わたしは人混みが嫌いであり、こんな大型連休の最中に観光地に行くのは趣味ではない。
実は旅行を計画する予定であったのだが、人混みが頭に浮かんで具体的な計画を策定
できなかった。
それと、直前に学会で札幌に1泊+4泊もしたことも、旅行計画断念の一因になった。
しかし、岡山に行っている娘が帰って来て、家内と2人で京都に行く計画を練っている。
気が進まないが、わたしも付き合うことにした。
もちろんこんな時期に、観光客がどどっと押し寄せるところには行かない。
目的意識を持って、ピンポイントで行くところを選んで行く。
往復の阪急電車の混雑だけは我慢しなくてはならないが、
準急に乗れば15分ほど余計に時間を食うものの、座れるので苦にならない。
今回の京都行きの最大の目的は「今宮神社の2軒のあぶり餅を 食べ比べること」である。
ついでと言えば失礼だが、大徳寺一久で精進料理を食することも第2の目的である。
昨日5月3日、朝は晴れていたので計画を実行した。
特別公開されていた大徳寺山内の黄梅院の庭園
中は広く、新緑がとても美しい。一見の価値は十分にあり。
大徳寺門前の精進料理の店 大徳寺一久
案内された部屋 ふすまを開けると庭がきれい
精進料理の御膳
精進料理だから腹持ちは悪そうだが、これがなかなか美味しい。
おそらく昆布だしのみの椀ものだが、十分な深みがある
抹茶とお菓子 大徳寺納豆が1粒ついている
庭を眺めながら料理とお抹茶を頂くのは格別である
季節に合わせたお椀もまた楽し
店の人もとても感じが良くて、高飛車なところがない。
これでしめて4000円。
雰囲気を考えるととても安い。
大徳寺一久を出て、大徳寺の中を抜けてゆっくり歩いて、東北方向に向かう。
連休中だというのに、人はちっとも多くない。
大徳寺のすぐ東北に位置する今宮神社
今宮神社の東側の門を出たところ
2軒のあぶり餅屋さんが、向かい合わせになっている
京都らしおます
まずは1軒目、「かざりや」のあぶり餅 15本で500円。
すぐ向かいにある2軒目、「一文字屋和助(一和)」のあぶり餅 同じく15本で500円
こちらの方があぶり方がやや強く、濃厚な味わい
この一和は何と創業1000年とのこと、わが国最古の和菓子屋さんらしい。
堺の「かん袋」(くるみ餅)より古いとは知らなかった。
個人的趣味だが、わたしの知る限り、かん袋のくるみ餅は最高峰の和菓子だと思っている。
京都府立 堂本印象美術館
今宮神社からタクシーに乗って5分、堂本印象美術館に向かう。
京都画壇の巨匠たち、という展示が行われていた。
美術館前から市バスに乗って30分余、四条までたどり着くと、案の定大渋滞している。
あっさり烏丸で下りて、阪急で帰宅した。
マニアックな食事とクラシカルなスイーツ、美しい庭園と絵画を楽しむ、という
非常に充実した京都の1日であった。
これなら連休だろうが人混みの影響は少ない。
やはり、京都は確固たる目的(今回はあぶり餅を食すること)を持って
行くべきところである。