エグリ・ウリエ グラン・クリュ・ブリュット・ロゼ NV
購入日 2010年8月
開栓日 2011年7月18日
購入先 ワインショップ・ソムリエ
インポーター トゥエンティワンコミュニティ
購入価格 7981円
どういうわけか真夏になると忙しくなる。
急性炎症がやたらに増えるのも、毎年のことである。
ことに土曜日がそうで、毎週一過性に「流行っているラーメン屋の昼時」状態になる。
ずっと赤ワイン党であったわたしでも、こう暑いと、室温で生ぬるくなる赤は開ける気がしない。
ピノ・ノワールから離れる気はないけれども、当たる確率が低いのにも辟易する。
会うたびに機嫌が違うわがまま女みたいなものだ。
外科系で気が短いわたしの性格では、付き合いきれない。
日本酒などを迂回して遅れてきた飲み手なので、「これからは毎日厳選したワインだけを開けよう」
とこれまで何度も決意してきたはずだが、どうも実行できていると思えない。
すでに数年分のストックもあるし、これから何を買うべきかも考えなければならない。
とか何とか言いながら、安直に今回もシャンパーニュを開けることとする。
何なんだこの価格は、というほどの破格で手に入れたエグリさんである。
しかし中身は極めてまっとうで、エグリの魅力に溢れている、と思う。
そんなにエグリを体系的に飲んでいないので、偉そうなことは言えないのだが。
世間では2010デゴルジュマンのボトルも出回っており、ラブワインさんもすでに
開栓されているが、このボトルのデゴルジュマンは2009となっている。
ピノノワール60%、シャルドネ40%、「アッサンブラージュ」のロゼだそうである。
遅開け趣味であるわたしにとっては、この2009デゴルジュマンでも若開けだと感じる。
開栓日の泡はシャバシャバしていて薄味であり、これでもエグリかと思うくらいあっさりしている。
これなら3000円台のちょっと美味しいシャンパーニュと変わらないじゃないの?
と思ったのがシロウトの浅はかさ。
ミネラルはさほど感じないのだが、時間とともにコクと複雑性を増していき、
2日目の最終段階では、淡くて深いスチルワインと化していた。
さすがであると唸るしかない。
そこがムニエ100%のヴィーニュ・ド・ブリニーと大きく違うところであり、
ブドウ本来の力の差なのかも知れない。
翻って見ると、シャンパーニュとしてはヴィーニュ・ド・ブリニーの方が
変化球でけったいな代物である。
ともあれこのロゼ、2日目にエグリの実力を知らされることになった。
これのどこに樽の力が潜んでいるのか、さっぱり分からないのだけれども。