酸味復活・・アンヌ・グロのニュイ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ドメーヌ・アンヌ・グロ オート・コート・ド・ニュイ ブラン キュヴェ・マリーン 2002
購入日    2004年11月
開栓日    2009年7月20日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   2480円

昨日も今日も、大量の患者さんが押し寄せてきて、久々にアゴの上がる2日間であった。
午前9時前に診察室の椅子に座り、仕事を終えて立ち上がったのが午後2時である。
新規開業して患者さんが集まらず、借金を返すのに悪戦苦闘している先生方も多い中、
きっと喜ぶべきことなのだろう。

いつまでこんな日が続くのかと思うと、ちょっと考え込んでしまうが、
町医者として勤め上げるのも結局は忍耐なのだ、とよく分かるようになった。
お金のためだけだったらこんな仕事はしない。
自分の臨床力を社会に還元するのだ、という高邁な(高慢ちきな)発想がなければ、
勤務医でも開業医でも医師の仕事は勤まらない。
少なくとも、わたしの周りにいる多くの医師はみんな同じ意見だと思う。

そんな中、10日後に迫った私学教員の資格更新のための講義の準備をしている。
こんなことをしているから一層忙しいのだが、ほとんど趣味の世界だ。
講演料4万円を得るための準備に軽く10時間はかかるし、資料集めの労力も考えると
さらにその倍の時間はかかる上に、東京往復の時間もかかる。
しかも得た講演料の半分は税金で飛んでしまうとなると、趣味だと思わないとやっておれない。

そう言えば、今日もまた秋の小さな勉強会での講演を頼まれてしまった。
8月のもう1つの講演、9月の学会発表(1日で2題)も含めると、まだまだプレゼンの機会が続く。
口は災いの元である。


さてこのワイン、前に開けて記事を書いてからもう2年になる。気の長いブログである。
多分このボトルが最後から2本目である。
2003までは購入したが、それ以降は価格が倍近くになったので、アホらしくて買うのを止めた。

比較的濃いシャルドネで、若いうちは果実と樽香が拮抗して、メリハリがあって力強い。
その時期を過ぎると少し果実が奥に引っ込み、酸も丸くなって樽香が多少鼻につく。
それが2年前の状態であった。

今回はもっと酸が丸くて鈍になっていると思いきや、期待を大きく裏切り、
開栓初日はシャープな酸が乱舞する。
ナッツ系やバター香などの柔らかな香りが乏しいのは元からだが、今では樽香も落ち着いて
気にならなくなっている。

先日開けたフェルトン・ロードのブロック2 シャルドネ 2007(ブログ未記載)が
細身ながらナッティな香りを振りまいていたのと対照的で、女性が造っているにもかかわらず
かなり男性的である。

今のわたしは、もうちよっと繊細で柔らかなワインが好みではあるが、2日目には予想以上に
柔らかくなっていて、酸が落ち着いて食事にも合わせやすくなっていた。

前のボトルの印象からは、一度はへたりかけていた様子もあったが、きっと時期により
酸が出たり引っ込んだりするのだろう。
この2002、まだまだ将来があるように思う。
ただし、4000円などという価格が付いてしまったら、とても買う気にはならないけれど。