モレの美点のエッセンス・・リニエ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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リューシー・エ・オーギュスト・リニエ モレ・サン・ドニ 2004
購入日    2007年6月
開栓日    2012年8月22日
購入先    湘南ワインセラー
インポーター ヌーヴェル・セレクション
購入価格   6,800円

今日は平日だが、まだ自宅にいる。
今日の午後に名古屋で学会発表があり、今準備中である。
いつも通り朝起きて、今日発表するスライドのうち何枚かを作り直し、新たに追加して、
ほぼ完成したのでブログを書いている。

このあと10:30頃に家を出て、名古屋の学会場に向かう予定である。
きっと行きの新幹線内でもスライドをいじると思う。

焦らない余裕のある大人物だと思われそうだが、直前にならないと真剣にやらない
ええかげんな性格なのだろう。
我ながら困ったものだ。

昨日は東京から業界紙の編集の方が来られて、午後に取材があった。
聞き上手のお姉様から質問を受けたりして、適当にしゃべりまくって
とても楽しい時間を過ごしたが、終わってみると言いたいことの3分の1も話せなかったな、
と思ったりする。

プロのカメラマンがチームで来られて写真を撮って頂いたが、この結果が一番心配だ。
あまり目立ちたくないので、眼のところに黒い四角を入れてもらうよう頼んでおいた。


さて、モレ・サン・ドニの特徴は周辺の他の村より分かりにくいとされているが、
このワインはそれをよく体現していると思う。

少し湿ってくぐもった感触、晴天ではなく穏やかな曇りでかつ心地よい気候、
重心はやや下目だが決して重くはなく、タンニンの強さも感じない。
華やかではないが酸も十分で、余韻も長い。

門前の小僧おばさんの家内も、これは美味しいと素直に言う。
このあと、関東からラブワインさんを迎えてのワイン会があったのだが、
「このワインを持ち込んでもいいんじゃないか」
とまで言う。

「いやいや、そのワイン会にはこんな程度のワインではダメだ」
と言うと
「はぁ~」
と家内は心底呆れるわけである。

だが、これをデイリーに飲んでいるとは、何という贅沢であろう、と正直に思う。
ここにきて2004というヴィンテージの素晴らしさに感心することが多い。

先日三つ星レストラン「fijiya1935」に持ち込んだ、ミシェル・グロの
ヴォーヌ・ロマネ クロ・デ・レアの2004は、これまで飲んだクロ・デ・レアで
最上のものであった。

一方、現時点で村名以上の2005で感心した記憶がない。
大したことの無いヴィンテージなのに、ユーロ高のおり、業界が煽って
ビッグヴィンテージに仕立て上げたのではないか、とさえ思う。

ともあれ、これはモレの美点を満載した美ワインである。
ただ1つの難点は、コルクを開けるのに難渋したことで、
2004だからそんなに古いわけではないのに、ボトルの内壁に強固に癒着して動かない。
結局コルクがボロボロになり、一部の破片はボトル内に落下してしまった。

まあ、中身が良かったからよしとしよう。
僅かに残した液体を3日目まで引っ張ったが、落ち方にも品があり、
最後まで楽しむことができた。
 
夏に開ける若い白もいいのだが、じっくりとした滋味を感じさせる飲み物、
と言えばピノ・ノワールに勝るものはないのでは、との思いを新たにした。