リースリングも美味しい!・・ホルスト・ザウアー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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Escherndorfer Lump Reasling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)2010
開栓日    2012年12月8日
インポーター 緑家

緑家さんから送って頂いたフランケンのリースリングGG2010である。
この夏にすでにジルヴァーナGG2010を開けたが、どちらも新鮮である。

エッジのシャープさはジルヴァーナの方が上だが、こちらも例のリースリングの
やや丸いエッジを感じさせないフレッシュな酸を持っている。
2日で飲みきってしまったが、2日目にも落ちるそぶりはまったく見せない。

このワインはレストランで数人で開けるより、家で1人でゆっくり開けるのに向いている。
いつも緑家さんが言われるように、このあと少し熟成して酸の迫力が無くなったら、
谷間がやって来るのかも知れない。

いつから谷にさしかかるのか、その谷間から立ち上がってきて、
たおやかで上品なワインに化けるのはいつなのか、わたしにはまったく想像がつかない。
それが分かるには、これから多大な時間と経験値が必要だろう。

今からン十年前、ウィーン郊外のグリンツィンで飲み屋をハシゴして、
リースリングのホイリゲの地酒を飲んだのが、わたしのワインの原点である。
あんなワインは日本では飲めないと思っていたら、ここに来て緑家さんという畏友を得て、
かなたのリースリングの記憶のフラッシュバックを体験できたわけだ。

ブルゴーニュの勿体ぶった尊大さとはまったく異なるワインの世界がここにはあって、
もうリースリングには戻ることはないだろう、とうすうす思っていた自分を恥じる思いがする。

音楽の世界では、今後ベートーヴェンのシンフォニーに再び没頭する時が来るとは
思っていないが、ワインでも音楽でも、
常に新しいものにアンテナを張っておかないといけないな、と自省する次第である。