ただただ濃い・・カノン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
グランド・コリーヌ ル・カノン ルージュ VdT(2009)
開栓日    2010年8月12日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター ヴォルテックス

今日で土日を挟んでのお盆休みが終わってしまい、今日からまた仕事となった。
周りの医療機関はまだ休んでいるところが多いのに、午前中だけで40人近くの
患者さんがやってこられて、こちらもバテ気味である。

休み期間中に、懸案であった論文(もちろん日本語)と、研究データの整理は終わったものの、
それ以外の事務的な仕事は結局積み残してしまった。

外来診療に1日7時間も取られているわけだから、ワインを止めて頭が冴えている時間を
もっと増やさないと何もできない、ということは分かっているのだが、それが難しい。
とある友人が、仕事のしすぎで燃え尽き状態になってしまった、という話を先週聞いた。
今くらいの調子で、息抜きがある方が健全かも知れない。


さて、吟醸酒を燗して飲む、という凝り性の飲み手である同業者、福山のS先生から
送っていただいたワインである。
お馴染みの酒屋さんから,強く勧められたそうだ。

今やけっこう有名になったワインで、日本人の醸造家、大岡さんという方が造っておられる
ビオワインである。
これの2006のロゼを、3年ほど前に開栓して記事にしたことがある。

産地はローヌで、シラー66%、グルナッシュ34%という普段は飲まない品種のブドウ
のワインだ。
シラー66%と聞いただけで胃のあたりがもたれるが、ブドウが異なればこれだけワインが
別物になるのか、というくらいピノ・ノワールとは違う。

グラスに注ぐと濃い紫色で、粘度も高いようでどろりとしている。
ビオ香は感じられず、シラーの真っ黒けの果実香が、ゆったりと漂い始める。
口に含むと、濃厚で甘い果実が広がる。

20代の後半でこれに出会ったら、感激してケース買いしたかも知れない、とちょっと思う。
ただし、1ケースを空ける頃には辟易してきて、もう一生飲まなくてもいいや、
と思ってしまうだろう。

冷蔵庫に冷やしておけば、3日くらいなら香りも果実も抜けないが、やはり1日目が一番美味しい。
ワイン会などで数人で開ければ、きっと受けると思うが,今のわたしにとって、
これを1人で開けてしまうのはまったく無理で、1日にグラスに少々で十分である。

年齢に見合う飲み物、というのは確かにあるのだ。
ワイングラスを傾けながら,年を感じる。