甘口だが華麗・・バラドンのロゼ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ジャニソン・バラドン ブリュット・ロゼ NV
購入日    2010年1月
開栓日    2010年1月17日
購入先    ブル魂
インポーター ヌーヴェル・セレクション
購入価格   4800円

先週金曜日の15日の弘屋でのワイン会のあと、何にもする気がしなくなって、
体調も悪くないのに週末は無為に過ごしてしまった。
あのカニが無ければ、何にも覚えていない日々であったと思う。

年末の風邪以来、内因性のインターフェロンが持続して出ているのか、
妙に睡眠時間も長く、朝なかなか起きられない。
多くのサラリーマンは朝7時過ぎには家を出ているだろうが、わたしは職住接近という
こともあり、8時に起きても仕事に間に合う。

もちろんそんな遅くまで寝ているわけではないし、朝の30分でブログ更新とメール返信まで
やっているし、この数十年間で寝坊したことなど一度もないが、
どうもインターフェロンの基礎値が上がっている気がする。

そんな中、今週になって内科の先生から研修医の若い先生を2日間預かることになり、
昨日と本日の2日間、診療に付き合わせて、昼間は医師の会合に連れ回した。

「見かけは可愛らしいが、芯がしっかりしている」
という内科の先生の評価通り、たいへん鋭い質問をしてくるし、
未知のことを学ぶ姿勢に溢れた、非常に優秀な女医さんあった。

性別にかかわらず、プロ意識がなければ医療の世界では通用しないのは当然だが、
こんな若い後輩医師を見るとまだまだこれからの医療界には未来があると思う。
うちの科に来てくれればいいなあ、とは思うが、何科にに進んでも大いに活躍してもらいたい。


さて、カニを食った以外は無為に過ごした日曜日に開栓したシャンパーニュで、
新鮮なカニに合わせて飲んだものである。
シャンパーニュにミネラルをどこまで求めるべきか。
ムラヴィンスキーはシャンパーニュの理想型か。
などという禅問答のようなことを考えてしまうのは、ラブワインさんの影響かも知れない。

わたしは子供の頃からフルトヴェングラーもトスカニーニも嫌いではなかったが、
結局日々愛聴する対象とはならず、もう一人の巨匠と言われながら、2人とはかけ離れた
演奏スタイルのブルーノ・ワルターをもっぱら好んで聴いている。

ワインに例えれば、それこそミネラルやタンニンが乏しくて、優雅で貴族的で一般受けするものに
相当するだろうが、このシャンパーニュがそうかも知れない。
芯に蜜のような果実があり、嫌みな甘さではなく余韻の長い熟成感を感じる。

それなりに風格も備えるが、更にその上に男性的な骨格を求めるのは野暮というものだろう。
万人受けして無難なシャンパーニュなのだが、目でも楽しませることも忘れてはいない。
空き瓶もどっしりと重くて、何だか高そうだなあ、と思わせる演出も小憎いところだ。

今春の医療費改定で、外来管理加算はどうなるのだ、再診料はどこに落ち着くのだ、
という論議がかまびすしく、多くの開業医は収入源になるのを恐れて戦々恐々としている。

医療費全体が0.19%の伸びという現状維持に等しい結果で、病院の救急部門や
婦人科・小児科あたりに点数が付けられるとなると、その財源は開業医から
引っぺがして来るしかないのは、当然の予想されたことだ。

元々保険点数上優遇されていないわれわれの科から見れば、ケセラセラ、というほかない。
いつまでこんな優雅な酒を飲めるのか不安が一杯ではあるが、
空き瓶を手に取りしげしげ眺めながら、来るべき春からの減収に心の準備をしておきたい。