サンセールの若ワイン・・クロシェ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


リュシアン・クロシェ サンセール "ル・シェーヌ・マルシャン" ブラン 2011
購入日    2014年1月
開栓日    2014年1月17日
購入先    フィッチ
インポーター 出水商事
購入価格   3350円

3日ほど前に、同じ病院に勤務していた元同僚である婦人科の女医さんから
久しぶりに電話がかかってきた。

彼女も今は大阪市内のオフィスで開業していて、うちの子供たちと受験仲間であった
娘さんたちも、研修医&医学生になっているそうだ。
時間の経つのは何と速いことだろう。

ちょっとした相談の電話だったが、元いた病院の管理職のアホぶりだとか、
元同僚たちの現況とか、われわれの将来とかの話に花が咲いて、
気がついたら1時間近くしゃべっていた。

この先生ははるいちごさんの1年先輩で、豪傑ぶりでは良い勝負だと思っていたが、
はるいちごさんの健啖ぶりとタフな日常の話をしたら、感心しつつ呆れていた。

まあそれが順当な反応だとわたしも思うが、
「先生だって子供が中学生の頃は、一家4人でサムイ島だの何だの、
 毎年毎年あちこち海外旅行に行ってたじゃないですか」
と言ったら、
「もうあんな頃の体力はないわ」と笑っておられた。

お互い開業してから10年前後になるが、大借金してリスクを背負って開業するくらいなら、
あのまま勤務医だった方が、収入だけを考えても良かった気がする、
と意見の一致をみたのだが、これが町医者にしか分からない本音だろう。

収入より楽しいかどうかの方がずっと大事なのだけれど、
経営者になるということはある意味面白いとは思う。
しかし、ずっと会社員であり続けている友人たちを見ていると、
自分が医学部に行かなかったらどうなっていたのかなあ、と思うことがしばしばある。


さてこのワイン、サンセールだからブドウはソーヴィニオン・ブランである。
創業200年という古参の造り手のワインで、35haも畑を持っているらしいから、
わたしはよく知らないけれど、この地域では代表的な造り手なのだろう。

濃くて残糖感があるが、現時点では奥行きや複雑性には乏しい若開けワインである。
開栓当日はインパクトがあって強めの料理には合うものの、
2日目以降は熟成への途中であるためか、単純さが目立つ。

残念ながら酸には乏しく.果実の重厚感ばかりが目立って襟足が重い。
最低でも2~3年置かなくては、マトリクスが多重になって本来の魅惑を出し切れそうにない。
初日に開けて数人で短時間で飲んでしまえば、まあそこそこの評価は得られるかも。

現時点で可もなく不可もないが、これを買い込んで10年寝かせるだけの気長さは
わたしにはないなあ、と正直に思う。
と考えると、決して安いワインではない。

ユーロも高くなりにけり、ということだろうか。