜日と土曜日、何と週3回も東京に行った。
講演、会議、勉強会とすべて仕事である。
こんなアホなことをしている開業医はあまり多くないだろう。

日曜日は昭和大学の同門会の特別講演の講師として呼んで頂いた。
名門医系大学の年1回の同門会の演者だから、ものすごく名誉な話だのだが、
教授も新同門会長も前から親しいので、気楽に出かけた。

木曜日は学会の専門医の会議で、相変わらずメンバーはほとんど教授ばかりで10数人。
唯一の開業医として言いたいことを言ってきた。
もう疲れてきたから、誰か替わってくれないかなあ。
日曜も木曜も東京滞在時間は4時間だけ。

一昨日の土曜日は500人規模のメーカー主催の大きなイベントで、
同世代で親しい東大とか名古屋大とか旭川医大とか山梨大の教授と談笑し、
2次会では秋田・福島・大阪・福山(まいどのS先生)たちと5人で
スペインワインのバーで日付が変わるまで盛り上がっていた。

6時間睡眠をとって日曜日には観光もせず帰阪。東京滞在時間は合計17時間。
さっさと帰阪したのは、昨晩久しぶりにラブワインさんが大阪にやって来られたからだ。
緑家さんと3人で杯を重ねて、そりゃもう楽しかった。

ワインブロガー3人だからワインを飲んだかというとそうではなくて、
梅田(新地の東側の西天満)のてんまみちで日本酒を飲んだのだ。

意外なことに緑家さんもラブワインさんも日本酒に対する知識は相当なもので、
日本酒を飲みながらさまざまな形容詞が飛び交う。
凝り性の人間の興味の対象物に対する洞察能力はやはり大したものである。

かく言うわたし自身も、最近ずいぶん日本酒の比率が増えて、その分開けるワインが減っている。
自宅でも外でも食事が和食が多いというのが最大の理由だと思う。
しかし日本酒で十分満足しているかというと、決してそうではない。

まず自分の中での日本酒に対する評価基準が定まらないので、
気に入って一升瓶を買っても1〜2本飲んだところで飽きてしまう。
細かい差なのだが、日本酒のバリエーションの多さに圧倒されるし、
ワインに勝るとも劣らない入手困難さも相まって、定番にしたいお気に入りの酒が定まらない。

それを思うと、デイリーにシャンパーニュを飲んでいる方がお気楽なので、時々開けている。
「リースリングとピノ・ノワールは食事に合わない」
という見解は、緑家さんやラブワインさん3人による首脳会談の共同声明である。

料理を主にして、そこで合わせるべき酒が選ばれる。
そこでシャンパーニュである。

今回の2本は5000円以下でシャンパーニュとしては安めの値付けのもの。
片や有名で生産本数も多いNMのドラモットで、片や個人生産者のRMシャンパーニュである。
ドラモットはシャルドネ50%、ラルマンディエ・ベルニエは100%であり、
どちらも白系のシャンパーニュである。

並べて飲んだわけではないのだが、かなり個性に差があると思う。
ドラモットは生産本数が多いブランドものなので、あちこちのレストランで飲める。
多分ボトル差などわずかなもので、安定感があるのが長所だろう。
だからあまり面白いシャンパーニュではない。

温度を低めにしてやると酸がシャープになって、切れ味が良くなる。
ドザージュが少なめで、ボランジェのスペシャル・キュヴェよりわたしはこちらが好きだ。

一方のラルマンディエ・ベルニエだが、ちょっとご無沙汰していた。
ドラモットよりマイナーなだけあって個性的で、造り手の顔が見える。
箱買いして飲もうとは思わないけれど、こういうシャンパーニュを12種類まとめ買いして
1本ずつ開けていくと楽しい。

最近高価で突出したワインには興味が薄れている。
目の前で作られ、直ちに口にできる料理の方に興味が移っている。
多くのワイン好きが歩む道を自分も行っているということだと思う。