記憶に残らない通行人・・ポテル | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

$ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
リッツ・カールトンホテルのロビーにて
あまり出かけない大阪市内のホテルだが、勉強会で出かけた際のショット

世間は師走のようで、ホテルのロビーにはクリスマスの飾り付けがされている。
しかしこれらの写真は、11月25日に通りがかりにiPhoneで撮った、ベタなショット。

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ニコラ・ポテル ボーヌ 1級畑 レ・ゼプノ 2002
購入日    2005年4月
開栓日    2011年12月3日
購入先    まるどら
インポーター トーメン
購入価格   4480円

一方わたしは自宅で毎度変わらぬ平凡なピノ・ノワールを開けている。
ちょっと今は、ワインライフに関しては大きな谷間にはまり込んでいるようである。

この1ヶ月の間に、「ああ美味しいな」と思って飲んだワインは、
先日の六覚燈でのワインと、UTAさんたちとのワイン会で開けたものしか思い浮かばない。

何が不味いと言っても、一流ホテルの宴会ワインの右に出るものは無いだろう。
ビール以下の価格のものを平気で出してくる神経を疑うが、
まったく日本人の味覚はどうなっているんだ、とさえ思う。

先日の立食パーティでも、
「先生はワイン好きなのに、どうしてビールしか飲まないんですか」
と聞かれたが、答えは簡単だ。
そこに飲める代物が無いからである。

11月17日(ヌーボーの解禁日)に学会で訪れた、京都のホテル・グランビアのバーで、
「ボージョレ・ヌーボーはいかがですか」とお嬢さんから勧められたが、
「こんな一流ホテルのバーで、ボージョレ・ヌーボーなんか勧めるんじゃありません」
と言ってしまった。
ちなみに、価格はボトルで5,000円であった。やんぬるかな。

さて今回のワイン、ずいぶん前に購入したものだが、ワインの山の中から発掘したので
開栓してみた。
2002だが1級ものだから、そう遅くもないだろう、という予測を抱いていた。

確かに遅くはなかったし、状態にも問題はなかったが、まったく魅力のないワインである。
そう書いてしまうと実もフタもないが、これほどまでに特徴のないブルゴーニュ、というのも珍しい。

翌日も翌々日も、やっぱり特徴が無くて、どんなワインだったか思い出せない。
香りが無かったわけではないが、どんな香りだったか、記憶にない。
味わいも華やかさが無く、記憶にない。
ピノ・ノワールであったことだけは覚えている。

一流造り手の村名レベルのワインにも負ける地味さである。
保管不良品ではないようだし、このボトルだけが魅力がないのかも知れないが、
1本しかないので、再検証しようがない。

すれ違っても何の意識にも上らない、特徴のないただの通行人。
なので、もう一度会いたいとか、2度と会いたくない、とかいう感慨が起こって来ない。
パーティで談笑しながら飲むには良いが、こんなものを自宅で1人で飲んでいると
何となく虚しくなる。

まあ、ブルゴーニュのピノ・ノワールに関しては、自宅の保管環境に問題はない、
ということだけは良く分かった。
次はもうちょっとまともなワインを開けるようにしよう。