最近手元のデータをデジタル化して、元の資料を捨てるのが趣味になっている。
毎週週末には、電子化されて不要になった大量のゴミが我が家から出ていく。
徐々に家が広くなっていくようで、快感すら覚える。
具体的に電子化しているのは、紙の資料類、過去の写真、ビデオ、CD、DVD、
LD(レーザーディスク)などである。
本やCDやレコードやビデオなど、溜まっていくのを喜んでいるのは、
自分にまだ残された時間があるという希望的な見通しがあるからだ。
さっさと捨て去る思い切りが必要だと最近思うようになり、実際に行動に移している。
紙の資料や写真はスキャナーで読み取ればよいので単純である。
最近では本のままでも読み取れる優秀なスキャナーがあるのでとても便利だ。
使っているスキャナーは富士通製のScanSnapで、大小4機種すべて揃えてある。
音楽CDは、パソコンに読み込ませればいいので簡単だ。
問題は動画のデジタル化で、これが時間と手間を食う。
昔々に撮った子どものビデオなど、できれば永久保存しておきたい。
具体的には、テレビ用の録画装置からDVDを経てパソコンにコピーして、
動画形式をmp4というフォーマットに変換する。
そうすればiPadでも見ることができるようになる。
しかし苦労の甲斐はあって、義父や義母にiPadで孫の小さいころの動画を見せたら大受けした。
これは立派な親孝行である。
今では過去の遺物になったLDだが、20年以上も前に購入したLDプレーヤーが
いつまで動くか分からないので、 現在コツコツ変換中である。
これが厄介で、非常に手間がかかるが仕方がない。
LDにはプロテクトはかかっていない。
記録方式はデジタルだが、出力はアナログである。
直接パソコンに取り込ませることも不可能ではないが、コンバーターを挟むので
おそらく音質や画質が劣化するだろうし、読み込みミスも起こりやすそうだ。
そこでいちいちLDプレーヤーで再生して、テレビ用の録画装置に録画する。
それをおまかせでDVD-RAMにダビングする。
するとDVDが出来上がるので、これをパソコンに丸ごとコピーし、mp4に変換する。
テレビ用の録画装置でLDから直接DVDに録画できるのかも知れないが、
まだやったことはない。
もしできるなら、60分の画像のデジタル化に100分かかるところを15分節約できる。
画像オタク以外には何のことか分からないと思うが、要するに面倒くさいのである。
LDは幸い30枚くらいしかない。
うち11枚がバーンスタインのマーラー交響曲全集、8枚がグレン・グールド、
3枚がカルロス・クライバー、2枚が森高千里である。
最後に残るのがアナログレコードで、これが一番曲者だ。
プレーヤーで再生しながらコンバーターという装置を挟んでパソコンに取り込めば、
音質は落ちるがデジタル化できる。
自宅でレコードのCD化ができるようになるとは夢のようだが、
レコードは1000枚以上あるので、実際にはそんな悠長なことはやっておれない。
CDを買い直した方がよっぽど時間と手間の節約になる。
もっともマイナーな分野ばかりなので、CD化されていないものが過半数である。
しかし、そこまでして残しておかねばならないのか、疑問は残る。
捨て去ることの美学に徹する方が賢そうだ。