気品ある遅開け?グルナッシュ・・デュシェン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ブルノ・デュシェン コリウール・ルージュ ラ・パスコーレ 2006
購入日    2007年12月
開栓日    2013年1月5日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター 野村ユニゾン
購入価格   7000円

南フランスの標高の高い畑で造られる、新しい造り手によるワインだそうだ。
とにかく生産本数が少なくて、市場に出回っていない。
このワインもたしか激しい争奪戦に打ち勝って手に入れた記憶がある。

この造り手、ボアルカの新井順子さんの知り合いであるビオの造り手らしく、
相当な趣味人みたいである。
ワインから趣味人ぶりをうかがい知ることは出来ず、ボアルカほど地酒っぽくはない。

おそらく、グルナッシュ種90%、カリニャン種10%のブレンドと思われる。
まるでピノ・ノワールのような上品さがあるが、あとくちがほんのりと甘い。
思ったほど骨太ではなく、むしろちょっとやせ気味で、やや遅開けであったかと思う。

今思ってもあとの祭りで、これ以降のヴィンテージは手に入れていない。
そもそも売りに出ていたかどうかも分からない。

わたしはグルナッシュはシラーやガメイほど嫌いではない。
安直な甘さを懐かしく思うことすらあり、もっと完成度の高い売れ筋のワインが
多く出てきてもよいと思うのだが、なぜかあまり見当たらない。

しかしこの造り手、あまりに入手困難すぎて、落ち穂拾い的な飲み方しかできないのは
残念である。
この文章を読んだ人も、あ~そうですか、としか言いようがないだろう。

かつてわたしは初期ルネサンス音楽の演奏評を、相当なレベルで語れたかも知れないが、
誰も知らない音楽を語ることは独り言でしかなく、この上なく虚しいものであった。

こんなワインの感想を書いていると、音楽と同じことをやっている気がしてくる。
かといって大衆に媚びた音楽やワインと付き合う気にはならないのだが。