凡酒と銘酒・・シャブリとコルディエのマコン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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(左)ドメーヌ・ド・ラ・マンドリエール シャブリ 2009
購入日    2011年8月
開栓日    2011年8月21日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   1524円

(右)ドメーヌ・コルディエ・ペール・エ・フィス マコン ブラン オー・ボワ・ダリエ 2009
購入日    2011年8月
開栓日    2011年8月18日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   1715円

わたしなどは、未知のワインを検証する、というのを趣味にしている部分があるので、
ワインを開けるのは、晩酌にビールを開ける、というのと意味が違う。
これは1つの道楽のようなものだ。

美味しいワインを見つけるとリピートしたくなるが、世の中は甘くなくて、
自分がリピートしたいワインは、どういうわけか人もリピートしたいようである。
結果的にリピートしたいワインは、高い。

わざわざ高いワインを選んで開けているわけではない。
元来へそ曲がりな人間だから、お金が余っているのをいいことに(ウソ)、
高いワインを買ってみて、不味いことを明らかにし、
「ほれみたことか」と言いたい気持ちもある。
(もちろん状態の悪いワインを含めての話ではない)

しかし残念なことに、現実には、自分が美味しいと思うワインは高いのである。
デイリーに開けるワイン代にいくら使うか、は人によって違うのは当たり前だが、
舌が肥えてくると安いワインは飲めなくなる。
これを知るがゆえの不幸という。
よって、道を行けば行くほどワイン代がかさむ、というジレンマに陥る。

屁理屈はこの辺にして、久しぶりに安い値段で超美味しいワインを開栓した。
自分で見つけたなら誇らしいのだが、残念ながらそうではない。
6月に訪問した際、六覚燈の中山さんから教えてもらったものである。

そのワインは、写真右側のマコンである。
六覚燈では2008を開栓してもらったが、購入したのは2009である。

開栓後30分くらいの間はアルコール臭を感じるが、それはやがて消えてしまう。
本番はそこからである。
ものすごくチャーミングな酸が立ち上がってきて、同じ2009のルフレーヴのマコンより、ずっと潔い。
見事にシャルドネ離れしたワインである。

まるで2010のリースリングのように、酸のエッジが立っている。
来年でも美味しいだろうが、今だけの新鮮な魅力が満載である。

酸が丸くなってしまうと魅力が無くなる、という緑家教祖のご高言が思い出される。
これを知ると、中途半端な時期のワインに魅力を感じなってしまう。
新鮮な酸の中毒になりそうだが、それもこれも、緑家さんとロ○コンのラブワインさんの影響が大だ。
一昨日UTAさんに1本進呈したが、同じように酸が美しいワインだったようだ。

ヴェリタスの店長がまとめて入れたようで、まだショップにはたくさん在庫がある。
こういうワインを見いだしてもらえると、消費者として有難い。
梅田の三越伊勢丹にあるワインショップでは、2700円くらいで売られていた。

同時に1本だけ購入した、同じ価格帯のシャブリを追って開栓してみた。
こちらは比較にならないくらいつまらないワインで、香りは乏しいし、美しい酸もない。
シャルドネの果実に介入する樽香がうっとうしくて、ステンレスタンクのシャブリを求めてみたが、
樽香が無い代わりに香りも無いので、面白くないことこの上ない。

どこのスーパーにも並んでいる、凡酒の閾を出ていないものだった。
1500円だからこんなものだ、といえばそれまでだが、2本を並べて比較すると、
価値は同等でも内容には10倍以上の開きがある、と言っていいだろう。

ただしこの素晴らしきマコン、実力を見抜くには相当の経験値が必要だ。
酸性人には間違いなく受ける、マニアックな掘り出し物。