アメブロガー六覚燈に集合 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

さて六覚燈のワインである。
今回は東京からのゲストである姫以外に、リースリングの大家、緑家さんはじめ
一癖も二癖もあるブロガーが同席されている。
あらかじめお店にはマニアックなメンバーが来ると伝えておいたので、
ソムリエの中山さんもこの日の絵を描いておられたようである。

「皆さんが来られるので、昨日の晩いろいろ考えていたんです」と言って下さるが、
ソムリエもわれわれを迎えることを楽しんでおられるとしたら、
客としてこれ以上の歓びはない。

いつものように予算を決めて、泡・白・赤ともう1本、という注文を出すが、
ゲストの姫も柔らかなものがいいと所望されるし、緑家さんの奥様とUTAさんも
ご異存はないようだ。
それで決まり。あとはお任せ。

わたしはこの店でリースリングを飲んだ記憶がないのだが、
「リースリングの良いものはありますか? 変なリースリングを出したら、この人暴れますよ」
と言うと、中山さんは
「はい、あります(キッパリ)」と言われた。
さあ、お手並み拝見である。

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J.M.ゴビヤール キュヴェ・プレスティージュ ミレジム 2005
開栓日    2010年3月11日
インポーター 日食

フランツ・ヒルツベルガー ジンガーリーデル・リースリング・スマラクト 2000 オーストラリア
開栓日    2010年3月11日
インポーター ?

このシャンパーニュは、ここで一度開栓したことがあるのを、エチケットを見て思い出した。
写真でははっきりしないが、ラベルの左端に僧侶が描かれている。
その僧侶とは、ドン・ペリニョンなのだそうだ。

前に飲んだのは2007年7月19日で、その際のヴィンテージは2002だった。
3年弱経過して、今回はヴィンテージが2005になっているが、印象は変わらない。

ブラン・ド・ブランではなくて3種のブレンドらしいが、赤系ブドウは奥に引っ込んでいて、
シャンパーニュとしてはドライで繊細な方だと思う。
開栓時期もあるのか、今回も泡は細かくて清楚な印象だったが、リースリングの大家
緑家さんに言わせると「リースリングに比べると骨太」なのだそうである。

今回は2本目にリースリングが出てきた。
これは結構濃厚で、ボディもどっしりした上に余韻も長い。
しかし残糖はとても少なくて、しっかり酸味も出ているし、ミネラルも程よく感じられる。

あとくちにまったりとしたところがあって、さすがの緑家さんが
「これは貴腐が入っている」と指摘される。
あ~なるほどな、甘さこそ少なくて酸に置き換わっているものの、これは貴腐の味わいだ。

オーストリアの北の方のワインらしく、ネットショップのHPに次の情報がある。
「ヒルツベルガーのワイナリーと畑のあるシュピッツ・アン・デア・ドナウの村は
 ヴァッハウ渓谷のワイン産地の中でも最も上流域に位置するため・・冷涼な気候」

貴腐ブドウから辛口ワインをどうやって造るのかよく分からないが、
ネット価1万円くらいだから、これはお買い得ではないだろうか。
これ以降の評価は緑家さんにお願いしたいところだが、不思議とこのワインも
串カツに合うのである。

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バス・フィリップ クラウン・プリンス ピノ・ノワール 2007 オーストラリア
開栓日    2010年3月11日
インポーター ヴァイアンドカンパニー

ルイ・ジャド モレ・サン・ドニ 1er Cru レ・ソルベ 1997
開栓日    2010年3月11日
インポーター 日本リカー

赤の1本目はこれまた経験のない香味のワインである。
そもそもブドウ品種が分からない。
濃くて甘くて分かりやすいが、飲みつけたピノ・ノワールとはまるで異なる。

わたしの守備範囲は広くない上に知識不足もあるのだが、
フランスワインだとすれば南フランスしかなく、そうじゃなければオーストラリアか。
明らかにカリピノではなく、この甘さはグルナッシュか、くらいしか思いつかない。

これがピノだと聞いて愕然とするが、わたしの隣ではWakoさんが、向かいでは緑家さんが
ピノだと言っておられた。
わずかだが、ネット上にこのワインがあるのを見つけた。
造り手のフィリップ・ジョーンズは、オーストラリアのアンリ・ジャイエと呼ばれている
らしい(笑)

いや、参りました。自分がいかに狭量なワイン飲みかが、よく分かりましたよ。
「所変われば味変わる」

赤の2本目は、予想通りのブルゴーニュである。
ニュイ・サン・ジョルジュの2004、なんていい加減なことを大きな声で言ってみたものの、
これまた大ハズレ。

バス・フィリップの後だと酸味が強く、実際より新しく感じられたが、
何と1997やおまへんか。
見たことあるぞ、このエチケット。そうや、昨年秋にまいどの副院長と訪れた際に、
ルロワのあとでグラスで飲んだワインやないの。

あの時はもっとボディがしっかりと感じたのだが、今回はオーストラリア・ピノの
あとだから、ずいぶん華奢で酸味が強く感じる。
この日の中では、最も柳腰でナーバスなワインであったと言えるだろう。

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ユルチッチ・ソンホフ リースリング・アルテ・レーベン 1999 オーストリア
開栓日    2010年3月11日
インポーター エイ・ダヴリュー・エイ

1本開栓されて中山さんが納得されず、同じものをもう1本開栓して供された。
酸がキリリとして、ミネラルも豊富なオーストリアのリースリングだが、
古木だから地中深くのミネラルを吸い上げるのだ、と緑家さんが解説されていた。

このあたりになると、お腹いっぱいになってきて、酔っていてよく印象を覚えていないので、
ここはあっさり緑家さんのご高説を待つことにする。

ボツにされた1本目は、写真右のシロップに混ぜられて供されると、
あら不思議、分かりやすくて甘いデザート酒に大変身。

この辺ですでに6時間近くが経過していた。
入店時にはまばらだった店内も、一時はすべての席が笑顔の客で埋まり、
そしてまたほとんどが空席になって、日付が変わるのも間近になった。

5人で行けばそれだけ本数も開いて楽しめる。
ワインの嗜好は異なれど、よく飲んだこの夜もシンデレラ姫のお帰りの時間が近づいてお開きに。

例によって串カツの写真はないが、串カツ片手にワインを楽しむこの店の魅力を、
5人のブロガー全員で堪能できた一夜であった。